『もっと勝つための現代麻雀技術論実践編』、初版は2014年11月5日発売。6月から原稿の執筆、問題作成を始めたので製作期間はおよそ5ヶ月。『現麻本』より1ヶ月ほど早い仕上がりになりました。
しかし、製作前は正直『現麻本』よりずっと製作に時間がかかると予想していました。何故なら、理論編では解説に合った牌姿を自前で用意すれば済みましたが、実践編なので扱う問題は全て実戦からの引用。そのうえで、『現麻本』で取り上げた内容を満遍なく押さえた問題集にする必要があります。
幸い前回申した通り、『現麻本』執筆後は天鳳に興じていて、しかも折角だからと新人から有料版でプレイすることにしたので牌譜が全て残っていました(無料版では保存される牌譜が直近40戦のみ)。
それだけでなく、ハンゲームの雀key会の掲示板に投稿された牌図や牌譜、5年分以上のストックに加え、とつげき東北氏の何切る掲示板。また麻雀一番街、ドボン天国といったSNSもあったので、思ったよりずっと問題収集がスムーズに済みました。
昨今は麻雀関連の情報は主にTwitter、あるいは動画サイトで発信されるようになりました。情報量そのものは以前より遥かに多くなりましたが、後からログを確認して、実践編で扱うものとしてふさわしく、なおかつ面白い問題を拾っていくということが難しくなりました。今から立体図だけで90問収録した問題集を作れと言われても、当時ほどのクオリティを保てる自信がありません。
本書の作成が思った以上にスムーズに進行した理由として、雀key会メンバーの協力も欠かせません。問題作成から1ヶ月後、7月には既にメンバーが集まり、どの問題を収録するのがふさわしいか検討会が始まっていました。没問題も含めれば100問以上の問題を一つずつ検討し合える仲間が何人も居たというのは、勉強会を続けて来た大きな財産でした。
そして何より、編者福地氏の尽力により、ゲスト、有志の回答、コメント作成、特別座談会も加わり、問題集以外も前作より充実したものになりました。問題作成だけなら2ヶ月程度で終わっていたので、「ここまでやるのか」と、福地氏の麻雀ライターとしての手腕に驚かされました。正直、『現麻本』執筆以前は、福地氏の麻雀ライターとしての力量に懐疑的だったのですが、今となっては、この人からの依頼で本当によかったと思わざるを得ません。
福地氏が成績表で、正答率を「ネマタ率」と表現していますが、実は私が解いたとしても、初見の問題であるとすればおそらく8割取れればいい方でしょう。何故なら本書は、私が実戦でミスした問題、初見で別の打牌が正解と思ってしまった問題、理屈では分かるが、個人的にも正解が直感に反すると感じた問題、メンバーとの検討の結果答えを差し替えた問題がそれぞれ多数含まれているためです。
福地氏から有志に解いてもらうと聞いた時は、実力者の正答率が揃って低く、そもそも問題としての出来が悪いと認定されたらどうしようと不安になっていましたが、最高得点率は天鳳位のタケオしゃん。これだけではもちろん問題が優秀と証明できるわけでなく、いささか権威主義的ではありますが、正直この結果にはホッとしたものです(笑)