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第66回 ネマタの麻雀徒然草

第66回 ネマタの麻雀徒然草

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ネマタの麻雀徒然草とは
  • 『ネマタの麻雀徒然草』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる「麻雀に関する話題を徒然なるままに書き連ねていく」コラムです。
  • 第1回はコチラ

 戦術本レビューで『ウザク本3』のレビューを3月23日より開始しましたが、ウザク氏本人から章末の4コマ漫画のレビューも依頼されたので、こちらで取り上げることにいたします。

第6章

 『現麻本』発売記念イベントの際に編者の福地氏から、「麻雀に勝てるお経をお願いします」と冗談半分で言われたことがあります。神社に初詣に行ったり占いをしたりするように、宗教関連となると何かスピリチュアルなものを扱っているイメージがあるのかもしれません。

 仏教とは名が体を表す通り、「仏の、仏による、仏になるための教え」。仏とは悟りを開いた存在、あらゆるものを善悪、優劣も交えずに、ありのままに観ることのできる存在です。麻雀は御存知の通り「不確定情報ゲーム」ですので必勝法はありません。負けるときは負けます。しかし勝敗に善悪や優劣を見出しているのはあくまで人間側の価値観ですから、本当は勝ってもいいし、負けちゃっても構わないのです。「麻雀に勝てるお経」をお願いされたら、今度からはこう答えようと思います(笑)

 負けちゃっても構わないと申しましたが、麻雀で勝つことを目的とするうえでも、「麻雀をありのままに観る」ことが大事だと考えます。運は育てたり掴んだりすることができるものではないというより、そもそも育てたり掴んだりすることが出来ないからこその運です。オカルトの道に傾倒するのは、麻雀をありのままに観ることから遠ざかる行為です。

 しかしスピリチュアルなものを否定すると言っても、スピリチュアルなものを何となく信じてしまう、信じていないとしても興味を惹かれる人を否定するというわけではありません。むしろ、「人間はありのままを観ることができない」というのを自覚せずに、「自分はありのままに麻雀を観ることができる」と思い込んでしまえばなおのこと判断を誤ってしまう恐れがあります。オカルトに傾倒している人は少なからず自分がそうであることを自覚していることを踏まえると、オカルトを全面的に否定するのは、却って打牌に悪影響を及ぼしてしまうかもしれません。私自身、「前局で思いもしない悪い結果に見舞われてしまうと、次局も悪い結果になってしまうかもしれない。」という、麻雀打ちによくある感覚から抜け出せているわけではありません。

 運の操り方を書いた戦術書が廃れる一方で、データを用いた麻雀研究が盛んになりましたが、「データを鵜呑みにしない」という話もよく聞きます。この言葉自体は、データの方が正しくないという印象を受けるので個人的には避けるようにしていますが、「データを受け取る人間側はありのままに観ることができないので、鵜呑みにしようとすることはかえって麻雀の正解から遠ざかってしまうことになりかねない。」という意味であればその通りだと思います。「自分自身がどのように麻雀というゲームを捉えているか」に気付けることが大事なので、オカルトを最初から信じていない人、あるいはデータを役に立たないものと思っている人であっても、少しばかりでも興味を持ってもらえればと思うことであります。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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