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第67回 ネマタの麻雀徒然草

第67回 ネマタの麻雀徒然草

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ネマタの麻雀徒然草とは
  • 『ネマタの麻雀徒然草』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる「麻雀に関する話題を徒然なるままに書き連ねていく」コラムです。
  • 第1回はコチラ

 戦術本レビューで『ウザク本3』のレビューを3月23日より開始しましたが、ウザク氏本人から章末の4コマ漫画のレビューも依頼されたので、こちらで取り上げることにいたします。

第7章

 「守破離」。もとは千利休の訓をまとめた『利休道歌』にある、「規矩作法 守り尽くして破るとも離るるとても本を忘るな」を引用したものとされています。

 「本を忘るな」、根源の精神を見失ってはならないというところにこそ、この言葉の本質があるように思います。戦術書の内容が全てではないという話はよくされますが、全てではないと言っても全く独立した技術があるわけではなく、どこまで行っても基本の延長線上にあるものと私自身は捉えています。

 元々が芸道、芸術関係、すなわち「零和」ゲームでないという意味で最適解が無い分野の言葉ですから、麻雀に適用するとなると少し意味合いが変わってくるように思います。漫画の中ではすみれちゃんが「守」の段階、猫のシロが「破」の段階とお姉さんに認定され、「猫以下?」と突っ込むオチがついていますが、麻雀においては誰しもが「守」の段階でもあり、「破」の段階でもあり、「離」の段階でもあるというのが私は認識しています。

 セオリーに忠実に打つのが「守」であれば、そのセオリーが当てはまらないケースを探し、別の打牌を模索するのが「破」、セオリーに当てはまらない打牌を確立するのが「離」の段階。新たな打牌が確立されれば、より高い精度で打牌選択ができるように型に当てはめるのですから、再び「守」の段階に戻ります。麻雀の最適解を突き詰めるというのはこの繰り返し。平澤プロが以前戦術書で、麻雀戦術の構造を「マトリョーシカ」に喩えていましたが、まさにそのような感じです。セオリーの数だけ「守破離」が存在するのですから、誰しもが「守」であり「破」であり「離」であると言うことです。

 麻雀は誰しも様々な環境で学んでいるので、実力的には十分上級者と言える打ち手であっても、あるセオリーに関しては「守」の段階を抜け切れてないということもあれば、その逆もあります。このようなことが珍しくないので、麻雀は初心者向け、上級者向けといった括りで戦術を取り扱うのが難しいという現状があります。本書の対象読者が、初級者から上級者までと幅広く想定されているのもそのためです。

 今度戦術記事を書くことがあれば、単に「守破離」でまとめるのではなく、自分はこの分野に関してはまだ「守」の段階、こちらの分野は結構セオリー通りに打てているので「破」の段階に移ろうというように、戦術構造がどの段階の人にも分かりやすい形でまとめられたらと思うことであります。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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