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斎藤俊の旬な雀士を見てやんよ 第4回 渋川難波 後編「作戦が見事はまったという感触です。戦略的勝利。」

斎藤俊の旬な雀士を見てやんよ 第4回 渋川難波 後編「作戦が見事はまったという感触です。戦略的勝利。」

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最近放送対局ではすっかりヒールのイメージが定着した斎藤プロが、今最も旬な雀士を紹介していくこのコーナー。第4回は第15回日本オープンを獲得した渋川難波プロです。

第4回 渋川難波 前編「日本オープン優勝の秘訣『理にアナログ要素を上乗せする』とは?」

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――前回の最後にさらっと煽られたことですし、雀竜リーグ降級を決めた渋川先生のありがたいお話を引き続き聞かせてもらいましょう。

渋川:そっちもガッツリ煽ってくるじゃないですか(笑)

――我々お互い煽ってナンボでしょう(笑)さてさて、決勝のような特定の4人でトップを獲るよりも、予選の上位25%に残り続ける方がハードルが高く感じるよね。

渋川:そう。すごく分かる。そこを通過できたからこそイける気がしてたんだよね~。

――決勝を終わってからのコメントで、「全体的にディフェンシブ過ぎた。少し考え方変えてもいいかなと思った」とコメントを残した。

渋川:決勝を振り返ってのコメントですね。普通に麻雀打っている時は、もう少し押すことが多いんです。確かに押しにくい手が多かったのは事実だと思いますが、それでも攻めることのメリットが多いので。

決勝戦の面子は日本プロ麻雀連盟の石立岳大プロ、協会の小倉孝プロ、一般の桑原俊之さんでした。石立プロがガンガン攻めるし押し返しもしてくる、小倉プロもテンパイが入ってしまえばガンガン来る、桑原さんはかなり守備派という印象で、面子を考慮しての戦略でディフェンシブに構えようと考えていました。

――攻撃派が複数いると横移動決着も増えるよね。

渋川:上手い具合にキー牌を意図的にチーさせて、前に出させての放銃待ちをしたり、役牌をポンさせてその人に親リーチを蹴らせたり、そういったことがバシバシ大事な時に決まった感じですね。もっと全体的に守備的な面子だったら自分がガンガン攻めたり仕掛けたりして主導権を握る戦い方をする。ただ今回は特に石立プロが全くヒヨらない。それを感じて、これは余計なことをした方がダメそうだから、耐えようと。穴熊作戦ですね。最初はガンガン行こうと思ってたけど、石立プロ、桑原さんの両者が際立ってたからメリハリで行こうと思っていた。

――石立プロとは予選で当たったんですわ。石立プロリーチした瞬間、力みで指ツってた。

渋川:気合の表れですな。僕も当たっていて予選から石立さんは止まらずに攻めてきてた。そういったのを見てきたからこそ、決勝戦では先手、本手をじっくり待つ作戦を取れた。戦略的勝利。ずる賢い。自分の麻雀を打ったというより、面子をみて作戦を立て、それが見事はまったという感触です。

――小倉プロの打牌がちょっと意外に感じた。もっとストレートな手組で攻めると思っていた。

渋川:それは思いました。小倉プロはテンパったら愚形でもガンガン来るスタイルは今もあると思いますが、そもそもの手組として愚形を回避、打点作りに向かうように修正してたかもですね。仕掛けは爽やかな仕掛けも多用している感じがしました。

――さ、爽やか!?打点が安そうってこと?

渋川:石立プロもでしたが小倉プロも爽やかな仕掛けでしたね。もう少し押したかった所以です。

――その「爽やかな仕掛け」の一般的特徴として致命的な牌さえ打たなければ、打点とか待ちが絞りやすいもんね。

渋川:そうなんです。ただ、たまにある事故とかに当たりたくなかったんです。仕掛けに対してラフに打つとたまに事故るからそこは手牌の価値に素直に従いました。手牌に合わないのは押さずに辞めておこうと。決勝戦の着順が、はじめ2着、4着と来て3回戦で1着を取りプロ3人が横並びになりました。続く4回戦で1着は偉いけど、4着引いたら最悪という展開。だから安定の2着で最終戦決着を選びました。

――最後って結局トップは必須だったりするからね。協会ルールの特徴で。

渋川:そう。4着だとトップラスを返さないといけないけど、2着だったら自分の着順との戦いになる場合が多い。だから耐え続けようとして耐え続けた。少し展開にも恵まれて、相手の高い手を躱したいときに躱せた。展開が悪い時って躱しに行って思ったより早い反撃に合うパターンとかもあるけど、そういったことが決勝では一切なかった。

――最後も目的に合致した手牌が来たね。

渋川:オーラス和了りトップ、最悪でも親にノーテンで伏せられない点差につけようと考えていました。やっぱ俗にいうノミ手でも役牌を躊躇いなく鳴けるから和了りトップって偉いよなと感じましたね。オーラス打点作るためにメンゼン縛りになっちゃうと、そういった特急券が鳴けない。良かった。ほんと良かったよ。二次予選から長かった。日本オープンは高いシード来ますからね。今年中にもう一個タイトル獲りたいな。

日本オープンって予選から決勝までの距離が協会では一番遠いと思うんです。今までオープンタイトルってBEST16の壁を越えたことなかったんですが、今回突破でしかも優勝。タイトル戦にずっと出続けた甲斐があったと思います。

――勝った人は皆言うけど出続けるって大切だね。ちなみにあなたがタイトル獲ったせいで俺、新人王の解説降ろされてるからね(笑)

渋川:最近急にタイトルホルダー増えたからね。2つ目早く獲っちゃいなさい。今回の新人王は僕がしっかり解説しときますよ(笑)

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渋川 難波(@sibukawarou
ネット麻雀『天鳳』十段の名をひっさげてプロ入り。デビュー2年目で二大タイトルの一つ『雀竜位』を獲得。『魔神の〜』シリーズでの著作多数。

・関連リンク
渋川難波が初優勝/第15回日本オープン
渋川 難波(日本プロ麻雀協会)- 選手名鑑 

この記事のライター

斎藤 俊
入会1年目から雀竜位C級予選から駆け上がり第12期雀竜位を獲得。
門前と鳴きを使い分け、バランス良い麻雀を打つ。

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