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20代Mリーガー阿久津翔太「とにかく今世は麻雀、その他は来世で」 Mリーガー列伝(48)

20代Mリーガー阿久津翔太「とにかく今世は麻雀、その他は来世で」 Mリーガー列伝(48)

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 Mリーグ2025-26ドラフト会議にて、阿久津翔太選手は29歳でKADOKAWAサクラナイツからドラフト指名され、最年少Mリーガーとなった。プロ入り7年目というスピード昇級で、日本プロ麻雀連盟のトップリーグA1リーグに駆け上がった若獅子の素顔とはーー

麻雀との出会い

 麻雀を覚えたのは小学1年生、6歳の頃だった。「父親の部屋に麻雀ゲームの説明書があったんです。それでルールを覚えてからは麻雀ゲームに夢中になり、将来の夢は?と聞かれたら、麻雀プロと答えていました。野球をやっていたらプロ野球選手と答えるのと同じ感覚でしたね」

小中高時代にやっていた部活は?

 小学校ではミニバスケットボール部、中学は野球部、高校では陸上部に所属していた。「麻雀にも人生にも役に立ったのは陸上競技です。顧問の先生には人として大事なこともたくさん教えて頂き、人としても成長できたし、陸上を通じてメンタル的な部分で、自分の限界と向き合えた気がします。1500mや5000mといった長距離をやっていたことで、自分が忍耐強くないことを実感しました。あと一歩頑張ればいいのに、その一歩を頑張れない。限界から逃げてしまう自分の弱い部分に気付かされたことは陸上から学んだことです。以来、自分のできるパフォーマンスの限りでやれることをやろうと思うようになりました」

プロ入りまでの経緯は?

 高校卒業後、埼玉大学情報工学科に進学した。「麻雀プロになることは決めていましたが、パソコンもできれば将来役に立つかなと考えて進学しました。最初の授業でいきなりパソコン分解したことがある人?と聞かれた時、周りがみんな手を挙げていたんです。それを見てレベルが違うなと思いながらも3年生まで通ったんですが中退しました。入学と同時に麻雀店でも働き始めていて、麻雀の実力もまだまだ足りないなと実感したので、すぐにプロテストを受けるのではなく、2年間みっちり打ち込んでから受けました」と2018年、20歳の時に日本プロ麻雀連盟の門を叩いた。

勝負めしは寿司。「アジやサンマといった光り物が好きですね」©︎ABEMA

プロ入り後のスキルアップ法とは?

 当時の同団体では一番下のD3リーグからスタートした阿久津選手は、2021年に新設された第1期若獅子戦で優勝。2025年には最高峰リーグとなるA1リーグに昇級した。「プロ入り後、一発裏ドラ無しの連盟公式ルールへの対応が全然できていないとわかったので、白鳥翔さん、勝又健志さん、瀬戸熊直樹さん、藤崎智さんらが講師を担当されていた若手勉強会に積極的に参加しました。勉強会ではその場で対局した牌譜を全員で振り返って話し合ったり、講師ごとに班ごとに分かれて対局アドバイスをもらったり、勝又さんから出題される何切る問題の宿題やリーグ戦の反省等をノートに書いて提出していました。もちろん打数を積み重ねることが一番大事なので、勉強会やセット等、練習の場を増やすことは今も心がけています」

日本プロ麻雀連盟が次世代スターの発掘を目的に新設した「第1期若獅子戦」が初タイトルとなった ©︎日本プロ麻雀連盟

プロ入り後、挫折されたことはありましたか?

 「プロ入りして2年ほど経った頃、思い描いていた世界とのギャップを感じ、連盟をやめようと思ったことが一度だけありました。その時、プロテストを担当する入会審査部で一緒に働いていた山田浩之さんが引き止めてくれたんです。あの時、本当にやめなくてよかったなと感謝しています」

KADOKAWAサクラナイツの練習会に参加するようになった経緯は?

「2021年に岡田さんから誘われたのがきっかけで、以来ずっと継続して練習会に参加していました。基本的には月1、2回、堀慎吾さんが講師で岡田さんに教える場なんですが、私もいろいろ質問しながら教わっていました」

Mリーグが創設された時の印象は?

「小学生の頃に夢見ていた麻雀プロ界は、Mリーグのようにいろんな方に見て頂けるような番組が出来たらいいなと思っていました。昨今は小学生麻雀大会の開催等、夢見ていた世界が次々と現実になっているので、本当にありがたいなと思っています」というものの、Mリーグは自分とは遠い存在だと感じていたという。「雀力はもちろんですが、人間力も高いスターの集まりという印象だったので、正直私が選手として参加するとは全然思っていませんでした。ただ2024年に内川幸太郎さんの推薦で麻雀最強戦に出させてもらって、そこで優勝できた時の反響がすごく大きかったんです。それまでは運営スタッフや実況など裏方の仕事が多かったんですが、選手として注目してもらえることを経験して、選手としてももっと頑張っていこうという気持ちになっていました」

阿久津麻雀の特徴をひとことで言うと?

「めちゃくちゃアグレッシブな麻雀です。何でもかんでも突っ張っていくのではなく、これ切る人いないよねというような強気な選択でもどんどんしていきます。そのためには自分に自信を持てるぐらい練習を積み重ねることが必須なんで、これからもしっかり練習していきます」

Mリーグで実際に戦ってみた印象は?

 2025年9月16日のMリーグ第1試合、阿久津選手はデビュー戦で5万点台のトップを獲得した。「思った以上に緊張しましたが、打っているうちに普段の麻雀と変わらない感覚になれました。あまり対局したことのない他団体の強い先輩も多くいらっしゃるので、今後は相手の研究はもちろん、自分の雀力を上げて力をつけていかないといけないなと思っています」

Mリーグ2025-26シーズンを戦うKADOKAWAサクラナイツのメンバー。左から阿久津選手、岡田紗佳選手、堀慎吾選手、渋川難波選手、森井巧監督 ©︎Mリーグ

対局前のルーティンは?

 基本的には心身ともにリラックスすることを心がけているそうだ。「対局前日に湯船につかってから、睡眠をしっかりとる。朝起きたら湯船につかりながら好きな音楽を聴く。GLAY、Mr.Children、L'Arc~en~Cielは自分の世代ではないんですけど好きですね」

これまで最も影響を受けた人物は?

「堀慎吾さんです。私の麻雀に堀さんの影響は大きく受けていると思います。一発裏ドラ赤アリのMリーグルールも教わってますし、連盟公式ルールの打ち方の土台が固まったのも堀さんの影響がすごく大きくあります。堀さんの麻雀は読みのレベルがすごく高くて、私よりも大胆な選択をする印象があって、そこもすごいなと思っています」

今後の目標は?

「歴史に名前が残る記録を作りたいと思っていて、自団体では鳳凰位を取るだけでなく、鳳凰位5連覇という高い目標を掲げています。Mリーグではチーム優勝が一番の目標です。ただ実際に打ってみると個人MVPを取りたいなという気持ちはやっぱり出てきちゃいました」

阿久津選手にとって麻雀とは?

「私にとっては人生のすべてです。高校卒業してから10年ほどしかみっちり打てていないんですが、先輩選手は20年、30年打ってきている。追いつくためには2倍、3倍練習していかなければならないので、打ち込んだり、研究することに時間を使っていきたいと思っています。とにかく今世は麻雀1本でいこうと決めているので、それ以外のことは来世でやろうと思っています。なので結婚も来世かなという感覚ですね(笑)」 

◆写真:河下太郎、インタビュー構成:福山純生(雀聖アワー)

阿久津翔太(あくつ・しょうた)プロフィール

1996年4月23日、茨城県日立市生まれ。日本プロ麻雀連盟。獲得タイトルは第1期若獅子戦、麻雀最強戦「最強の遺伝子」。勝負めしは寿司。キャッチフレーズは「我慢が嫌いな喰いしん坊」

▼Youtubeチャンネル「あくつくんの麻雀部屋」はこちら

阿久津翔太 年表
年齢 主な出来事
1996 0歳 茨城県日立市で長男として生まれる
2002 6歳 6歳で麻雀プロになることを目標とする
2008 12歳 中学では野球部に所属
2011 15歳 高校では陸上部に所属
2014 18歳 埼玉大学情報工学科に進学
2018 22歳 日本プロ麻雀連盟にプロ入り
2020 24歳 麻雀最強戦「次世代プロ集結!麻雀代理戦争」予選出場
2021 25歳 第1期若獅子戦 優勝
2024 28歳 A1リーグ昇級、麻雀最強戦「最強の遺伝子」優勝
2025 29歳 KADOKAWAサクラナイツからドラフト指名を受ける

 

 

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