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松嶋桃と上田唯。それぞれが励んだ「花嫁修業」【麻雀ウォッチ プリンセスリーグ2019 予選第1節Aブロック2卓】

松嶋桃と上田唯。それぞれが励んだ「花嫁修業」【麻雀ウォッチ プリンセスリーグ2019 予選第1節Aブロック2卓】

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麻雀ファンになって日が浅い方からしてみたら、それは新鮮に映ったかもしれない。「京大式小型肉食獣」松嶋桃が、麻雀プロとして卓に座る姿を見るのは――。

近年の松嶋は、麻雀対局番組の実況者として活動する機会が飛躍的に増えた。AbemaTVでは「RTDリーグ」や「Mリーグ」、麻雀スリアロチャンネルでも「麻雀の鉄人シリーズ」の実況といえば松嶋だ。メディア露出は麻雀関連に留まらず、京大法学部卒の知識を生かして地上波のクイズ番組にも多数出演している。その多彩な活躍ぶりは、麻雀界でも屈指と言っていい。

その一方で、対局機会が激減したともいう。以前は麻雀店へのゲスト活動や、あらゆる対局番組への出演など、プレイヤーとしての活躍にも目を見張るものがあった。それが今や多方面での仕事が増えたことで、ピーク時の4分の1以下の対局数に。僕のような凡庸な人間は、1週間も牌に触れなくなっただけですぐに卓に入りこめなくなってしまう。ブランクによる衰えもあるのではないかと危惧したのだが、松嶋曰く、むしろ以前より研ぎ澄まされているような感覚になっているという。

「以前とは序盤の手組からして全然違いますね。一番変わったきっかけは、RTDリーグの実況をしたことですね。現場で生の空気を感じて、横にトッププロの人がいて、一緒にお話しを聞いたり麻雀を見ていると、なんか見ているものがいままで私がやっていた麻雀と全然違ったんですよね。すると、知らない間にその方たちの考えにすり変わっていた。RTDは1回6半荘分の収録をするんです。収録自体は月に2回くらいなんですけど、その時の密度が半端なくて。あとは実況をどうにかうまくならなきゃって思った結果、麻雀をめちゃくちゃ見るようになって。他にも実況をする機会はたくさんありましたけど、そこで劇的に環境が変わりました。

今までのプロ生活はむしろ打つばかりで、自分の打ち方でどのくらいまで勝てるかみたいな感じでやっていました。なので、打ち方を変える きっかけがなかったんですね。お仕事が多すぎて、本数は段違いにそれまでの方が多かったですけど、中身は去年1年の方が充実していたなって。インプットの時間がむちゃくちゃ増えて、アウトプットを抑えていたのが良かったのかもしれないですね。周りの方から『打ち方がすごく変わったね』ってよく言われるんですけど、私はスタイルを変えようとして変えたわ けじゃなくて。前からこうじゃなかったっけ? くらいで。ちなみに、前はどんな打ち方してたっけと思って過去の対局をよく見たら、うえーってなりました(笑)」

名門大学出身の松嶋らしさが垣間見える転機を経て、彼女はモデルチェンジに成功した。攻撃重視の肉食獣麻雀から、トッププロのエッセンスをふんだんに取り入れた柔軟なプレイヤーに。トップ女流雀士の祭典「麻雀ウォッチ プリンセスリーグ」の予選第1節Aブロック2卓。そこで早速その真価が発揮された――。

この日は松嶋が所属する日本プロ麻雀協会の先輩にあたる上田と朝倉、そして最高位戦から野添が登場。朝倉は通算4度の女流雀王戴冠に始まり、数多くのビッグタイトルを獲得。言わずと知れた女流トッププレイヤーだ。上田はノンタイトルながら、豊富な経験と知識を生かしたオールラウンダー。野添も守備に重きを置いた雀風で、決して大崩れすることはなさそうな安定感が見える強者だ。昨年の隙のない打ち回しを見た身からすると、朝倉と野添がキーパーソンになりそうだと予想を立てていた。

1回戦東1局、先制攻撃を決めたのは、キーパーソンの一人である朝倉だった。ダブ東のポンから――

赤1を含んだ のテンパイを早々に果たす。

上田がタンヤオ・赤・ドラのチーテンで応戦したが――

同じくドラ2内蔵のチャンス手である野添からこぼれたが朝倉に刺さる。

5800点のアガリで朝倉が一歩リード。とはいえ、まだまだ決定打ではない。

次局、先ほど放銃を許した野添の配牌は、なんと3メンツ1雀頭が確定している! これはさすがに反撃開始か!? などと思っていたら――

先制テンパイは朝倉だった! 役がなければ赤牌もドラのもない愚形待ち故にリーチとはせず、ひとまずテンパイはキープしつつさらなる変化を見る。

その2巡後、を持ってきた朝倉の手が止まった。ここで朝倉が選んだのは――

だった。一時的に雀頭がなくなってしまうが、の形が強く、すぐにでも復活しそうだ。を1枚生かしておけばマンズ回りと回りの横伸びが期待できるし、123の三色や、チャンタなどへの変化も見込める。

その後、と赤牌を立て続けに引き、これならば打点十分と手役に固執することなくを切り飛ばす。

そしてカン待ちでリーチ! ファーストテンパイから、じつに2ハンも打点がアップしている。

このリーチを受けた野添はを切ってタンヤオのみ、現物の待ちのテンパイを入れた。は無筋ではあるものの、1段目に朝倉がのトイツ落としをしていたことを考えると、相当通りやすそうだ。そして松嶋と上田が降り気味なのだが、2人ともを合わせていない。すなわち――

は山にいる!

朝倉から1300は1600+リーチ棒1本を取り返し、野添が先ほどの借りを返した。

朝倉と野添の一進一退の攻防。そこに割って入ったのが松嶋だった。東3局、ドラ。松嶋は親番でをポンし、打とする。早くも・赤・ドラの1シャンテンだ。

ここでがアンコとなる。ドラターツは払いにくく、リャンカンターツの優劣もつけにくいが――

松嶋は打とする。注目ポイントは、朝倉が1巡目に切っているだ。序盤の一九牌は、そのスジ牌を軸としているケースが比較的多い。 と持っていた場合、だけ持っていればを持ってきてもフォローが効くからだ。その優劣からを選び出し、なおかつソーズ、とくにドラのが縦に重なった場合のダイレクトテンパイを逃さない選択とした。また、このカン固定は他家の盲点となりやすいため、出アガリ率がアップするというメリットもある。

結果はを重ねてのカン待ちとなったが、松嶋の実戦的な思考の数々が垣間見えたシーンだった。

そんな松嶋の仕掛けに対し、野添がリーチ・ピンフ・赤の 待ちで応戦!

このリーチの一発目、松嶋は悩んだ後に無筋のを勝負した。

「ドラ表示牌にも見えていたし、どうかなぁ、どこまで行くのかなぁと思ったんですけど、私の待ち牌は野添さんの中スジという利点がある。それに、そこまでも全然高い打点が出ていなくて1半荘目ということもあり、今日は気持ち強めに押していこうと思っていました」

どこまで行くのか、どこで退くのか。じつに判断が悩ましい局面ではあるが、そのひと押しが――

上田の放銃を誘った。

これまでの松嶋は、効率に重きを置いた平面的な打ち方が多かったように思う。この7700点のアガリは、ニュースタイルの彼女がたぐり寄せた結果だったのではないか。

そして南2局1本場、松嶋が決定打を見舞う。7巡目にタンヤオ・赤・ドラのヤミテンを入れる松嶋。ひとまずとしているが、より良い待ちへと変化しそうな局面だ。ノベタンや亜リャンメン、4巡目にを切っていることや場況を鑑みて、単騎なども面白そうだ。

この時、朝倉はとマンズ回りのくっつきテンパイという状況。を切ることはまずないため、が今にもこぼれそうだ。松嶋が待ち変えをするか、朝倉がマンズを引いてテンパイしない限り、ここは松嶋のアガリで終わりそうだ。

そして2段目も終わろうかというところで、待ちのノベタンへとようやく変化。こうなると、かえって決着が長引くのかと思われたが――

このタイミングで、朝倉がまさかの引き!  と捨てている身でを残せるわけもなく――

無念そうな表情で朝倉がをツモ切りした。

5200点を2着目の朝倉から直取りしたことで、1回戦は勝負あり!

1回戦の最高打点は、松嶋の7700点。一度も満貫以上のアガリが発生しないというヒリつく展開で、2回戦を迎えることとなった。

>>次ページ インプットを続けた松嶋の麻雀

 

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