RTDリーグ2018のBLACK DIVISION53・54回戦が7月26日に放送され、53回戦は小林がトップ。54回戦は内川がトップ。長きにわたったRTDリーグ 2018 BLACK DIVISIONの予選が終了した。
53回戦は1位の小林、2位の瀬戸熊、7位の多井、8位の村上の対戦。8位の村上は事実上降級を免れるのは厳しい状況。7位の多井は別卓の6位松本にプレッシャーをかけるべくトップを取りたいところ。しかし東2局2本場、トップ目の小林の8巡目親リーチ。比較的普通の河で変則手には見えづらかったが、なんとタンヤオ七対子の中筋単騎。現物がなく、ドラの
が浮いていた多井がやむなく選んだ牌は無常にも
。小林の12000は12600への痛恨の放銃となる。その後も小林は加点を続け、ダメ押しは南2局1本場。村上がホンイツを門前で聴牌して先制リーチに出るも、小林が高め三色の追いかけリーチ。瀬戸熊も平和の聴牌を入れてダマテンとしていたが小林が高めのツモあがり。4100オールで素点を57800点持ちまで伸ばした。その後多井が瀬戸熊からリーチ・平和・ドラの3900は4500のあがりで一旦3着に浮上するも南3局は瀬戸熊が多井から1000点のあがり、オーラスは村上の2000・4000のあがりで半荘が終了した。
予選トータル630.3ポイントの1位で終了した小林は「全体的に出来すぎでした。準決勝ではここまでうまくいかないということが準決勝ではみられるのではないかと思います。おそらく決勝ボーダーは100から150となりそうなので、準決勝では200負けると危ない。10回であれば充分ありえる数字なので今まで以上にしっかり気を引き締めて戦い、決勝進出したいです。」と語った。
順位 | 選手名 | ポイント |
---|---|---|
1 | 小林剛 | 75.8 |
2 | 村上淳 | 4.4 |
3 | 瀬戸熊直樹 | ▲28.4 |
4 | 多井隆晴 | ▲51.8 |
54回戦は3位の白鳥、4位の内川、5位の萩原、6位の松本の対戦。6位の松本は7位の多井は66.4ポイント差。松本はラスでも箱下6500点より点棒を持っていれば6位キープとなる。そのため、こちらは内川と萩原の準決勝進出4位争いに注目が集まった。こちらは74700点差のトップラスを決めると逆転となる。萩原は東2局1本場で三色確定のリーチを打つも流局。東4局の親番の萩原は他者にプレッシャーをかけ連荘を続け、2本場でペンの一盃口のリーチを一発でツモあがり4200オール。しかしその後の3本場は萩原のリーチとのめくりあいを制して松本がタンヤオのあがりを決めて南入。南1局も松本がタンヤオ・三暗刻の6400を内川からあがり、2位に浮上しほぼ安全圏に。そして南2局、内川の先制親リーチに対して萩原が追いかけリーチ。直撃チャンスと勝負に出たが制したのは内川。萩原から12000のあがりとなった。南3局の松本の親番では再び萩原が内川から8000を直撃するも、最終局は内川が1300・2600のツモあがり。3着確定だが自らのあがりで準決勝進出を決めた。
順位 | 選手名 | ポイント |
---|---|---|
1 | 萩原聖人 | 54.7 |
2 | 松本吉弘 | 6.4 |
3 | 内川幸太郎 | ▲14.3 |
4 | 白鳥翔 | ▲46.8 |
順位 | 選手名 | ポイント |
---|---|---|
1 | 小林剛 | 630.3 |
2 | 瀬戸熊直樹 | 218.3 |
3 | 白鳥翔 | 161.7 |
4 | 内川幸太郎 | 54.1 |
5 | 萩原聖人 | ▲31.5 |
6 | 松本吉弘 | ▲216.2 |
7 | 多井隆晴 | ▲289.0 |
8 | 村上淳 | ▲527.7 |
4位の内川までが準決勝進出、7位の多井は入れ替え戦に出場、8位の村上は降級となった。
4位で準決勝進出を決めた内川は「350近く負けてしまった(10消化時)あたりで、遮二無二トップを狙おうとはせずに、最終的に▲150ポイントあたりを狙って打っていこうとしていたのですが、大きく無理をしない打ち方をしていたら、オーラスになんとかトップになる条件を残せ、そしてオーラスに恵まれトップを取れる展開ができ、巻き返すことができた。RTDではずっと弱い内川でしたが、今回なんとか準決勝に進出できました。もう失うものはないので、攻め切って決勝への切符をつかみ取りたいです」と語った。
5位で準決勝進出を逃した萩原は「やはりトッププロは強かったな、という感じです。悔しいというよりは、やり切ったかなという感覚の方が強いです。瀬戸熊さん、内川さんとの3人の準決勝争いとなった終盤で、直接対決でほとんど着順が上になれなかった。結果と内容、両方を求めて真剣に打ちましたが、今回は何かが足りなかったということ。しかし、今回の敗退で今後は戦法を変えるとは口が裂けても言う気がありません。来年も同じ意気込みで臨もうと思います。今回のRTDを通して、麻雀だけでなく、人生として大きな経験をさせていただきました。皆も俺も、来年はもっと強くなっていると思います。」と語った。
6位となり来年の出場権を維持した松本は「多井さんは私がプロになりたての頃からとてもお世話してくださっていて、最強だと思う人の1人なので、その多井さんとの直接対決は痺れるものがありました。「この人には勝てないかもしれない」と思いながら打ってしまってはだめだと思っていて、最後まで思い切って打つことができて良かったです。RTDリーグでの麻雀は、今までやってきた麻雀とはプレッシャー、重圧が全く別物でした。本当に麻雀ってすごいんだなと。一牌一牌がこんなにも重い麻雀は初めてでした。東場で有利に立っても、南場で捲られてしまうことが多く、攻め抜く気持ちが足りなかったのかなと思いました。同じ過ちを繰り返してはだめなので最終節は攻める気持ちを忘れないように打てました。今期で学んだことを来年でまた発揮できればなと思います。」と語った。
7位となり入れ替え戦に出場することとなった多井は「7位と8位を意識しすぎました。僕は負けられないと強く思いすぎました。優勝することは勿論うれしいですが、7位8位になることの方が嫌だと思っていました。振り込みたくないからオリ打ちもしたし、リーチを打てなかったりした局面もたくさんあった。その隙を許してくれるメンバーではなかったということですね。道中100くらい勝っていた時に、ラスなしみたいな変な足かせをつけてしまって、それからまるでトップをとれなくなってしまった。2年前くらいに出る対局ほとんど勝っている状況があって、でも打つのが多少遅いということを気にしてて、放送上では視聴者への見せ方もチャンピオンとして大事だと思っていたし、雀風も常に色々考えて変えていこうと思ってやってきましたがことごとく失敗してしまいました。正直、とても後悔していますが、入れ替え戦は8位になった村上さんの分も精一杯打って、入れ替え戦勝ち残りたいと思います。」と悔しさをにじませた。
8位となり降級が決まった村上は「ファンの方々、最高位戦の皆にも本当に申し訳ないと思っています。(終盤の6連敗について)20年以上のプロ生活の中で、ここまでどうにもできない局面が続いたのは初めてでした。周りが強いのはもちろんですが、12巡目に1面子もないとか、そういうことが続いてしまった。今年はそういう年だったと思うしかないですね。放送始まる前から携わっているRTDに1年間出れないのはとてもつらいのですが、その間にも他の試合は続いていくので、そのすべてに全力を投じて努力して、再び呼ばれるよう頑張ります。」と語った。
来週月曜日(7/30 21:00)からはWHITE DIVISIONの最終節が放送される。