- 『ネマタの天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第七期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
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第六節三回戦A卓
▼対局者
Ⓟ多井隆晴
Bさん:福地誠
Cさん:コーラ下さい
Ⓟ石橋伸洋
残すと良形変化が豊富なですが、ここで東家の現物である1枚切れと入れ替え。『現代麻雀最新セオリー』では数牌が全員に両無スジの、字牌が完全安牌という前提で7巡目以降安牌残し優位となると、今回くらいの条件ならを切りそうです。
ただ、既にタンヤオがあり変化した場合はタンヤオがつかなくなる場合もある、変化したとしても全員に無スジのを落とす猶予が無いことも多いので、そのことを踏まえての残しでしょうか。
手変わりはと各種赤受け、手変わりとしてはやや少ないですが、平和込み2翻上昇かつ良形変化のドラと、三色の2翻上昇変化のと強力な手変わりが2種となればダマが無難なところでしょうか。ツモならリーチしてそうです。余談になりますがを残してツモなら今度はテンパイ外しの打でしょうか。マンズのの7連形変化に加え、ツモで345三色がつきます。
最高のドラをツモってリーチしますが結果は東家が2000オール。
は残り1枚ですがここでリャンメンを鳴いてチーテン。は鳴きますがは手牌的には11巡目でももう少しスルーしたいところ。東家が突き抜けてトップを取るのが難しくなったのもあり打点よりアガリ率重視というのもありそうです。
北家が2フーロしてドラツモ切り。手牌的には2シャンテンとはいえ降りるほどではないですが、「先にをツモった場合に手牌の価値が多少上がる」程度のために2シャンテンからを打って失点するリスクを負うほどではなさそうです。押すに見合わない手で失点のリスクを負うべきでないのは勿論、押すに見合わないというほどの手ではない場合でも、不要なリスクを避けることを心がけたいものです。
をチーして後付けのドラドラ1シャンテン。を切ってテンパイの形になれば、押すに見合う手で、他により有力な選択もないのでテンパイに取ることでしょう。
ツモ、これでマンズより比較的通りやすいピンズを切りつつ1シャンテンを維持できるようになりました。
を鳴いてテンパイして流局。結果的には北家の待ちはとのシャンポンでしたが、そのものが当たりでなくても周りが当たり牌なら、当たり牌を引いてもテンパイ、アガリの可能性を残して回ることができるという点で止めが活きます。自分の手がまずまず押せる手で、ツモってきた不要牌がさほど危険というわけでないとしても、本当にその牌をツモ切るのがベストと言えるのか確認を怠らないようにしたいものです。