- 『ネマタの天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第七期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
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第五節二回戦A卓
▼対局者
私:福地誠
Bさん:トトリ先生19歳
Ⓟ小林剛
Dさん:就活生@川村軍団
を残せばツモで良形かつタンヤオがつく1シャンテンと変化が豊富ですが、安牌残しと、ペンになった場合の待ちの強さでを先切り。ドラ2なのでタンヤオをつける打点的メリットが少ない、が薄いというのも理由でしょうか。ドラが無い手なら手変わりの質を重視して残しがよいとみます。
スジ待ちがそれなりにありそうな河になっていたら親の1シャンテンからはが止まってそう。先切りが活きました。
加点のメリットはまだ十分ある点数状況なので即リーチがよいとみます。リーチを打たないとしても、マンズの形が手変わりしやすくドラなのもあり打でしょうか。
対門からリーチが入りますが、ソーズが場にかなり高いということもあってかダマ押し続行。
をツモったうえにリャンメンに手変わりするツモ。これなら押すかと思いきや何とここでベタオリ。確かにリーチ者以外も全員がテンパイしてそうで、は全員に危険牌。終盤で切る牌がここまで危険なら、満貫良形テンパイといっても押せないと判断するところでしょうか。
結果的にはを切っていたらダブロンでした。後手を引いてからの押し引きに自信があるが故のダマというところでしょうか。逆に言えば、後手を引いた時の押し引き判断にミスが多い打ち手はなおさら即リーチした方がいいとも言えます。
ただし、今回はそもそも即リーチを打っていたら全員が降りた公算が高そうです。「後手を引いた時の押し引きに自信がある実力者ならダマ」という言葉も時折利聞きますが、実際は「実力者ならダマにしても損失が少ないだけで、やはりリーチ有利」ということも考えられます。悪形でも先制リーチを打つことの優秀性が理解されるのに時間がかかったのも、実はこういった背景があるのかもしれません。
親が満貫リャンメンのテンパイを入れて両スジのを切って西家が6400の和了。更にリードを広げました。