鉄押し28 打
単に序盤から中張牌の手出しが多いというだけではチートイツと決めることはできませんが、今回はメンツ手を想定しにくい手順が多数あるので、流石にチートイツ本線とみます。
メンツ手でも、は切っているけれどもへのくっつきを期待して安牌の北よりも優先して残す手順自体は否定できませんが、リスクを負って低確率の変化狙いを好む打ち手であれば、そもそもはもっと早い段階で切っていそうなものです。
メンツ手の可能性を3割、メンツ手であった場合のの放銃率を20%(が切れているのでは片無筋だが、文中には両無筋とあるのでは切っていないものとする。)とするなら、の放銃率は6%。この手牌なら通常無筋より通りやすい牌は押せるので、メンツ手の可能性を考慮しても押した方がよいと判断しました。ただし実戦では私も読みに自信が持てずに止めてしまうことも多そうです。
鉄押し29 (1)打(2)打(3)打(4)打
2シャンテンといっても、面子候補不足なので浮き牌にくっつけば1シャンテンになります。序盤で降り切れないことも多く、1枚引けば押し有利な1シャンテンになることが多いのでまだ押します。ただし(4)についてはから切ってもアガリ率に大差ないので、一応よりは通りやすい牌から切ることにします。本書では(4)は降り寄りという見解ですが、がドラまたぎで無ければ押すというのであれば、ならまだ押してよいとも言えるのではないでしょうか。
これが面子候補の足りている2シャンテンであれば、1シャンテンになるツモ自体がかなり限定されますし、面子候補不足でも中盤以降であれば、1シャンテンになっても押し有利になることは少ないので、やはりほぼ降りることになるでしょう。
鉄押し30 (1)(2)(3)(4)
本書で言及されている通り、北家の待ちはが本線です。ここまで待ちが絞れて放銃時は満貫以上確定となると、高打点でも悪形テンパイから押すのは厳しいとみます。
頭頭からはテンパイ時の待ちの強さで打とすることは、「現代麻雀技術論」でも書かせていただきましたが、私自身この話をどこかで聞いた時は明確に基準化しておらず、よりの方がポンしやすいからという理由でを切ることも多々あったと記憶しています。
そのため、この手順についてはそれほど常識化していない可能性があり、相手がポンテンの取りやすさを優先するタイプなら今度はが本線になるので、不特定多数と打つことが前提なら安全とはあまり言えないとみます。
また、仮にが通っていたとしても、ピンズにくっついた場合、テンパイに取るには本線のを勝負する必要があります。一方、打なら、ツモで鳴き手の本線を止めつつ待ちのリーチを打つことができます。が通るという前提でも打が悪くないのですから、(2)については打がよいと判断しました。
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