第1章 麻雀を支配する「偶然」に強くなれ
頭では理解していても、偶然では片付けたくないという心がそう言わせているだけだとは思いますが、昨今の戦術書から麻雀を学んでいるはずの方にも、長年の経験から麻雀の偶然性を嫌というほど経験しているはずの方にも、麻雀の偶然性の強さを理解しているのか疑わしい発言が未だによく見受けられます。
明確に実力で劣る相手であっても数十戦単位で負け越すことなどザラにあるのですから、実力が伯仲している打ち手同士で実力差を測るとなれば、それこそ数千戦単位でも足りないかもしれません。勝利という「結果」を求めるゲームとしては、麻雀は個人にとって恐ろしく過酷です。有り余るほど時間があったとしても、麻雀を打つ目的の中心が「結果」を求めることばかりであれば、モチベーションを維持するのは難しいのではないでしょうか。
かといって、「抽選」に一喜一憂しているばかりでは、長く打つことは出来ても、いつまで経っても実力が向上しないままですから、実力向上を目指しつつ、麻雀を長く楽しむうえでは、「抽選」でも「結果」でもなく、「選択」にこそ楽しみを見出すことをお勧めします。
本書では打ち方を安易に変えないことを推奨しています。確かに初心のうちは重要な局面のミスを減らすうえでも、戦術書に解説されているような決まった打ち方を体に身に付くまで繰り返すべきです。
しかしながらある程度の実力(天鳳なら鳳凰卓に到達できるレベル)がついた段階であれば、「打ち方を安易に変えない」「変えるにしても長期データをとって客観的に判断する」こと自体にそこまでこだわる必要はないと私は考えます。その段階まで来れば打牌基準そのものよりも、局面に応じた打牌が出来るかどうかの方が重要です。昨今では優秀な戦術研究サイトも増えたので、その段階の打ち手であれば長期のデータだけでなく、個別の牌譜からでもトップクラスの実力者に出来ていて、自分に出来ていない改善点を効率よく見出すこともできると思います。
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