第2章 凸本の印象
私が初めて凸本(講談社版)を手にした時は、専門知識が必要な計算部分はともかく、内容自体は難しくない。むしろ、「知りたかったことが書かれてある」初めての本に出会えたと感銘を受けました。
内容が「難しい」と感じた人が多かったのは、麻雀界ではあまり聞き慣れない言い回しがしばしば見受けられるためと思われます。今の視点からみてもそのあたりは気になるところです。しかしそれは本書の問題点というより、戦術を著すうえで必要な麻雀用語を用意してこなかった(そして、今でも用意されていると言い難い)麻雀界の問題と捉えています。
従来の麻雀本は日常的に聞き慣れた言い回しが多く何となく分かった気になった方も多かったのではないでしょうか。私自身は従来の麻雀本は、何となく分かった気にすらなれず、かといって誤りを指摘できるほど聡明でもない、むしろもっとも愚鈍な読者の一人でした。だからこそ、「どんな時にどうすればよいか」が明確に示されている凸本を受け入れられたのかもしれません。
細かいデータに価値がある
凸本(講談社版)は何百回も目を通したにもかかわらず、「こんなデータがあったのか」と改めて気付くことが未だにあります。例えば1巡あたり40%の確率でリャンメンテンパイする手(のような極めて手広いくっつき1シャンテンの手など)の基本グラフ(177ページ)の存在に、この記事を書いている2018年になってから気付きました。
ネット麻雀を打ち、ネット環境で麻雀の話をする習慣のある麻雀ユーザーをみるに、凸本の戦術面についてはだいぶ浸透したようですが、データ面についてはあまり浸透していないように見受けられます。データを活用することを、もっと多くの人に勧めることができればと思うところです。
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