第3章 鳴いてテンパイを早めるか
本書では、1巡あたりおよそ14%の確率でテンパイするリーチ2ハン40符と、100%の確率でテンパイするタンヤオのみの比較とありますが、手牌Wはシュンツができると平和がつきリーチ3ハン30符になるので、実際はより遅い巡目までメンゼン有利であることは『勝つための現代麻雀技術論』でも取り上げました。
また、『現代麻雀最新セオリー』では場に見えていない枚数別の基準が取り上げられ、より柔軟に鳴き判断を変える必要性があることが示されています。
この問題に関してはあまり巡目にこだわらず、場況に応じた対処が必要であるということについては個人的にもその通りだと思っています。ただし、『最新セオリー』の枚数別の基準をそのまま実戦で適用できるかについては疑問が残ります。場に見えていない牌はそれだけ他家に使われやすいということでもあるためです。個人的には、場に切られていないリャンメンに関しては本書の基準より鳴き寄り、場に多く切られているリャンメンに関しては本書の基準よりスルー寄りで判断するのが無難ではないかとみています。
「親はテンパイを急ぐ」についても、親という理由でテンパイを急がなければならない局面があることも事実ではありますが、一般論としては親の方が高打点を狙うメリットが高く、むしろ若干スルー寄りであると考えます。
※関連コラム:もっと勝つための現代麻雀技術論 第96回 「親は早めに鳴くは本当?」
シャンテン数が2以上の手牌の場合。できればメンゼンでアガリたい1シャンテンの手牌であっても結構早い巡目から鳴いたほうがよいケースがあるのだから、2シャンテンならなおさら鳴かないと間に合わないから鳴くという考え方もありますが、この考え方ばかり用いて判断すると鳴き過ぎる恐れがあります。鳴いて守備力を落とすデメリットが大きいというのもありますが、アガリに遠い段階はシャンテンが進む牌に限らず手牌の価値が高くなるツモ牌が多いというのもシャンテンが進むからといって鳴くとは限らない理由になります。このあたりはまさに手牌、局面に応じた判断が必要になるので、個人的にも今後の研究課題です。
本記事に関するご紹介
ここから始まった!
これがデータ麻雀の聖典だ!
ツキや流れの「ひらめき麻雀」に終わりを告げた
伝説の「データ麻雀」の聖典が、全頁2色になって降臨!
『科学する麻雀』をもっとも読み込んだと豪語する
経済評論家・勝間和代との特別鼎談「麻雀はどこまで科学できるのか?」や、
「危険を察知せよ! 読みの技術論」なども新規収録!
強者になりたければ、本書を使い倒せ!!
福地誠(編)
AMAZON販売ページ