- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。
155p をツモったところで親とはいえ真っ直ぐ押せる手というほどでもないので一旦打としそうです。しかし序盤リーチにこちらが親となればひとまずは押して、巡目が経って安牌が増えるような引くという打ち回しをすることも多くなります。押し引きはまっすぐ押すかベタオリ前提の引きの2択とは限らないことを意識しておきましょう。
156p 親で完全1シャンテン、打点もまずまず高いとなれば押しの一手。良形、高打点両方揃っていなければ1シャンテンからは押しづらいですが、親で巡目が十分あるうちはどちらか1つでも押すくらいのつもりで進めます。
しかしどちらか1つでは明確に押し有利とまではいかないので、巡目が経って安牌が増えるといった理由で降りに回ることも多くなります。
157p 対リーチの押し引き基準はリーチのリャンメン率が60%強であることを前提にしているので、リャンメン以上の可能性が高いなら引きに回ることも増えます。今回は余裕のあるトップ目かつリーチ一発目、回し打ちしやすい牌姿なのも引き寄りの理由です。
158p こうなれば順位制でもリーチしそうです。押すといっても最後まで押すとは限らないように、引くといってもベタオリとは限らない。あくまでその場面毎に押し引き判断を考えます。
159p 安手、悪形の1シャンテンとなれば親とはいえ押しづらい。今回のように一旦引いてもベタオリとは限らず押し返す手順も少なからずあるので、現物が無いからといって真っ直ぐ押すとも限りません。
リツミサンの『超メンゼン主義麻雀』
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