戦術本『麻雀の2択』のレビューを始めさせていただきました。こちらでは本書で取り上げられている、「データの泉」を元に思うところを徒然なるままに書かせていただきます。データの具体的な数値については、是非とも本書を購入のうえ御確認下さい。
「データの泉」41p
リャンメン待ちが2種類あり、リャンメンの方がペンチャンより出現率が高いことから、3よりも4、5が危険になることは第83回で取り上げましたが、これは手作りの過程でリャンメンが残りやすいため。待ち選択以外の手作りの余地がないダブルリーチとなれば話は別。リャンメン待ちの割合が大きく下がり、ペン3待ちの割合も増えます。
しかも、牌が重複するパターンが少ないことから、ペン3待ちの割合はカン4、カン5に比べて僅かながら多くなります。このことを踏まえてかは分かりませんが、「ダブルリーチに37牌は危険」という格言もあります(リャンメン待ちが過大評価されていた頃は、ダブルリーチでもリャンメン変化が2種あるカン4、カン5に関してはリーチしないものとされていたというのが理由として大きそうですが)。
ダブルリーチに4、5よりも3が当たりやすいことは、『統計学のマージャン戦術』でも示されています。しかし実測値としては僅か0.1%の差に過ぎません。「ダブルリーチに37牌は危険」というのは誤りではないとはいえ、これを押し引き判断に反映しようとすると、かえって悪影響になる恐れもあります。
ダブルリーチがかかり、とりあえず字牌を切ったら一発でチートイツに刺さったという経験。長く麻雀を打っていたら誰しもあるのではないでしょうか。実際、ダブルリーチのチートイツ率は通常リーチよりかなり高くなります。何故なら、単純なアガリ牌の組み合わせであれば、チートイツの割合は約11.7%にもなりますが、アガリを目指すうえでは手がかりの無いチートイツよりも、順子が作りやすい牌が残されるため必然的にメンツ手の割合が増えるためです。
チートイツの割合が多くなれば字牌待ちの可能性も上がるので、数牌よりかえって危険になるのではとも考えがちですが、『統計学のマージャン戦術』によると危険度の序列が逆転するにまでは至らないようです。しかし、序盤から中盤にかけ、残りスジが少なくなるにつれて無スジの放銃率がかなり上昇する一方、字牌に関しては緩やかにしか上昇しないので、体感的には「ダブルリーチに字牌はよく当たる」気がするというのも、もっともなことです。
一応、ダブルリーチに追いついて3456から3か6を切る選択になれば6切りがよく、それなりの手牌で現物が無いのであれば、字牌のトイツ落としから降りるくらいなら真っ直ぐ押した方がよいということくらいは言えそうですが、言われていることが正しいとしても、それを打牌選択にどのように反映すべきかについては優先順位があります。そのことを忘れないためにも、定量的な判断を心掛けるようにしたいですね。