麻雀の「東南西北」が実際の方位と一致しない理由は第153回で取り上げましたが、「東場の南家」のように、「場」と「家」両方で東南西北を使っているのが分かりにくいという意見もありました。確かにこれから麻雀を覚えようとする人に教えるとなると何かと混同しがちになりそうです。
それではどのように呼び方を変えればよいでしょうか。座っている位置でABCDのように呼ぶという方法もありますが、麻雀である以上やはり漢字を用いたいところ。場風牌、自風牌がある以上、座っている席で呼び方を固定すると、今どの風牌を鳴けば役がつくのかが分かりにくくなるという問題もあります。
そこで私が考えたのは、「家」は「東南西北」で呼び、「場」を「東南西北」の代わりに、「春夏秋冬」で呼ぶというものです。花牌に「春夏秋冬」があるので、麻雀用語としてもしっくり来ます。
前回は四霊獣の話をしましたが、四聖獣と言えば、東の青龍、南の朱雀、西の白虎、北の玄武。天の四方の方角を司る霊獣。しかも、青春、朱夏、白秋、玄冬という言葉があるように、春夏秋冬がそれぞれ東南西北に対応しています。これなら覚えやすいですし、ネーミングとしてもぴったりではないでしょうか。
若い頃を青春時代と呼びますが、中国の五行思想において、青春は誕生から25歳頃まで、朱夏は25歳から60歳頃まで、白秋は60歳から75歳頃まで、玄冬は75歳以上を指します。人の一生を四季に例えた表現です。麻雀も場を春夏秋冬とすれば、半荘戦なら人の半生。冬場までやって一荘戦なら一生を表現していることになります。まさに麻雀は人生…オチがつきましたね。今回はこれくらいにしておきます(笑)