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卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第51回 リーチ宣言牌に注目しよう

卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第51回 リーチ宣言牌に注目しよう

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今日はリーチ宣言牌のお話です。

リーチへの対応について、改めて資料や本を読んでいたところ、「リーチの待ちなど、ほぼわかりません」という力強い?一節に目がとまりました。著者は鈴木たろうプロで、「迷わず強くなる麻雀」(講談社)の188ページに、目立つよう赤色で記されています。

まさにその通りなんですが、実績のあるプロがはっきり言い切るのは、ちょっと勇気がいりますよね。会社の会議などで、あいまいなことでも何となく説明してしのいでいる私(実はしのげていないのかもしれない)は、「わからない」と言い切る強さに憧れます。

ただ、この本ももちろん「わからない」で済ませるのではなく、それを前提としつつ、多くの道しるべが示されています。攻守の考え方が1冊で学べる名著なので、改めておすすめしたいと思います。

さて、リーチ宣言牌についても、それを見ただけでは待ちはわかりません。が、ヒントはあるので、一般に言われていることを2つ紹介しましょう。

1  安全牌を切って宣言したリーチは好形(リャンメン待ち以上)が多い。
2  宣言牌の裏スジの牌が待ちのことは、比較的少ない。

1は、待ちが悪ければ安全牌を持つ余裕はないので、最後まで安全牌を抱えているのは、待ちが良い証拠だ、という理由です。好形待ちだとわかれば、そのリーチに対しては、すでに切られている牌のスジや字牌を通しやすくなります。スジの牌や字牌はリャンメン待ちには当たらないからです。

2の「裏スジ」は、1に対して2と5、4に対して5と8など、ある数牌に対して、隣の牌とスジの牌のことをいいます。例えば、[七]を切って宣言したリーチに対しては、裏スジの[三][六]のリャンメン待ちであることは少ない、という読み方です。考え方は以下のとおりです。

もし[三][六]待ちなら、手の中に[四][五]があるはずです。
ということは、リーチ直前に[四][五][七]の形で持っていたことになります。しかし、こんな中途半端な[七]を最後までぼんやり持っていることは多いでしょうか?


[四][五][七][④][⑤][⑥][2][2][2][3][4][6][8] ツモ[⑥]

これは、2022年2月1日のMリーグ第2回戦南4局、園田賢プロの5巡目です。5ブロックが見えていることもあり、[七]を切ります。[⑥]を残すと、[赤⑤]引きはもちろん嬉しいですし、[⑤]引きでもイーペーコーに発展するので、[七]はお役御免というわけです。

このようなケースが多いので、[七]切りリーチで[三][六]待ちのケースは少ない、というロジックです。

1も2も理屈はわかりますが、実戦で本当に使えそうなセオリーでしょうか?
気になったので、今シーズンのMリーグの牌譜を見てみました。

Mリーグには、オフィシャルサポーターという仕組みがあり、会員になると全対局の牌譜を見られてとても便利です。この機能を使って、今シーズンの各月の初めと半ばの対局(2021年10月4日と18日、11月1日と16日、12月2日と16日、2022年1月3日と17日、2月1日の計18半荘)を抜き出し、すべてのリーチを検証してみました。

この18半荘では、合計182回のリーチが打たれ、うち97回(全体の53%)がアガリに結びついています。

まず、
1  安全牌を切って宣言したリーチは好形(リャンメン待ち以上)が多い。
については、該当するリーチは182回中16回あり、うち14回はリャンメン待ち以上の好形でした。確かに好形率が高いですね。2月1日第2回戦、東4局1本場の魚谷侑未プロのリーチはこんな形です。

[二][二][三][三][四][①][②][③][⑦][⑧][5][赤5][西]  ツモ[四] 
[西]切りリーチ

教科書通りのリャンメン×リャンメンのイーシャンテンで、これなら安全牌の[西]を持ち、余裕をもって進められます。
ただ例外はあり、11月16日第2回戦東1局の朝倉康心プロのリーチはこんな形でした。

[一][二][七][七][①][②][③][1][2][5][6][7][発] ツモ[三]  
[発]切りリーチ

サンショク(三色同順)がはっきり見えているので、ほかの数牌を持つ必要がなく、安全牌の[発]を持って進めていたわけです。「安全牌切りなので絶対に好形」と過信するのは禁物です。

2  宣言牌の裏スジの牌が待ちのことは、比較的少ない。
についてはどうでしょうか。

今回調べた182回のリーチのなかでは、宣言牌が数牌のケースは161回ありました。そのうち、宣言牌の裏スジの牌が待ちになっていたケースは8回でした。割合では約5%です。
一般に、リーチに対して無スジの数牌を切ったときの平均放銃率は10%を超えるとされていますので、それに比べるとかなり安全そうではあります。

ただ、この少ないサンプル数の中でも8回あるように、決して安全牌というわけではありません。
今回見たなかから、3つ紹介しましょう。

●11月16日第1回戦東1局 近藤誠一プロ

[三][四][四][五][赤五][七][④][④][⑥][⑦][⑧][7][8] ツモ[6]
[七]切りリーチ

678のサンショクの可能性もあるため[七]を残していたところ、テンパイしたので[七]切りリーチで裏スジの[三][六]が待ちになったケースです。

●12月16日第2回戦南1局 高宮まりプロ

[三][三][七][八][九][⑦][⑧][⑨][4][7][7][8][9] ツモ[6]
[4]切りリーチ

たまたま[4][7]のくっつきテンパイの形だったため、宣言牌の裏スジ、[5][8]待ちになっています。

●2月1日第1回戦東2局1本場 松ヶ瀬隆弥プロ

[四][赤五][六][④][⑤][⑥][1][1][1][3][4][6][7] ツモ[8]
[1]切りリーチ

[1]をアンコで持っていると、[2]から[8]まで何を引いてもテンパイできる、強いイーシャンテンになります。そこに[8]を引いたので、結果的に、宣言牌[1]の裏スジ[2][5]待ちになっています。

実のところ「宣言牌の裏スジの牌が待ちのことは、比較的少ない」という話は、かなり浸透しているのですが、小林剛プロは「確かに有効なセオリーだけど、いくらでも例外はあるよ」ということで、著書「スーパーデジタル麻雀」(竹書房)の中で警鐘を鳴らしています(P124「流行りのセオリーもどきに飛びつくな」)。とても興味深い論考なので、ぜひご覧ください。

今回見た牌譜はMリーグというレベルの高い舞台で、かつサンプル数も少なく、一般性があるかは微妙ですが、私自身は、
1  安全牌を切って宣言したリーチは好形(リャンメン待ち以上)が多い。
2  宣言牌の裏スジの牌が待ちのことは、比較的少ない。
の2つのセオリーは、確かにある程度使えそうだなあ、という実感を得ました。

もちろん例外はあるので、スジやワンチャンスなどと同様、あくまで安全度を推測する材料の一つ、という位置づけですが…。

もう一つわかったことは、宣言牌を含むリーチ者の河の牌と、待ち牌の間には、何の関係もないケースの方が圧倒的に多い、ということでした。そりゃそうだろうとは思いますが、少し統計をとってみただけでも実感できます。鈴木たろうプロの「リーチの待ちなど、ほぼわかりません」という言葉は至言ですね。

次回は、そんなわからない中での対策として「自分が複数持っている牌を切る対応」を紹介します。

この記事のライター

藤田 明人
最高位戦日本プロ麻雀協会第43期後期(2018年入会)
兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、新聞社に入社。
記者を経て、教育事業部門で勤務。
麻雀が、幅広い世代の学びにつながることを研究しています。

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