- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第6章 1
「対戦相手をリスペクト」という表現もよく使われますが、個人的には全ての相手に対して謙虚になれとまでは思いません。同卓者の実力を必要以上に高く見積もるのも、勝ちを減らす要素になるためです。
個人的には、「人は舐めても麻雀は舐めるな」の方がしっくり来ます。麻雀は競技として扱われるものでは最も運要素が高いものです。格下なら勝って当然と思い込むようであれば、いくら知識や技術が身に付いたとしても、麻雀というゲームを理解しているとは言えません。同卓者に対して謙虚になるべきかはともかく、麻雀に対しては謙虚であるべきでしょう。
「対戦相手をリスペクト」という言葉も、技量ではなく、勝ちたいという心をリスペクトするというのであれば理に適っています。勝利条件がはっきりしている時は、同卓者の力量が多少劣るとしても条件に見合う手作りをしていることが多いものです。そのことをふまえておくと、同卓者を獅子とみなすべき局面か、兎とみなすべき局面かを区別しやすくなると思います。
第6章 2
「勝ちたい」「負けたくない」と思うのはプレイヤーとして当然のことです。しかしこれが、「具体的にどの程度勝ちたい、最低でもこれ以上負けたくない」となると、勝敗評価の基準がズレてしまいミスが増える原因になります。
単に「勝ちたい」ではなく、「与えられた手牌と局面に応じた、ベストな打牌を選びたい」と思うようにしましょう。トータルの勝ち負けではなく、一戦ごとの収支を競うルールなら、前の半荘の結果がどうであれ取るべき選択は変わりません。本書でも指摘されているように、予め何半荘打つと決めて対局に臨めば、トータルの勝ち負けに打牌が左右されてしまうことも減らせると思います。
「ベストな打牌」と申しましたが、「よりマシな打牌」と言った方が近いかもしれません。「ベスト」というとプラスのイメージですが、実際は何を選んでもマイナスのところから最もマシな打牌を選ばなければならないこともあります。また、ベストにこだわるがあまり、労力を使い過ぎて肝心なところでミスが増えてしまう場合もあります。実戦では過去の結果にこだわらず、今の自分にとって、今できることが何かを考えることに意識を集中させるようにしましょう。
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