CS放送『MONDO TV』の麻雀番組『モンド麻雀プロリーグ22/23シリーズ』の雌雄を決する『第19回モンド王座決定戦』が、2024年1月2日より毎週火曜午後11:00~深夜0:30に全4回にわたって放映される。『第20回 女流モンド杯』のチャンピオンとして出場する魚谷侑未プロ(日本プロ麻雀連盟)に『モンド王座』にかける思いを聞いた。
2024年1月2日より始まる頂点を決める戦い
『モンド麻雀プロリーグ』とは『女流モンド杯』、『モンド杯』(50歳未満の男性プロ)、『名人戦』(50歳以上の男性プロ)という3つのカテゴリーに分かれてリーグ戦が行われ、各カテゴリーの優勝者と前年度の王座優勝者の4人が『モンド王座決定戦』で頂点を争う1年間を通した麻雀プロリーグだ。
『第19回モンド王座決定戦』出場者は、前年度王座の清水香織プロ(日本プロ麻雀連盟)、『第20回 女流モンド杯』チャンピオンの魚谷プロ、『第23回 モンド杯』を制した白鳥翔プロ(日本プロ麻雀連盟)、『第17回 名人戦』決勝で四暗刻をアガって初優勝を決めた森山茂和プロ(日本プロ麻雀連盟)の4人。
「昨シーズンの王座決定戦では最終戦で国士無双をアガっても苦しい状況だったので、今シーズンは、しっかり最後まで戦えるよう挑みたい」と、勝てば自身5度目となる王座を狙う魚谷プロにとってはリベンジの戦いとなる。
初出場で初優勝という思い出深い『モンド王座決定戦』
2012年、プロ入り4年目だった魚谷プロは『第10回 女流モンド杯』で初出場初優勝という鮮烈デビュー飾った。『第9回モンド王座決定戦』への出場権を勝ち取り、前年度王座で名人戦優勝者の前原雄大プロ(日本プロ麻雀連盟)、名人戦代表の近藤誠一プロ(最高位戦日本プロ麻雀協会)、モンド杯優勝者の滝沢和典プロ(日本プロ麻雀連盟)というベテラン3人と対局。最終戦のオーラス、ハネマンツモで大逆転初優勝という劇的なフィナーレでファンを熱くさせた。
「私を覚えてもらえるきっかけになりました。この対局のおかげで皆さんに認知して頂けて、ファンの方がすごく増えた実感があります。モンド王座決定戦は、私をスターにしてくれた対局番組。私にとってはその時も、これからも特別であるということは一生変わることはありません」と今の自分の原点だと振り返った。
『女流モンド杯』優勝4回。『モンド王座決定戦』優勝4回はともに番組史上初
2012年からこれまで『女流モンド杯』には11回出場し優勝4回。『モンド王座決定戦』も4回優勝と、共に番組史上最多優勝回数を誇っている。
「麻雀人生において優勝に恵まれていることは、麻雀の神様に愛されてきたんだなと思っています。いくら実力があったとしても、勝つことに関しては運の要素やタイミングも含めいろいろなものが絡んで来る。自分が築いてきたものに対しては自信があるんですが、麻雀というゲームの性質上、優勝者は決まっても一番強い人が勝つのかといえば、そんなことはない。とくにモンドさんはいい相性が発揮されやすい場所。勝つことが一番好きなので、勝つことにこだわって練習し、研究してきた結果がいいほうに出ているのは、本当に麻雀の神様に助けられているのかな」と微笑む。
MONDO TVに対する思い
魚谷プロが麻雀を始めた21歳の頃、初めて見た対局番組は『モンド麻雀プロリーグ』だった。
「麻雀を始めて1カ月ほどした頃に見たんですが、番組を通して麻雀プロという存在を初めて知りました。そこで二階堂亜樹プロを見て、こんな可愛らしい方が麻雀プロなんだと驚きました。解説は森山茂和会長だったんですが、歯に衣着せぬ解説は気持ちがいいなと思って聞いていました。プロ入り前にお会いしたことのある麻雀プロは土田浩翔プロ。身長が高くて紳士的で素敵な方だなという印象がありました。テレビで見たり、実際に会った時、私も素敵だなと思われる麻雀プロになれるよう切磋琢磨していこうと思いました」と麻雀プロに憧れを抱き、翌年には日本プロ麻雀連盟に入会した。
モンド麻雀プロリーグで「嬉し涙を流した対局」と「悔し涙を流した対局」は?
魚谷プロは鳴き仕掛けが多いことや、感情が豊かなことから「泣き虫マーメイド」という異名を持つ。
「嬉し涙はやはり王座を初めて獲得した『第9回モンド王座決定戦』です。初出場だった私は誰から見ても格下であり、誰とあたっても先輩ばかりだったので、誰に対しても特別な感情を抱かず、きちんと自分の麻雀を貫こうと思って打ってました。オーラスでツモった瞬間、高揚感で泣きそうになったんですけど、ゲーム中なので我慢していました。でも対局後、スタジオに残って泣いてしまいました」
「悔し涙は人前で流さないようにしているんですが、麻雀BATTLE ROYAL(バトルロイヤル)2017で萩原聖人さんに4枚目の九萬で国士無双を放銃した時は、私のせいでチームが負けてしまったので、放送中とはいえ涙をこらえられなくなり、悔しいというより自分が不甲斐なくて泣いてしましました。萩原さんに泣くなよと言われてしまったんですが(笑)」
対局で意識していることは?
無駄のないキレイな対局所作も魚谷プロの特徴のひとつだ。「摸打(モウター)をはじめ対局姿勢は、見ている方が見やすいよう、自分のできる範囲で美しく、アマチュアの方のお手本になれるよう心がけています。内容に関しては、麻雀と真摯に向き合い、魂を削りながら一打一打に思いを込めて打っています」
モンド麻雀プロリーグを通じて身についたことはありますか?
ファンをはじめ、麻雀プロとしての立ち居振る舞いを意識するようになれたのは、モンド麻雀プロリーグの解説でもお馴染みの“メンチンのバビィ”こと馬場裕一プロのおかげだという。「モンドデビュー当初は、麻雀プロとして麻雀を一生懸命打つことだけはやってきたけれど、一般常識などわかっていないことは相当あったと思います。そんな私を馬場さんは可愛がってくれたのと同時に、世間知らずだった部分を叱ってくれ、人として矯正してくれました」と心から感謝している。
これから麻雀プロを目指す方へ
麻雀を観戦して楽しむ“観る雀”の増加にともない、麻雀プロ志望者も年々増加し、現在は総勢3,000人を超えている。「一見、華やかな世界に見えるかもしれませんが、一芸や見た目で成功しようと思わないことが大事だと思います。最終的には麻雀の腕で成功していこうという気持ちがないとしんどくなってしまうからです。まずは麻雀が強くなるためにできることをしっかりやっていくしかないと思っています」
2024年の開幕シリーズ! モンド麻雀プロリーグ24/25『第21回女流モンド杯』は2024年2月スタート
魚谷プロにとっては連覇をかけた戦いとなる。「女流モンド杯は私の原点。初出場初優勝できたところから私の麻雀人生が始まったと言っても過言ではないので、これからも出場できるかぎりは勝ち続け、魚谷がいるから勝てないと思われるような存在になりたいと思っています。私自身はネガティブ思考なので、まだまだ本当にダメだなと思うたびに成長できていると感じるので、奢ることなく、毎年成長し続けられるように精一杯努力していきます。番組では麻雀の手作りだけでなく、向き合う姿勢も見てもらえたら嬉しいです」
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◆撮影:長谷繁郎/取材・構成:福山純生(雀聖アワー)
魚谷侑未(うおたに・ゆうみ)プロフィール
1985年11月2日、新潟県柏崎市生まれ。B型。日本プロ麻雀連盟、セガサミーフェニックス所属。主な獲得タイトルは第6・7・16・18期女流桜花、第10・12・18・20回女流モンド杯、第9・11・12・17回モンド王座 、第16回日本オープン、女流プロ麻雀日本シリーズ2018、第44期王位、第39期十段位、第1期鸞和、第2期小島武夫杯帝王、麻雀日本シリーズ2023。著書は『ゆーみんの現代麻雀が最速で強くなる本』(鉄人社)、『麻雀が強くなるための心と技術』 (竹書房)
モンド麻雀プロリーグ22/23『第19回モンド王座決定戦』
◆放映日:CSチャンネル『MONDO TV』で2024年1月2日より毎週火曜午後11:00~深夜0:30他(全4回)
◆出場選手:魚谷侑未、清水香織、白鳥翔、森山茂和(50音順)
◆実況:土屋和彦
◆解説:望月雅継、金太賢、黒木真生
モンド麻雀プロリーグ24/25『第21回女流モンド杯
◆放映日:CSチャンネル『MONDO TV』で2024年2月より毎週火曜午後11:00~深夜0:30他(全16回)
◆出場プロ:池沢麻奈美、魚谷侑未、川原舞子、黒沢咲、高宮まり、東城りお、二階堂亜樹、日向藍子、宮内こずえ、和久津晶+チャレンジマッチ勝ち上がり者2名 ※50音順