- 『ネマタの天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第七期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
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第二節三回戦A卓
▼対局者
私: 就活生@川村軍団
Bさん: コーラ下さい
Ⓟ石橋伸洋
Dさん: トトリ先生19歳
配牌でいきなりチートイツ1シャンテン。メンツ手としてみた場合はメンツ候補が全て悪形の2シャンテンとなればチートイツに決め打っても問題ないところ。スジ単騎でリーチする選択も残してメンツ崩しの打。
チートイツ狙いなら字牌を残しそうですが、この段階なら山に残ってそうな牌も分からないので枚数重視。中張牌ばかり河に並ぶと字牌待ちでも警戒されやすいというのもあります。は全員にとって役牌なので、西家のが鳴かれなかったことからよりも山生きの可能性が高いと判断しての切りでしょうか。
優劣をつけるのは難しいですが、この巡目あたりからは他家が順子を作りにくい牌残し。東家がよりを先に切っているので、となら後から切っていると順子を作るの方が使われる可能性が高いと判断しての打でしょうか。
が3枚見えになりましたが残り1枚はほぼ確実に山生き。は2枚以上残っている可能性もありますが、この巡目あたりからは守備力も考慮して先切りした方が結果的にアガれることも多そうです。
4枚見えでは順子を作りにくい牌。将来の危険度もよりは低いこともあってかここで切り。
ここでテンパイ。枚数はの方が1枚多いですが、は誰からでもツモ切りされやすい待ちになっています。終盤にダマテンを警戒された場合も、より先にを切っているのでよりはの方が出アガリが期待できると言えます。
字牌とはいえここまで生牌の役牌となるとトイツ以上で持たれている可能性も高い。生牌と1枚切れの役牌なら10巡目以降は1枚切れの方が山に残っている(『現代麻雀最新セオリー』)のと同様に、比較的メンツを構成しにくい1枚切れ中張牌の方がツモりやすく出アガリしやすいとみてはツモ切り。実際には東家にトイツで持たれていました。
結果的には東家がポン打でダマの南家に放銃。アガリには結びつきませんでしたが、少しでもチートイツのアガリ率を上げようとすれば考慮することが多々あることを知らされる一局でした。