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マージャンで生きる人たち 第11回 《More》プロデューサー 菊池伸城 「躊躇なく一気にやることで、世界は開ける」

マージャンで生きる人たち 第11回 《More》プロデューサー 菊池伸城 「躊躇なく一気にやることで、世界は開ける」
マージャンで生きる人たち

 2015年12月に鮮烈デビューした本格的アーティストグループ《More》。メンバーは全員女流雀士という異色の存在で、音楽界に新たな旋風を巻き起こしている。話題の《More》仕掛け人、菊池プロデューサーに仕事論を聞いた。

 

菊池伸城(きくち・のぶしろ)プロフィール

1984年、東京都生まれ。B型、魚座。箏演奏家。《More》プロデューサー。箏演奏家として、日本ツアーを始め、中国、韓国のアジアから、イタリア、フランス、中東まで、各国の政府や大使館の要請で精力的に海外公演も行っている。好きな役は平和。好きな牌は發。

 

音楽×マージャン。発想のきっかけは?

「思いついた日時は忘れません。2015年の8月1日。牌(ぱい)の日です。お世話になっている起業家の方から『自分の得意なことを仕事にしていかないと、人生おもしろくないよ』と、アドバイスを頂いていた時期でした。その言葉の真意を、ひとりで飲みながらずっと考えていたんです。箏は好きで演奏家が仕事ではあるけれど、マージャンも大好きでした。雀荘経営など、マージャンの仕事もやってみたいなと思っていたところ、パッと結びついたんです。ずっと音楽畑でやってきたので、CDを出す等、音楽と絡めた展開だったら自分に向いている。そこを生かしてマージャンと連動させていけたらいいのではないかと。思い立ったら吉日。親友とふたりですぐにスポンサーを集め、制作スタッフに声をかけ、方向性が固まった時点で、企画書を持参して各プロ団体に挨拶に行ったというのが経緯です」

「幸いにも雀荘で知り合ったマージャンプロやマージャン関係者の方と親交がありまして、よく私のコンサートにも来てくれていました。挨拶に行くにあたって、その方達が私をプロ団体につないでくれたおかげで、どこの誰だかわからない人というわけでもなかったわけです。ただプレゼンの練習は鏡の前で何度もやりました。人前でしゃべることは少なくなかったのですが、頭が真っ白になってしまいがちだったんです。しかもいきなりCD出しませんかなんていうのは、世の中によくある詐欺師の手口の一種だと思われては元も子もありません(笑)。プレゼンでは、コンセプトと展開案とともに、マージャンが好きだという気持ちを真摯に伝えました。各プロ団体が快く賛同してくれたおかげで、9月1日にはオーディションという順調な流れに乗っていけました。箏演奏家としての経験上、CDを出したり、新しい企画を遂行するときには、体感的に勢いよくやらないと出来ないものでした。1カ月で軌道に乗って走り出せるのか、1年たってもやらないかは明白なんです」

aaa20160423-DSC_00522016年4月、武蔵野公会堂で初めてステージに立った《More》

 

仕事におけるスピード感の原点とは?

「もともと18歳の頃からマジシャンをやっていました。トランプがメインのテーブルマジックで、銀座や六本木の飲食店を中心に巡業していました。マジシャンの仕事で人脈を築き、ホームパーティにも呼んでもらいながら、いつかは起業しようというプランを持っていたんです。マジシャンとしても、箏の演奏家としても、プレイヤーとしてはいわゆる〝華のある時期〟があるものなので、30歳ぐらいで引退なのかなという危機感を持っていたからです。32歳となった今現在、なんとかまだやれてはいますが(笑)」

 

音楽×マージャンが目指すもの

「私はマージャン界を外から見ていた人間なので、趣味がマージャンだというと、蔑まれるようなことも実際よくありました。『マージャンするんだね!』と言われると嬉しいけど『マージャンなんてやるんだ…』と言われると、すごく悲しい。これまで15年間、歩ませてもらってきた音楽の世界は、華やかで明るいイメージ。でもマージャンに対しては、いまだに世間が持つイメージは暗いダーティな部分があるのは事実。そこに自分が持っている音楽の世界が持つ明るいイメージを掛け合わせれば、たとえ一時であっても、マージャン界がもっと明るくなるんじゃないかと思っているんです。具体的にはヤフーニュースに取り上げられたりしていけば、面白いことになるのかなと。高尚な理念を掲げているわけではなく、マージャンが明るくポップなイメージになることに少しでも寄与できたらと思っています。実際、マージャンはやらないけどMoreは知ってるよなんて言われるとホント嬉しいですね」

 

《More》が表現していきたいこととは?

「私がマージャンをする人たちとの会話の中で個人的にすごくイヤだなと思っているのが、マージャンが弱い=バカ、ダメ。マージャンが強い=偉い。そういう叩き方をするのが心底イヤでした。プロだから結果を求められるのは当然なのかもしれませんが、結果だけではなく、その過程における個性など、多角的なマージャンの良さや楽しみ方があることは伝えたいと思っていたんです。要するに、表現者としての女流プログループの構築です。したがってオーディションでは、強い弱いの基準が曖昧な雀力は重視していません。一番大事にしたのは〝人間力〟です。歌唱審査もしましたが、それよりも受け答えがしっかり出来て、よく笑う明るさを持っている子を採用しました。また歌えない、踊れない子達が年内(実質3カ月以内)にデビューするためには何が必要なのか。そこを突き詰めていくと、作曲家をはじめ、メンバーを支えるスタッフ陣が一流であることが、1日も早いデビューにつながると考え、そこに予算を投資していきました。厳しいダンスレッスンやボイストレーニングは、結果として、マージャンにも活きるとは思うのですが、すぐに活きなくても、コツコツ積み上げていくことは何かしらに活きるのではないかなとは思っています。ボイストレーニングは呼吸法からやっていますので、マージャンの発声にも活きるかもしれませんが(笑)」

 

1stシングルに込めた想いとは?

「作詞家には、マージャン用語は一切使わずに、女流プロという職業にまつわる想いや気持ちを曲に込めて欲しいというオーダーをしました。特別な世界で生きていると思われるかもしれませんが、普通の女の子と変わらないんだよというのが1stシングルの『Just One Girl』。そこにマージャンらしさを加えるために、導入には中国音階を入れてもらいました。それをJポップにアレンジするので、気づかない人が多いとは思うのですが、気づく人は気づいてくれたのかなと思います。セカンドシングルは、一曲目とはガラッと変えて、AKBの作詞をしている丸谷マナブさんに、大人の夏の恋をコンセプトに作詞をお願いしました」

「ただ何よりも、1stシングルを手売りにしたことに、大きなこだわりがありました。通常、地下アイドルがデビューするまでには長い道のりがあるものなんです。今で言えば、AKBのカバー、ももクロのカバーに始まり、お客さんが定着してきてやっとライブで100人ぐらいは集まってくれるようになって初めて、オリジナルソングを作曲してもらえて、たとえそれがどうしようもない曲だったとしても、それでも一生懸命に歌い続けて、それからメジャーデビューへというステップがあるものなんです。そういった踏むべきステップを飛ばして、いきなりオリジナルデビューだったので、一曲目はあえて手売りにしたんです。いきなりiTunesで配信、タワーレコードでも売ってますでは、本来であれば、駆け出しがやるべき下積みを飛ばしている分、ちょっと感じ悪いなと。それで1枚1枚手売りで頭を下げて、買ってくれた人にはサインをしてというファンとの交流スペースになれるようにと秋葉原にオープンしたのが『MoreStage』だったんです。歌やダンスに込められた想いを、心の底から表現するためにも、そういうステップは大切にしようとこだわりました」

a20160812-DSC_0003メンバーと交流できるオフィシャルファンスペース『MoreStage』。8月末に巣鴨でリニューアルオープンする

 

仕事上で気をつけていることとは?

「忙しくなればなるほど、ピリピリするタイプなので、そういう時ほど、言葉や態度にはとても気をつけています。Moreのメンバーは女流プロありきなので、アーティスト活動ありきというスタンスになってしまうと、様々な企画が立ち上がる中で、かける言葉も『しっかりやれよ』ではなく『しっかりやろうね』という言葉が適切なのかなと、自分に言い聞かせています」

 

今後《More》が目指す理想形とは?

「ZEPP東京でライブをやって、マージャンを知らない人がお客さんに来てもらって、マージャンを知らない人がマージャングッズを買ってくれて。More自体の知名度を広げながら、そういった広がりを持てたらいいなと思っています。幸いにもAbemaTVなど露出する機会も広がっているので、Moreに入って頑張れば、そういった先駆者にもなれるし、大好きなマージャンもいっぱい打てる。そんな環境を整えていきたいと思っています。その道中でグループとして大きく育っていってくれたら嬉しいですね」

a20160621-DSC_0052「今後はミニライブを経てワンマンライブを目指す」と語る菊池さん

 

菊池さんがマージャンを覚えたきっかけ

「地元で遊んでいる年上の遊び仲間がいて、23、24歳の頃に誘われて始めました。最初はゲームセンターにあるMJで、先輩が付きっきりで教えてくれました。飲めり込むタイプなので、あっという間に覚え、ひとりで雀荘にも行くようになりました。多い時で月に400半荘ぐらいは打っていましたね。その雀荘によくいたのが、永世最高位の故・飯田正人プロでした。あまりにも私がよくいるので、声をかけてくれて話しをするようになり、私のコンサートにも来てくれるようになりました。お亡くなりになる前に、私の誕生日に色紙を書いてくださったんです。『君の前途は明るい。己を信じて生きていこう』。今思えばマージャン界で何かやりたいと思うきっかけを作ってくれた人だったかもしれません。音楽とマージャンを結びつけることは、人生をかけてマージャンをやっていた飯田さんへの恩返しにしていけたらと願っています」

 

これからこの業界を目指す人へのアドバイス

「やりたいと思ったことは、躊躇せずに、いっきにやることです。マジシャンをやっていたので、イメージできれば具現化できることは体感していました。だからイメージできたら、ためらわずにいっきにやってしまうことです」

 

菊池さんにとって麻雀とは

「マージャンはメンタルゲームなので、私自身、メンタルが崩れると打牌も変わってしまいます。常にぶれない心を持つことが強さだと思っています。私にとってマージャンは、メンタル維持のツールでもあり、コミュニケーションを広げてくれたツール。私は心が乱れたり、にっちもさっちも行かなくなった時には、携帯の電源を切ってマージャンに集中しています(笑)。その瞬間はすごく救われている気がします」

 

インタビューを終えて

「こうなったらいいな」「こんなことできたらおもしろいな」。仕事も遊びも、願望や理想形を思い描くことは誰にでも出来るが、実際に行動する人は少ない。マジックで学んだイメージの具現化をベースに、音楽とマージャンの融合を目指す《More》。思考と行動が一致する菊池プロデューサーのスピード感あふれる次の一手が楽しみで仕方がない。

文責:福山純生(雀聖アワー) 写真:河下太郎(麻雀ウオッチ)

◎Moreオフィシャルサイト
http://more-stage.net

◎オフィシャルファンスペース『MoreStage』

◎Moreセカンドシングル 『恋なんていらない』 2016.8.11リリース。

◎箏演奏グループ『和音』オフィシャルWEBサイト
http://kotototomoni.net

 

 

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