第3章レッスン16 場況の悪い牌?
もし他家の「当たり牌を読む」ことが可能であれば、「当たらない牌を読む」ことより情報としての価値はずっと高いですが、前者の方が後者より圧倒的に難易度が高く、高い精度で読めることはなかなかありません。
「山に残っていない牌を読む」と、「山に残っている牌を読む」の関係も同じことです。特に平面上では優劣がはっきりしている問題では、読み間違うことによるリスクも大きくなります。
本書では「重要度が低い」と表現されていますが、高い精度で読むことが出来ることが本当にできるのであればむしろ重要度は高いと言えます。だからこそ一昔前は、「当たり牌読み」や、「トイツやアンコで固められていて山に残っていない読み」が重視されてきたのではないでしょうか。
難易度の高い読みはいかにも強者の技という印象を与えます。しかしそれが仮にたまたま当たったのではなく、正しい理論に基づいたものであったとしても、そのような派手な読みではなく、少しでも有利な打牌を積み重ねるための地道な読みこそ重要なのです。
レッスン17 山読みはツモ読みではない
高い精度で読むことができるわけではなく、外れたリスクもあるのだから読んでも仕方が無いという考え方もありますが、逆に言えば外れてもリスクが低いなら精度が低くても読みを入れるに越したことはないとも言えます。
例えば111ページの図はテンパイと、平面上はさほど強くない1シャンテンの比較になるので、外れた時のリスクが高く、高い精度で読めると言える程の情報もないので即リーチ。113ページの図はくっつき1シャンテン同士の比較なので、外れてもリスクが低いので打としてもよいということです。
「場況がいいからツモれる」とは限りませんが、「場況はいいけどテンパイするまでに他家に切られるのが嫌」という理由で場況のいい受けを外すこともありません。「場況のいい受けが多く切られ、待ちが苦しいと分かったので他で面子候補を作ろう」と方針転換できるのと、「場況がいいとは言えない受けが他家に使い切られ、待ちが苦しいと分からないまま手作りを続ける」のとどちらがよいかと言われたら、前者の方がよいのは言うまでもありません。本書に示されている通り、「その後の選択を正確に判断しやすくなること」こそ山読みのメリットです。
本記事に関するご紹介
「これはどうしても優劣がつかないときだけ使う読み」といった、実戦的な判断まで考慮した内容になっています。
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