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ネマタの戦術本レビュー第565回「麻雀AI戦術 著:水上直紀  その5」

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Q10

 先制リーチの強さが認識される前であれば打が手筋とされた手牌です。和了率こそ即リーチより打が勝りますが、手変わりしても打点が上がらない(むしろやや下がる)うえに、他家にアガられてしまう確率が大幅に上がってしまうので損です。この問題もリーチによる足止め効果の強さがよく分かる問題と言えそうです。

 加点のメリットがあまりなく局を消化できればいい局面であっても、今回くらいの良形変化であれば打ダマがよさそうです。もしが場に1枚切れていて残り2枚となれば、今度こそ打が候補になるでしょうか。その場合も手牌だけなら雀頭を崩す打よりターツを外す打が基本(ツモで3メンチャン、ドラツモでもテンパイ)ですが、将来他家がテンパイした場合の放銃率も踏まえて打を選ぶことはありそうです。

Q11

 4連形×2のくっつき1シャンテンともなれば、和了率でもカンチャンリーチより上。他家にアガられてしまう確率こそ上がりますが、手変わりで打点も上がる以上明確にテンパイ外しが有利になります。

 「手変わりをみるなら最大限みられるようにダマよりテンパイ外し」が原則ですが、のツモアガリとツモのリャンメン変化があるので、実は打ダマでも打と比べて和了率にあまり差がないというのが意外かもしれません。

 しかし、打ならでツモドラ1のアガリ逃しになる代わりに、フリテン3メンチャンの平和ドラ1リーチを打つことができます。ラス目ならなおのことテンパイ外しに分があると言えるでしょう。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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