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ネマタの戦術本レビュー第1119回「『令和の麻雀最新理論』編 その11 著:土井泰昭」

ネマタの戦術本レビュー第1119回「『令和の麻雀最新理論』編 その11 著:土井泰昭」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。

第2章 流行手筋の検証

令和麻雀の流行手筋⑪

先切りする牌が将来他家全員に無筋、残す牌が他家全員に安牌。先切りでテンパイ時に平和がつくドラ無しリャンメン×2の1シャンテンになるという前提で安牌残しが有力であることは、『現代麻雀最新セオリー』にて示されました。

しかし92ページの手牌については、を残せばツモで789三色の変化を残せます。安牌を残すことに気を取られると、受け入れ減以外のデメリットを見落としがちです。

93ページについては、を先切りすることでが出やすくなり、そのが234三色の高めになるという利点があります。「安牌残し」「河作り」「高め追求」。先切りのメリットはこの3つが挙げられますが、2000年代の麻雀理論はこれらのメリット1つのみを取り上げて受け入れを減らさない選択と比較していたので、結果的に「十分形有利」の結論になりがちだったように思われます。今後の研究課題ではありますが、先切りのメリットが3つとも揃った93ページのような牌姿であれば、タンヤオがつく手であっても打も十分有力とみます。

95ページの上2つのように先切りのロスが大きい手は先切りは単純に損。2枚目の牌姿を「完全1シャンテン」と表現されていますが、一般的には3枚目の牌姿を完全1シャンテンと呼びます。麻雀用語は定義がまちまちなものが多いので、個人的には(引用以外では)解釈が分かれる用語は避けてなるべく見たままを書くようにしています。

令和麻雀の流行手筋⑫

フーロ手ならなおのこと受け入れを狭めるロスが大きくなります。ただし、「フーロ手なら先切りしてまで安牌を残さない」という常識が浸透しているので、河を作ることで出アガリしやすくなる効果は期待できなくもないですし、鳴き手にはメンゼンツモの1翻がつかないので、出アガリしやすいことでアガれた時の打点が下がるデメリットが無い点から、思ったほど損な選択ではないのかもしれません。

とはいえ、どの界隈で「流行」しているのかは気になるところ。安牌を残すかどうかは局面に依存するところが大きいので、たまたま安牌残し有利という結論に至るケースが多かっただけというだけかもしれません。ノーマルな局面を前提とするなら、ドラの数に関わらずリャンメン×2+フォロー牌の1シャンテンを維持することを推奨します。

令和の麻雀最新理論

最新の麻雀戦術に乗り遅れるな!

「一時期、デジタル時代に昔の戦術論でシステムにそぐわないものは排除されてきました。『捨牌は読まない』がその典型かと思われますが、それ以外にもメンゼンの大切さなども軽視されていたと思います。
ところが最近の戦術論ではそんな昔の戦術論が見直され、さらに改良されて発表されました。これこそが新時代の理論であり、私は本書でそれをまとめる意味でも、仮定や分析を交えながら展開したいと思います」(まえがきより)

たとえば、昭和は打点重視、平成は効率重視の打ち方が流行しましたが、現在は「一定の打点を確保した上での効率重視」という、ハイブリッドな打ち筋が登場し脚光を浴びつつあります。

本書ではまず、このような昭和でも、平成でもない令和の麻雀戦術について、ユーモアを交えながら解説します。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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