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卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第9回 ドラを見よう(その3)

卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第9回 ドラを見よう(その3)

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前回前々回で、ドラの大切さを紹介しました。
しかし、肌身離さずずっと持っていれば良いわけでもありません。
早めに手放した方がよい時もあります。

主な理由は、2つあります。
1 ドラにこだわるあまり、アガリが遠くなることがあるから
ドラは、アガった時に初めて意味を持つので、アガれないなら、本末転倒になります。
2 巡目が進むほど、ドラは危険牌にもなるから
ドラは全員が欲しい牌です。他家に攻められると、ドラを切れないケースも多くなります。

お店や企業の経営でも、強みと思っていたことが、時間が経つと弱点に変わり、改革の足かせになることがよくあります。手牌にあるドラの価値も、状況とともに変化していくのです。

具体例をみていきましょう。

例えば、次のような手牌。
 ツモ ドラ

イーシャンテンになったところですが、ドラのにこだわって、を切ると、テンパイが遠くなってしまいます。次にを引いてテンパイできたとしても、カン待ちになります。はドラ表示牌で元々1枚少ないですし、ちょっと厳しそうですね。

一方、を切ると、
 となります。

テンパイできる牌が多くありますし、ほぼタンヤオになりそうです。
ドラのを切ると1ハン失いますが、持ち続けると、タンヤオにはなりません。ドラを捨てることで、別の役ができるのであれば、手牌の価値は同じです。

むしろ、ドラがあると、ピンフやイーペーコーに育つチャンスも失ってしまいます。「ドラは出世のさまたげ」という格言は、昔から広く知られています。

次に、渋川難波プロの「雀力UP講座」から。

ドラのを、2巡目で切っているのが目を引きますね。

「いずれ切るのなら、早いうちに切った方がポンされにくい」という考え方は重要なので、覚えておきましょう。配牌時に誰かがドラを2枚持っていることは稀ですが、巡目が進むほど、可能性が増していくからです。

また、渋川プロが述べているように、ドラをポンされても、それほど悪くない場合も多いです。ポンした人を中心に対応すれば良くなりますし、他の人にはドラがないこともわかり、状況がシンプルになるためです。

ドラをいつ手放すか、あるいは持ち続けるかは、状況によって、上級者の間でも考えがわかれることが多いです。ひとまずは、「ドラを早めに切った方がよいときもある」ことを意識しておけば十分かと思います。

もう一つ、裏ドラの話をしましょう。
裏ドラは、リーチをかけてアガった時だけ見られるものです。安い手でリーチをしたら、思いがけず裏ドラが2~3枚乗ったラッキーな経験は、誰しもあると思います。

偶然性が高いので、第2回で紹介したように、競技麻雀では、裏ドラがないルールも採用されています。逆にいえば、初心者の方にとっては、偶然、実力者に勝つチャンスを運んでくれる味方ともいえるでしょう。

確かに、裏ドラが乗るのはたまたまですが、可能性を高めることはできます。
例えば次のようなとき。

 ツモ ドラ

のどちらかを切りますが、特に他の理由がなければ、落とすのはです。
が裏ドラになるのは、裏ドラ表示牌がのときですが、は自分で2枚使っていますね。その分、裏ドラになる確率が低いです。
(ただし、すでに場にが4枚とも切られているなら、が裏ドラになることは絶対にないので、の方を落としていきます)

チートイツの待ち牌を選ぶときも、裏ドラを意識します。例えばのどちらかを選ぶとき、他の条件が同じであれば、裏ドラになりやすい方にします。場にが4枚切られる一方で、は1枚もないとすると、が裏ドラになる可能性はないので、待ちにした方が有利です。

特定の牌が、狙い通り裏ドラになることはめったにありませんが(牌は34種類なので、単純にいえば34分の1、約3%です)、その有無が明暗を分けることもあります。

最近のMリーグでは、2021年4月15日の第1試合、雷電の黒沢咲選手がオーラスに「リーチツモ北」をアガリ、裏ドラを1枚乗せて、見事、3着からの逆転トップを決めました。試合経過はこちらをご覧ください。

もし裏ドラが乗らなければ、2着まででした。Mリーグでは、ウマ(順位点)とオカが大きく、2着と1着で40000点分もの差があります。裏ドラ1枚が、子の役満(32000点)以上の価値を生んだわけです。わずかな確率の差であっても、できるかぎり追求した方がよいのです。裏ドラを意識するかしないかで、長期的には、かなりの成績の差がつくと思います。

さて、この試合もそうですが、オーラスでは「他家との点差」が重要になります。次回は、その考え方をご紹介しましょう。

この記事のライター

藤田 明人
最高位戦日本プロ麻雀協会第43期後期(2018年入会)
兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、新聞社に入社。
記者を経て、教育事業部門で勤務。
麻雀が、幅広い世代の学びにつながることを研究しています。

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