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ネマタの第八期天鳳名人戦牌譜検討  第34回

ネマタの第八期天鳳名人戦牌譜検討 第34回

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ネマタの第八期天鳳名人戦牌譜検討とは
  • 『ネマタの第八期天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第八期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。

第1節1回戦B卓

▼対局者
多井隆晴
石橋伸洋
ASAPIN
小林剛

 次節(11月30日)まで期間が空くので、これまでの対局の中で気になった局面を取り上げていくことにします。

牌譜はこちら

 6ブロックにつき打としてもシャンテン変わらずのうえ、を残すことで678、789三色を狙うことができますが、をツモった時に打なら打で高めタンヤオ受けを残すことができます。うまく手変わりした時に高打点の目が残るとはいえ低確率、先制テンパイの価値が高い親ということもありここでは打でしょうか。浮き牌を残すことによる手変わりを意識できることは重要ですが、意識が向き過ぎるとターツやトイツを残すことによる手役がつく受け入れや変化を見落とす恐れがあります。

 6ブロックで受けも残るのでトイツ落とし。か(リャンメンが先に埋まってテンパイした場合もシャンポンよりはカンのイーペーコーに受けること、を浮かせてを引いても二度受けが残り、リャンメンを残すならイーペーコーを崩すことになるため変化としては弱いことから、どちらかと言えば河が弱くなりにくい端寄りの打としそうです。)となりそうですが、チートイツ2シャンテンを維持する打もあります。悪形部分が1つ埋まればテンパイ時にリャンメンが残る形なのですが、今回はメンツ手になった場合ほとんどのケースでタンヤオがつかなくなるので、打点差で両天秤に受ける打が有力とみました。

 が残り2枚になりましたが、イーペーコー目を残して打なら高めタンヤオも残ります。リャンメンが先に埋まった場合にカン待ちは特にアガリにくいと判断するならシャンポンに受ければよいので、どちらかといえば打としそうでした。

 第2回でも取り上げましたが、南家のが鳴かれていないことから一見は通りそうではありますが、を鳴けたけど鳴かなかった理由を想定することが可能で、もしそうならばは安全どころか高確率で西家に当たる牌になります。一方から打 チー打の手順から、は当たること自体を想定しづらい牌です。よってここでは打がよかったように思います。
 「当たるとすれば◯◯だが、◯◯しないから通る」ということは、逆に言えば何らかの理由で◯◯している場合は当たることになります。「◯◯しない」という読みが本当に適切なのか、特に読みが外れた時のリスクが大きい場合は慎重に判断する必要があるということを心がけたいものです。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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