Q64〜66
のリャンメンカンチャン絡みの問題です。メンツ候補を構成する部分が離れているので、リャンメンカンチャンは見落としやすい形です。
とは言っても機能としてはリャンメントイツと変わらないので、他の牌を残してリャンメン固定することも多い形です。Q65はリーチのみ悪形テンパイよりメンタンピン1シャンテンの方が強いので浮き牌残し。Q66はカンチャンリーチ三色よりメンタンピンの方が強いのでいずれもリャンメン固定となります。
「何を切るか」で覚えるより、「どんな手牌がよりよい手か」を覚えるようにすれば迷うこともかなり減ります。
Q67〜69
いずれも2メンツ形1シャンテンの浮き牌同士の比較。雀頭部分がメンツになってヘッドレス1シャンテンになった時の形を想定するのがポイント。多くの場合は雀頭をメンツにしやすい浮き牌を残すのが有利になります。Q67は打ツモで平和がつきやすくなるのでドラが雀頭になる変化を逃す打点的でメリットをカバーしているのもポイント。アンコの代わりに単独のシュンツであれば、ヘッドレス1シャンテンになってもあまりアガリやすくならないので、ドラ重なりを残す打がよくなります。
答えは一つでも、そこに至るまでの適切なアプローチは人それぞれなので一つとは限らない。これは何切る問題に限りません。
Q70〜72
浮かせうちをするかどうかの問題。メンツを作りやすい、あるいはメンツが出来た時の価値が高い方のトイツを外すことを「浮かせ打ち」、そうでない方のトイツを落とすことを「トイツ落とし」と呼んでいます。「トイツ落としの選択で、浮かせた牌にくっついた場合、残したトイツとは別の牌が切られる場合は『浮かせ打ち』、そうでない場合は『トイツ落とし』」が基本になります(現麻第14回)。
2トイツからトイツを切る場合は「浮かせうち」、3トイツからトイツを切る場合は「トイツ落とし」としても大抵の場合は成り立ちますし、その方が簡潔ではありますが、1→2シャンテン戻しのケースで単独のトイツしか1つしか無い場合は3トイツでも浮かせうちがよくなるので、ややこしいことは承知のうえで上記のような表現に留めています。言葉で覚えるくらいなら、一手先の形を想定して判断することをお勧めします。
理論を簡潔で具体的なものにすればするほど、成り立たない例外が増えて万能ではなくなります。逆に万能に近づけようとすればするほど、煩雑かつ抽象的なものになります。本書は前者、「現代麻雀技術論」は後者を目指したものとお考えいただければ幸いです。
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福地 誠 (編集)
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