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ネマタの戦術本レビュー第412回「大きく打ち、大きく勝つ麻雀 著:近藤誠一 その1」

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 何を切るかが問われている内容を中心に取り上げます。

 配牌からどこへ向かうのか

 7ページの手牌はあまりアガリやすい手とは言えませんが、手組のうえでより残す理由もないのでを切ります。重要なのは守備意識を持つことや、ツモ次第でホンイツの目があることを認識できることです。
 
 初心者のうちはとりあえず字牌や端牌から切ると習うことが多いので、ここからを切る守備意識が欠けている打ち手が多いということは言えるかもしれませんが、ここでを残した方がよいかどうかはまた別問題でしょう。

 8ページの手牌は1メンツも無いのでメンゼンではアガリにくく、メンツ候補がもう1組できればメンツ候補が揃うので端牌のがほぼ不要牌になります。手が進めばも切られることになるので、悪形ターツしか作らないよりは役牌の重なりを残します。

 が重なってもアガリに遠いところからはポンしない前提でも、が重なれば安牌を他に抱える必要性が下がるので、その分攻撃の手組に専念できるのではないでしょうか。

 10ページの手牌は アンコとピンズリャンメンがあるので、他で3メンツ作る必要がある一通にはなかなかなりません。共通の受けを比較すれば、打としてもツモなら巡目に余裕があるうちはリャンメン変化と三色をみてピンズペンチャンを落とす手もあります。この場合は先にペンチャンを落としていた方が若干有利です。

 しかしツモはどうでしょう。これならペンチャン残りとはいえ1シャンテンにとれる打の方が明確に有利です。満貫ツモ条件としてもリーチツモドラ裏でよいので、ペンチャン落としは満貫を跳満にするメリットがかなり大きいケースに限られそうです。
 
 12ページの手牌はホンイツを見据えて進めますが、相手に染め色を知られるのを遅らせるためだけにより先に切るのは疑問です。できれば高打点が欲しいとしても、引いてもメンツを切り飛ばした方がよいかと言われればそんなことはありません。

 相手への圧力に関しても、安手の他家だけ降りてしまい、結果的に高打点の他家の手が間に合ってしまえば逆効果です。重要なのはツモ次第でホンイツにもタンピンにもなるということを意識できることです。その意識が欠けている浮き牌から切る打ち手がいることは否めませんが、一気に染める手が最善かどうかはまた別問題です。

 14ページの手牌は打とします。三色は3メンツ候補揃っているので、うっすらではなくはっきり見えます。ピンズリャンメンもあるので三色か役牌以外の手役をつけにいくことはなかなかなさそうです。 三色ができるようなら三色以外のメンツ候補が作りやすくするに越したことはありません。

 ツモは嬉しいとまでは言えないかもしれませんが、を残すことによる、それよりマシなツモもありません。繰り返しますが守備意識を持つこと自体は必要ですが、あえて手を進みにくくさせて守備力を残すのが最善かどうかはまた別問題です。

  

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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