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ネマタの戦術本レビュー第419回「大きく打ち、大きく勝つ麻雀 著:近藤誠一 その8」

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どこまでも打点を追求する

 p72 最初の手牌にをツモった場合。平和が崩れても高めツモ跳満まであるなら流石に基本は完全1シャンテンにとるところですが、跳満手を倍満にするだけのメリットが大きい場合、が薄い場合に雀頭を固定しない選択も有り得ることは押さえておいて損はないです。

 p74 最後のをツモるか、何手も変化してタンピン系の手にならなければ高打点の手にはなりにくいので基本は1鳴きします。

 しかし仮にアガリ逃したとしても、結果的に2000点アガリで局消化するより都合がよいケースが結構あるような局面もあります。こういった場合はが出てもスルーして、タンヤオがつく強い浮き牌が2種できればをトイツ落とししていく手順もできるようにしておきましょう。

 p76の2番目の手牌は、タンヤオがつかないメンツ候補よりタンヤオがつく浮き牌でシャンテン戻しの打。これはシャンテン戻しが明確に有利なケースと言えます。

 簡単に高くなる手まで安くしてしまうのは、簡単に高くならないが、さほどアガリやすくもない手を無理に高くしようとすることより局収支上損になりやすいです。昨今打点重視の手組が見直されてきたのは、後者のケースでミスが増えても前者のミスが少ない打ち手の方が勝ちやすく、麻雀の経験が乏しい人が速度重視の手組から学ぶと、後者のミスはしなくても前者のミスが結構増えてしまうことにあるのかもしれません。

 p78 平和のみリャンメン×2の1シャンテンでは、先行されて危険牌を引けばすぐに降りることになります。ベタ降りするだけなら以外にも安牌があることが多いので、を抱えておくメリットは薄いです。

 一方、満貫以上が期待できるリャンメン×2の1シャンテンになれば、先行されても押し返すチャンスを残しやすいです。よって今回ののような強い浮き牌はなるべく残して手を進めます。

 80ページからの内容。悪形が残る形で、チートイツ1シャンテンにとっても手役がつくメンツ手変化を残せるなら、2シャンテンに戻してまでチートイツを見切ることはありません。

 p81のように、メンツの出来方によって切ることになるメンツ候補が変わる場合はメンツ候補オーバーに受けるのが有力になります。しかしp80の最初の手牌と異なり、平和になった場合は安手になりやすいので、チートイツ1シャンテンを優先するソーズリャンメン落としとの比較は迷います。少なくとも巡目に余裕のない段階なら1シャンテンには取ります。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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