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ネマタの戦術本レビュー第491回「新版おしえて!科学する麻雀 著:とつげき東北 編:福地誠 その13」

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第3章 良形先制でリーチすべきでない条件 

 13巡目の良形先制ダマの和了率が70%以上とありますが、巻末で多井プロが指摘されている通り実戦ではここまで和了が見込めることはなかなかありません。これは卓のレベルの差というよりはシミュレータの仮定に問題がありました。実戦ではダマにしたために他家が自由に手を進めてアガられることもありますし、終盤で手が入っていない相手からはダマにしてもアガリ牌は容易に出ないものです。

 そのあたりを踏まえたうえでシミュレートした結果によると、ダマ4翻リャンメンテンパイに関しては何と巡目によらずリーチが局収支で勝るとのことです。

 ではダマで満貫あっても何でもリーチがよいかとなるとそうではないでしょう。シミュレートでは局収支上有利とはいえ、元々高打点同士の比較なので誤差も大きくなります。この程度の差なら場況からダマなら比較的出やすく、リーチしたら比較的出にくいという理由でダマにした方がよいこともそれなりにありそうです。

 また、ややリードしているトップ目という前提で天鳳の順位点ベースで判断した場合は優劣不明という結果になっています。着順を考慮したうえでダマにするケースについてもやはりそれなりにありそうです。

 巡目が深い場合も実際にはダマにすることが増えると思います。何故なら河の情報量が増え、こちらの当たり牌を止めた他家が回し打ちからアガりきってしまう、あるいは流局テンパイを取られる可能性も高まるため、リーチに全員が降りたとしても流局時にテンパイ料を得られるとは限らないケースも増えるためです。

参考:ブログ「とりあえず麻雀研究始めてみました」より「両面ダマ4ハン手と端寄り待ちと中寄り待ち」

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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