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ネマタの戦術本レビュー第533回「片山まさゆきの楽勝麻雀 著:片山まさゆき  その13」

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Q18

 打

 ヘッドレス1シャンテン。中ぶくれ形は雀頭を作りにくいから打とされる方も多いと思いますが、中ぶくれ形を残してできるターツはいずれも雀頭を作りやすいので、基本的には雀頭が有る場合と同程度の価値があると思ってもらえれば結構です。

 今回もリャンカンと中ぶくれ形という異なる性質を持つ組の比較になるので、ソーズの4連形に着目してみます。ドラをツモってテンパイした場合は、比較的アガリやすいスジカンでリーチできる打(打)に分がありそうですが、ツモでテンパイした場合は、打なら打とテンパイを外して345三色とイーペーコー目のある手広いくっつき1シャンテンにすることができます。次巡にをツモったとするなら7巡目。高打点変化もあるのでまだテンパイ外しに分がありそうです。

 ソーズの4連形からリャンメンターツが出来た場合は、打としていればそこで打。打(打)ならマンズのリャンカンを外して、ピンズの中ぶくれ形からリャンメンターツができれば非常に手広いうえに良形テンパイになりやすいヘッドレス1シャンテンになります。これも巡目が早いうちなら後者に分がありそうです。

 よって、今回の条件なら打としますが、ツモでも局面的にリーチ有利と判断するなら打(打)を考えます。その中でピンズの中ぶくれ形の変化を待つ猶予がない、あるいは場況的に変化が弱いとみるなら打、そうでないと判断した場合は打にします。元々結論を出しにくい問題なので、必ずこれを選ぶと決めつけるよりは、ある程度の目安をつけたうえで、状況に応じて打牌を選ぶことをお勧めします。

Q19

 打

 は雀頭そばの浮き牌。他で雀頭が出来るとリャンメンができるという性質があります。打ならツモで良形×2以上の1シャンテン。3メンチャンや高めイーペーコーがあった4連形や中ぶくれ形の浮き牌と比べるとやや価値が落ちそうです。打ならツモの変化も残せます。

 をリーチ宣言牌にするとカンが読まれやすくなるというデメリットはありますが、ソーズのリャンカンを外してリーチしてもソーズ以外のリャンメン待ちと読まれやすくなることもあり、今回はどちらかと言えばリャンメン残しに分があるとみます。これも場況的にソーズが弱い、あるいは待ちが強いと判断した場合は打も考慮に入れます。

 リャンカン君がいいとこなしというよりは、同輩(あと1手でメンツになるという意味で)のリャンメン君が強過ぎるのです。1枚多く使うというデメリットが気にならないアガリに遠い段階であれば、リャンカンもリャンメンと同等に機能しているといってもよいでしょう。4連形や中ぶくれ形という才能のある後輩(あと2手でメンツになるという意味で)と比較されがちなのもリャンカン君の辛いところです。リャンカン君は超えられない才能の壁を何とか乗り越えようとしてきた努力の人。どうかリャンカン君を嫌いにならないで下さい(笑)

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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