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ネマタの戦術本レビュー第550回「片山まさゆきの楽勝麻雀 著:片山まさゆき  その30」

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Q51

 打

 リャンカンの真ん中を切る選択。実戦ではなかなかお目にかかれませんが、何切る問題なら小林剛プロが作成された問題、

が有名です。(『勝つための現代麻雀技術論』でも取り上げました。こちらは打としても打と比べて受け入れにロスがないので、打が正着と言い切って問題ないでしょう。

 今回は打とするとツモがテンパイ逃しになります。ツモのイーシャンテンも確かに魅力的ではあるのですが三色が崩れることも多いです。それよりは先切りで比較的出アガリしやすいカンリーチドラ1テンパイの方が勝るとみます。(「ツモアガリ確率計算機」(手変わり考慮)では巡目に余裕があるうちは打が有力とでましたが、大差ではないので自分の和了で相手の和了を阻止できる実戦においては打が無難とみます)

Q52

 打

 打、打に加え、打、打も考えられます。これまた迷う何切るです。

 打なら打に比べてツモの変化が残せますが、打でもツモの変化を残せますし、ツモで1翻高くなります。手変わりを経由してからテンパイするより、すぐにテンパイするケースの方がアガリに結びつくことが多いので、基本的には変化より目先の打点を優先した方がよいとみて打よりは打に分があるでしょうか。

 打ツモなら打ツモより1翻高くなりますが、ツモはドラ表示牌のカンと苦しいテンパイ形が残ります。打点はリーチして40符3翻。一方打の場合は待ちが残り、打点はリーチして高め30符3翻、安め30符2翻になります。

 悪形高打点側がリーチして3翻以下なら、低打点良形リーチより1翻+10符以上高ければ高打点に受けた方が局収支上は有利。それなら高め30符3翻になる今回は待ちが残る方が、リャンメンの中でも比較的アガリやすく高めが出やすいと、カンチャンの中でもアガリにくいドラ表示牌のカンの比較ということもあり有利そうです。

 打はツモなら最高打点が狙えますが、打との共通の受けであるツモはどちらかと言えば打に分があります。ツモこそ大きな裏目ですが、逆に言えばをツモった時以外は他の選択より有利になりやすいことから、基本的には打としそうです。

 ただしこれもルールや局面によって判断が変わりそうです。打とした時だけはツモの変化がないので、もっと早い巡目なら打が有力そうですし、に祝儀がつくルールならカンが赤を切って待ちと比べても劣らないとみて打としそうです。Q48と同様、シンプルにして奥が深い問題。局面に応じた選択ができるようになりたいものです。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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