- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。
第2章 1シャンテンに向かう考え方
case21 受け入れの狭い1シャンテンはテンパイが遠い
受け入れが狭い1シャンテンで、2シャンテンに戻すか、それとも狭いなりに1シャンテンに取るかは、メンツが完成した時の形で比較します。
牌姿1は打としてツモなら打。カンのテンパイを逃しますが4連形+中ぶくれ形のくっつき1シャンテン。しかもタンピン三色まで狙えます。これならアガリ率だけでなく打点でもシャンテン戻しが勝ると言えます。
牌姿2は打としてツモなら打。とのシャンポンテンパイを逃しますが4連形+のくっつき1シャンテン。今度はアガリ率ではテンパイ優位かもしれませんがタンヤオの1翻がつきます。ツモならなおのこと打が良いので、これもシャンテン戻しに分があると言えます。「役無し愚形テンパイになりそう」というより、「テンパイよりもいい1シャンテンになりそう」かどうかに着目することをお勧めします。
case22 チートイツからメンツ手に変えるとき
チートイツ1シャンテンのテンパイする受け入れは3種9枚のうえ、テンパイしても1種3枚の単騎待ち。2種8枚でテンパイするカンチャン×2の1シャンテンとアガリ率はそこまで変わらなそうです。リャンメンが揃った2シャンテンに戻せるなら、基本的にその方がアガリやすいと言ってよいでしょう。
しかし、チートイツは25符2翻役なので、単なる役無し愚形1シャンテンほどシャンテン戻しをすることは多くありません。牌姿1のように平和と高めイーペーコーで30符1翻〜2翻つくのであればチートイツの打点も補えるので、シャンテン戻しに分があると言えそうです。
本書ではチートイツ復活を考慮して打としていますが、そもそも打でをアタマにすると345三色が狙えません。打としても三色より安牌を優先した方がよいのであれば安牌を残せばよいのですから、先にツモで345三色が狙える打がよいのではないでしょうか。
牌姿1の形ならチートイツ1シャンテンを維持しつつ、ツモならタンピン三色1シャンテンにとる打も候補に挙がります。ツモ番が少ないほどシャンテンを戻す余裕がないことを踏まえると、中盤過ぎくらいからは打に分がありそうです。
麻雀技術の教科書
読めば勝率が上がる! すべての雀士必携! 新しい麻雀戦術書!
麻雀の打ち方は人それぞれです。
本書の著者の二人を比べてみても、井出プロは手役重視、
小林プロはスピード重視と、スタイルがかなり違います。
打ち方が正反対の二人に共通する考え方があれば、
それは、現代麻雀のセオリーといえるのではないか。
この問いから、本書は生まれました。
「アガリ方の基本を1冊に」
「複雑な牌姿でも、迷わず打てるように」
というのが基本方針ですが、
ルールを覚えたばかりの人でも読めるように
丁寧に解説することを心がけました。