大食い、クイズ以外で、幼少期に楽しみにしていた番組と言えばNHKの将棋の時間。私が将棋を覚えたエピソードは第164回でお話しましたが、今回はその時従兄から貰った入門書の思い出について。
「早わかり将棋なんでも入門」の名前通り、将棋のルールだけでなく、将棋関連の情報が「なんでも」書かれている本でした。思いつくだけでも
・戦法一覧
・囲い一覧
・定跡一覧
・手筋一覧
・詰将棋
・日本将棋連盟について(プロ棋士になるための仕組み)
・棋士紹介(記録、エピソード込み)
・棋戦一覧
・江戸時代の将棋の歴史
・本将棋以前の将棋(中将棋など)
・特殊ルールの将棋(八方桂、歩三兵など)
・将棋駒を使った他の遊び(回り将棋、山崩しなど)
…と実に様々。B6判で183ページの書籍にこれだけのコンテンツが詰められていたというのが驚きです。今はもう手元にないのですが、何年経っても読み飽きることがなく、それこそ表紙がボロボロにすり切れるまで読み倒したものです。
その一方、小学生の頃に買った麻雀の入門書は、ルールしか書かれていなかったこともありほとんど読んだ記憶がありません。今でも入門書の類は数多く見かけますが、一般的なルール以上のことが書かれているものはさほど多くなく、あったとしても将棋の入門書ほど充実しているとは言えません。
もちろん、先述の将棋の入門書は1ページの中に戦法が2つ3つと紹介されているというように、初めての人に読みやすい配慮がされていないという難点もありました。扱っているコンテンツも、今思えば大半の将棋ファンは知らなそうなマニアックなものも多々ありました。入門書としては、むしろ麻雀の方がよほど優秀なのかもしれません。
しかし、麻雀は長年遊んでいるけど、麻雀界の話となるとよく分からないという人が少なくないのも、こうした「入門百科」的な本が無く、本以外のコンテンツもそれほど充実しているとは言えないことに理由があるように思われます。麻雀観は人それぞれであってよいと思いますが、様々な麻雀観があっても、麻雀愛好家同士でもっと情報が共有されて欲しいというのが、私の切なる願いであり、こうして徒然なるままに記事を書き散らしているのも、その願いを願いのままで終わらせたくないという意志あってのことであります。