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卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第39回 打点をつくる(その1) リーチをかけよう

卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第39回 打点をつくる(その1) リーチをかけよう

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英語版のウィキペディアに、「Japanese Mahjong」という項目があります。
Yakitori(ヤキトリ)やShūgi(祝儀)などマニアックな説明もあって興味深いのですが、最初の一文は

Japanese Mahjong , also known as riichi mahjong,is a variation of mahjong.
(リーチ麻雀としても知られる日本の麻雀は、麻雀の一種である)

です。中国の麻雀にはリーチがなく、リーチは、日本の麻雀の最も特徴的なルールの一つとして認識されているのですね。アニメやゲームなどの普及を通じて、海外でもリーチ麻雀の愛好家は増えており、大会も開かれています。

今回から「打点をつくる」をテーマにご紹介しますが、リーチは、そのための最も有力な手段です。
麻雀を覚えたてのころ、「とりあえずテンパイしたらリーチをかけろ」と言われると思いますが、この教えは中級者や上級者になっても、基本は変わりません。

その理由は、リーチには次のような大きなメリットがあるからです。
1 手役がつく(他に役がなくてもリーチをかければアガれる)
2 打点があがる(一発や裏ドラが期待できる)
3    他家を警戒させ、進行を遅らせる(その分自分がツモれる可能性が上がる)

特に大きいのは2の「打点があがる」です。
役なしでリーチしたら「リーチ・一発・ツモ・裏ドラ」で満貫になることもあります。
その破壊力があまりに大きいので、ゲームバランスを崩すという意味で、リーチは「壊れ役」「バランスブレイカー」などと呼ばれることもあります。

一方で、リーチはあらゆる役のなかで、最も出現頻度が高い役でもあります。これを利用しない手はないですね。もし私が初心者のときに、実力者3人と1日卓を囲むことになったら、最速でテンパイを目指しリーチする作戦にかけます。あれこれ策を練ってもかなわないので、とにかく数多くリーチして、一発や裏ドラが乗ることを祈ります。運が良ければ、半荘1回ぐらいは勝てそうです。

基本的には、「とにかくリーチ!」という方針を徹底しましょう。
特に、待ちが良形(リャンメン待ち以上)であれば、アガれる期待が大きく、リーチしない方がよい場面はほとんどありません。

では例外的に、リーチをしない場面は、どのような時があるでしょうか。
リーチのデメリットを考えてみましょう。

1 1000点供託しなければならない
2 リーチ後は手牌を変えられず、さらに高い手になる可能性を失う
3 リーチ後は手牌を変えられず、反撃を受けてもおりられない
4 他家を警戒させ、アガリにくくなることがある

です。

1の1000点の供託は、あまり気にしすぎなくて良いですが、何度もリーチを打って空振りに終わると、ボディーブローのように効くこともあります。
また、オーラスで自分が3着目、ラスとは500点差のような時は、1000点棒を出すと、いったん自分がラス目に落ちます。順位点を失うリスクが大きいと、リーチをしない選択肢も生まれます。

2は、次のような手のときです。

[一][二][三][六][七][八][③][④][⑤][⑥][6][6][6] ドラ[五]

このまま[③][⑥]のノベタン待ちでリーチできますが、他の役はないですね。
この先、もっと発展できないか考えてみましょう。

[四]を引く→[一]を切ってタンヤオになる
[五]を引く→[八]を切ってドラが増える
[②]を引く→[6]を切れば[①][④][⑦]待ちになり、ピンフもつく
[④]を引く→[6]を切れば[②][⑤]待ちになり、ピンフもつく
[⑤]を引く→[6]を切れば[④][⑦]待ちになり、ピンフもつく
[⑦]を引く→[6]を切れば[②][⑤][⑧]待ちになり、ピンフもつく
[5]を引く→[③][⑥]を切れば、[4][5][7]待ちになり、[4][7]ならピンフもつく
[7]を引く→[③][⑥]を切れば、[5][7][8]待ちになり、[5][8]ならピンフもつく

このように、嬉しい手替わりが8種類もあります。
これだけ可能性があると、リーチをせずに発展を待つのもよさそうです。

3の「おりられない」は、リーチの最大の弱点かもしれません。
例えば親が[発][中]をポンしているとします。
大三元の恐れがあるので、[白]は切りたくないですよね。

が、ここで自分がリーチすると、その後[白]をツモっても、切らざるをえません。
自分の手に、そこまでのリスクをおかす価値があるか、慎重に考える必要があります。

役満は極端としても、他家がドラをポンしてテンパイ気配だったり、明らかにチンイツが仕上がっているような場合も同じです。

4は、他家がおりてしまい、アガリ率が下がる問題ですね。「ダマテンにしていたらアガれていたのに…」と悔しがる経験は誰しもあると思います。

この問題は、自分の手の高さと関係があります。

もし自分の手が安ければ、他家がおりて流局すれば、3人からテンパイ料をもらえて、まずます良いといえます。

しかし、自分の手が高ければ、テンパイ料だけだと不服ですよね。例えば、ダマでアガっても満貫以上の点数があるときは、リーチしない選択肢も生じます。

また、局を進めたいときも、リーチしないときがあります。
例えば、南2局で大差でリードするトップ目。ピンフのみをテンパイしました。
リーチをして1000点を2000点にするメリットはあまりなく、ダマでさっとアガって局を進めた方がよいでしょう。

まとめると、
基本的にはほとんどリーチ!(特に良形待ちのとき)

例外として
・1000点を出すととても痛いとき
・手がまだ発展しそうなとき
・他家が高い手を仕上げていそうなのに対し、自分の手は安いとき
・ダマでアガっても高いとき
・打点よりも、早くアガりたいとき(局を進めたいなど)
は、リーチしないことを考えることになります。

麻雀ウォッチッ動画では、
愚形のリーチ判断【魔神・渋川難波の雀力UP講座 #21】

がわかりやすく解説されていますので、ぜひご覧ください。

実のところ、リーチ判断は、上級者の間でも考え方がわかれる奥深いテーマです。
自分の手が同じ形でも、東1局かオーラスかでは判断が変わりますし、巡目や周囲との点差などにも影響を受けます。

まずは臆せずリーチをかけてみて、「リーチをかけたことが明らかにマイナスだった場面」を経験し、ご自身なりのバランスを築いてみてください。

また、応用編ですが、リーチのメリットとしてもう1つ、リーチをかけた方がむしろ出アガリしやすくなることがあります

プロのなかで、あまりリーチをしないことで有名な方の1人に、井出洋介プロがいます。
一度対局の機会を頂いたとき、井出プロがリーチをかけてきました。
貴重な場面を目撃できたなあ、と感激しつつ、手元に確実な安全牌がありません。

井出プロの河をみると、序盤に[8]が切られており、それを頼りに[9]を切りました。
序盤に切られた牌の外側の牌は、比較的安全だからです。

序盤に[7][8][8]を持っている人は、[8]が暗刻になる可能性があるので、いきなり[8]は切りにくいだろう。だから手の中に[7][8]が残っていることは少ない。

また、序盤に[8][9][9]を持っている人は、[7]を引けば面子になるので、いきなり[8]は切りにくいだろう。だから手の中に[9][9]が残っていることは少ない。

よって、[9]はリャンメンでもシャンポンでも当たることは少ない、という理由です。

が、ロンと言われ、開かれた手を見ると789のリーチ純チャンピンフ三色。[6][9]待ちで、[6]ならリーチピンフだけのところ、[9]のド高めに放銃してしまったのでした。

これは、序盤に[8]を切っているので、「リーチをかけた方が[9]が出やすくなる」という判断ですね。もし他家の手の中で[9]が機能していたら、ダマテンにしていると[9]は出てきません。が、リーチをかけて自分の河にスポットライトを当てることで、釣り出せる可能性が増すのです。手痛い振り込みでしたが、とても勉強になった一局でした。

井出プロは2021年3月、「麻雀最強戦2021」のプロ代表決定戦「因縁の血闘」を勝ち抜いていますが、この日もリーチとダマテンを巧みに使い分け、優勝していました。

リーチとダマテンを使い分け井出洋介がファイナルへの切符を手にする!/麻雀最強戦2021 因縁の血闘


決勝では、東3局の親番で

[二][二][四][五][六][六][七][八][⑤][⑥][⑦][3][3]

のシャンポン待ちでリーチし、一発で[3]をツモ。「リーチ・一発・ツモ・タンヤオ」で4000オール(12000点)に仕上げています。

リーチしていなければ「ツモ・タンヤオ」で1000オール(3000点)ですから、9000点もの差があります。リーチの破壊力が如実にあらわれた一局でした。

上の形は、[三][2][4]を引けば好形待ちになってピンフもつくのですが、先に[一][1]を引くと微妙で、タンヤオもなくなってしまいます。また、他家の河などを見て、[二][3]をツモれる確率がある程度見込めると判断されたのだと思います。

放送対局を見ながら、「なぜ愚形待ちなのにすぐにリーチしたんだろう?」「なぜテンパイしたのにダマテンなんだ?」という視点で考えるのも勉強になりお勧めです。

次回は、タンヤオについて考えます。

この記事のライター

藤田 明人
最高位戦日本プロ麻雀協会第43期後期(2018年入会)
兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、新聞社に入社。
記者を経て、教育事業部門で勤務。
麻雀が、幅広い世代の学びにつながることを研究しています。

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