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「ドリブンズのlast one mile 長く険しい1週間 第2部」赤坂ドリブンズマッチレポート

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2月11日 第79節、第80節。

 

この日のオーダーは園田賢の2連闘。

越山「やっぱり混みあった展開では何でもできる園田だなと。できることのレンジが広い、言うなればポリバレント(多価)な存在。攻めも守りもリーチも仕掛けも。屈託なくあらゆる選択を取れる選手こそ最後にふさわしいと思った。」

それで言うと、鈴木たろうもポリバレントな存在であるように思う。2人の違いはなんだろうか。

越山「たろうさんはよりポイントをプラスの方面へより大きく持っていく自在性や想像力に長けている。対して園田は着順を1つでも上にとか、ターゲットの相手の順位を一つでも下に、というドライさがより強い。この状況には園田の自在さの方が適しているな、と。」

少なからずエースの園田で負けたら仕方ないという思いもあったのではないだろうか。

越山「いや。エースで負けたら納得、なんて全く思わないよ。エースっていう肩書きは免罪符ではないし、そんな精神論で出場選手は決められない。この状況の最善が園田だと思ったからの起用だし、納得なんてできないし、これで負けたら自分の責任だという覚悟があった。だって大三元放銃した次の試合だよ?そこで再度選手起用して負けたらそれは批判の対象で然るべきでしょ。」

しかし状況は悪化の一途をたどる。南場の親が落ちた状態で1000点持ちの4着目。もはや4着は受け入れざるを得ない状況。

さらにこの南2局1本場に信じられない光景を目撃した。

松本吉弘選手からリーチ・一発・チートイツをアガった際、

園田「6,400。――――あっすみません、6,700。」

私は園田が本場の計上を忘れるところを初めて見た。普段は絶対にそのような見落としはしない。

ここに来て園田のメンタルが正常ではないような感覚に襲われた。その感覚は監督も同じであった。

越山「園田を連続で使う予定だったけど、この瞬間初めて迷った。村上さんやたろうさんが『俺を出してくれ!』って言ってきたら、そうしていたかもしれない。2人とてそんなことを言いだせるような状況ではなかったけどね。ただ、次の予選最終ゲームに園田が普通の精神状態で臨めるかを判断する材料がこの時点で僕にはなかった。とにかくその判断材料は、試合後にクラブハウスに戻ってくる園田と会う以外にはなかった。」

対局から戻ってきた園田の顔を見て越山は続投を決めた。

越山「起用の理由は同じ。競った局面でのポリバレントさ。さっきも話した通り、普段できる当たり前のことができなくなるような精神状態になっていないかだけが不安だったけど、賢ちゃん(園田)はファイティングポーズを取った。GOだ。そう思った。」

ただ結果だけが無情。2局連続で萩原聖人選手への裏3放銃でハコ下寸前に追い込まれる。

開幕以来初めて対局中に天を見上げた。どの放銃も全て麻雀としての出来事。十分に起こりえることだった。しかし園田のメンタルが崩壊しかけている。もういつも通り打てないのではないか。そう感じずにはいられなかった。

しかしエースの園田はそんな杞憂をプレーで吹き飛ばしてくれた。

 

松本選手の親リーチに対して追いかけリーチとした萩原選手、そのリーチ宣言牌のを園田はチーした。

園田「トータルポイント的にも素点ですらこれ以上点棒を削られたくなかった。無理なく取れるテンパイや456の三色でのアガリ取ってやろうと思って。この状況での最善だと思った。」

結果的に横移動で終局したが、こんな時でも園田はいつも通りだった。全くもっていい意味で。

 

この後、南3局と南4局で連続でアガり、なんとか3着でこの半荘を終えた。

越山「ひとまず安堵の気持ちが大きい。4着→4着という最悪のパターンだけは避けられたから。あとは他チームの結果を待つのみ。仮にこれで負けたとしても、叩かれる覚悟はできてた。あいつ、園田ばっかり使いやがってってね。」

第三部へ続く

この記事のライター

阿部 柊太朗
最高位戦日本プロ麻雀協会所属。
関西を中心に活動している95年生まれのゆとり世代。
Mリーグでは赤坂ドリブンズの記者として活動中。
目指すは未来のMリーガー!

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