2022年3月11日(金)Mリーグレギュラーシーズン90日目が行われ、セミファイナルシリーズ進出チームが決定した。
レギュラーシーズンは中盤からドリブンズ、雷電が大きく沈んだところから抜け出すことができず、上位6チームプラスでセミファイナルが開幕することとなった。
Mリーグが開幕して4年目、かつてない僅差でスタートすることになった今シーズンのセミファイナル。16試合はどのような展開になるのだろうか。
過去3年を含め、Mリーグの全試合を見届けてきた編集部にてセミファイナルシリーズの展開予想を行った。
編集部員紹介
ぞう:社歴が一番長い
ぺんぎん:社歴が二番目に長い
はむすたー:ぺーぺー 今回の進行役
レギュラーシーズン感想 最終日の盛り上がり方に感動!でもドリブンズが心配……
はむすたー(以下:はむ)「今年も90試合のレギュラーシーズンが終わりました。率直な感想はいかがですか?」
ぞう「そうですね~。6人の新人選手がどう活躍するかで、各チーム明暗が分かれたかなという印象です。格闘俱楽部は伊達さんが活躍して初めて首位に立ったということもあったし、風林火山も松ヶ瀬さんが5連闘、加えてポイントもしっかり稼いでいたよね。逆に雷電は本田さんが思うように振るわず、厳しい展開だったなと」
「早々にドリブンズと雷電の2チームが大きなマイナスで沈んでしまったこともあって『最終戦までどのチームが残るのかわからない』という展開にならなかったので、チーム戦としての盛り上がり方は過去3年と比べるとそれほどではなかったと思います」
ぺんぎん(以下:ぺん)「雷電が圧倒的に苦戦していて、どこを目標にして打てばいいのか、という状況になっていくのが見てて辛かったですね」
「チーム戦としては上位6チームがセミファイナル進出ほぼ確定のまま終えたレギュラーシーズンでしたけど、MVPを争う瑞原さん、沢崎さんの直接対決という、個人戦の見どころがあった最終戦でしたね。サクラナイツの森井監督が作ったってかんじですかね。事前告知はすごく面白いなと思いました」
?#Mリーグ 2021-22 出場予告?
— KADOKAWAサクラナイツ? (@kadokawa_sk) March 10, 2022
レギュラーシーズン最終日となる3月11日(金)は、第1試合に #堀慎吾 選手、第2試合に #沢崎誠 選手が出場します。
目指すはレギュラーシーズン1位&MVP奪取!!!!
皆様、応援よろしくお願いいたします? pic.twitter.com/CCwHHo2qun
はむ「そうですね。個人戦で白熱する最終日は初めてでしたね。しかも瑞原さんと沢崎さんは今シーズンでは初めての直接対決だったんですよね~」
「瑞原さんも出場しない方が、MVP獲得の確率が高いと分かっているうえでのあの戦い。そしてMVP獲得ということで、ファンも納得というか、非常にファン心理を突いた起用、試合展開、結末だったと思います。沢崎さんが真っ先に『おめでとう』と握手を求めたのも印象的でした」
ぞう「それにしても、これでドリブンズはレギュラーシーズン4年連続マイナスなんですよね。毎年優勝候補に挙げる人が多いチームの一つではある。実際1年目は優勝しているけれども、そんな中でもこの成績は、果たして単なる“下振れ”と言っていいものか……」
「4年間レギュラー360試合でトータル500くらいマイナスしている事実がある以上、それをどう修正していくのか来季に向けて気になるところかな」
はむ「確かに、私も毎年ドリブンズは優勝争いに食い込むだろうと思ってみているんですけどね~」
ぞう「それだけ、ドリブンズの選手の実績が凄いっていうことなんだよね。個々人の実績と評価がこれだけあるにも関わらず、Mリーグでこの結果なのは不思議だよね……」
ぺん「生涯という意味での長期的な成績を考えると、ドリブンズの選手それぞれの実績は評価せざるをえないわけですが、毎年優勝チームを決めるMリーグは、レギュラーシーズン90試合あるとはいえ、期間が決まってますからね……」
ぞう「戦術における極端な変化は難しいかもしれないけど、その他で新しいアプローチが必要かもしれないよね。例えば、選手の起用はローテーションじゃなくて、風林火山みたいに、松ヶ瀬さん連闘みたいな極端な采配をするとか」
はむ「あー、風林火山はローテーションというより、どこのチームと戦うかで采配をしていた感じはありましたね。例えば松ヶ瀬さんはMリーグが始まる前から、園田さん、村上さん、たろうさんと私設リーグでも戦う機会が多かったし、多井さんは同じ団体だし、確実に亜樹さん、瑠美さん、勝又さんよりも彼らとの対戦数が多いはずだから、人となり、打ち方もわかっている松ヶ瀬さんを積極的に起用していたのかな」
「もしかしたらの話ですが、風林火山はドリブンズと当たる日は、丸山さんが起用回数が少ないのはわかってますから、園田さん、村上さん、たろうさんとの対戦経験が多い松ヶ瀬さんを積極的に当てようと思っての采配だったかもしれませんね」
ぞう「なるほど。実際のところどれくらい対決したのかな?」
ぺん「松ヶ瀬さんはレギュラーシーズン28戦出場していて、ドリブンズと当たったのは合計17回ですね。ドリブンズに対しては377.7ポイント勝ってます」
「ちなみに風林火山の中で2番目に登板回数が多かった勝又さんは23戦出場して、ドリブンズと当たったのは11回でした」
「松ヶ瀬さん、他のチームとの対戦回数、格闘俱楽部だけ15回当たっていて、その他のチームとは10回程度でした。ドリブンズ全員に対して勝っているのはいるのはたまたまかもしれませんが、もしかしたら戦略として、ドリブンズが出るときは意識して松ヶ瀬さんをぶつけていた可能性もあるかもしれませんね」
編集部感想:チーム順位変動的な面白さは過去に比べると少なかったが、個人戦はアツかった。ドリブンズの来季の方向性が気になる。
16試合の短期決戦。各チームの戦略比重はラス回避に?
はむ「ドリブンズのことばっかりになっちゃいましたが……。とにかくセミファイナルに進むのはこの6チームで、かなり僅差の状態でスタートするわけですが、どういう試合展開になると思いますか?」
ぞう「ほぼリードはないものだと思って戦うと思うな~」
「あとはレギュラーシーズンに調子が悪かった人がどれだけ活躍できるか注目ってかんじですね。レギュレーション的にPiratesはここで負けると1人強制的に入れ替えなのもあるし。その点でいうと成績が振るわなかった石橋さんがどう戦えるかも気になるね」
はむ「えっと、Piratesの入れ替え対象は石橋さんという認識なんですかね……?」
ぺん「朝倉さんのレギュラーシーズン通算成績がマイナス189で、石橋さんがマイナス806なので、数字上は、入れ替えがあるとしたら石橋さんになるのかなと思います」
ぞう「ただ、石橋さんはポストシーズン強くて、Piratesの優勝に貢献したのは間違い無い。活躍して、PiratesはMリーグ初のチーム2度目の優勝を飾ってほしいですね」
「瑞原さんもMVP獲ったし、モチベーションは高そうですけどね」
はむ「風が吹いてますね」
ぺん「これくらいポイントが競っているなかで、6チームのうち4チームに入るってなると、トップをとるよりラスを回避することの方が大事なのかなと思います」
ぞう「生き残ることが大事だもんね」
ぺん「PiratesとABEMASはレギュラーのトータルのラス回避率が抜群なんです。Piratesは79.4%、ABEMASは78.6なので、この2チームは残りやすいと思います」
はむ「トップをとるより、ラスを引かないことを考える戦いになるってことですか?」
ぺん「このセミファイナルに関してはそうなりやすい気はしてます」
ぞう「そうなる可能性はあるね。レギュラー終盤の時点でも、例えば寿人さんだけど、普段だったらもっとブクブクに構えて最速でテンパって愚形でもリーチしてそうなところを、スリムにしているのを見ると、ポイント状況的にラス回避を意識していたんじゃないかなぁ」
はむ「なるほど。一回でもラスを引くとゼロポイント付近、マイナスになってしまうし、そうなると他チームからマイナスをそのまま背負ってくれって感じで狙われちゃいますもんね」
ぞう「まぁでもそれはラス回避が有利だという、全員の認識が同じならという場合の話だけどね。天鳳とか雀魂だとプレイヤー同士にラス回避の認識が生まれるから成立するけど」
ぺん「Mリーグは普段トップどりがめちゃくちゃエライルールだけど、セミファイナルで4位以内に入って生き残らなければならないっていう状況だと、負債を増やさないことが重要だと思います」
はむ「現状6位と5位ですらプラスポイントだし、上位陣を見ても絶対にトップをとらなくちゃいけないポイント差ではないですもんね。マイナスを作らない決着にしたいって思う試合が多いかもしれないってことですね」
編集部予想:ラス回避が重要視される展開になる。
色々いったけど結局セミファイナルに残るのは!?
ぞう「とりあえずPiratesとABEMASは残りそうな気がするな。あとは、風林火山が、監督の藤沢さんが極端な采配をして残る。それにあわせてサクラナイツも、レギュラーシーズン調子のよかった堀さんと沢崎さんを使いまくってファイナル進出しそう」
「フェニックスと格闘俱楽部がチームカラーと監督的に極端な采配をするかどうかっていうのは、今までの戦い方を見る限りなさそう」
「でも寿人さんの調子があがってきたこともあって、格闘俱楽部はファイナルに残ったらめちゃめちゃ爆発して優勝しそう」
ぺん「寿人さんは初年度に途中393.9のマイナスを叩いてでサクサク、なんていってましたけど、結果37試合出てファイナル残ってましたしね」
はむ「格闘俱楽部は振れ幅が大きいチームという印象ゆえに、セミファイナルを突破するかはわからないけど、ファイナルに残ったらぶっちぎり優勝しそうなイメージありますね」
「ぺんぎんさんはどのチームが残るとおもいますか?」
ぺん「やっぱりPiratesとABEMASの2チームは堅いですね。その2チームは若干ながらリードしているのもあるけど、さっき言ったトータルのラス回避率の数字を見ても、この2チームは残りやすいと思います」
ラス回避率:Pirates79.4%、ABEMAS78.6%
「あとの2チームを選ぶとするなら……。セミファイナルは16試合の短期決戦なので、好調な選手がいるチームが強いかな。沢崎さん堀さんがいるサクラナイツと、滝沢さん、伊達さんがいる麻雀格闘倶楽部ですね。格闘俱楽部は寿人さんが復活してきているのもありますし」
はむ「私もPiratesとABEMASの安定感を見ると、この2チームは進出しそうで、あとは寿人さんが調子戻ってきたこともあって、好調な伊達さん、滝沢さんに続いて爆発した格闘俱楽部が残るんじゃないかなと思います」
ぞう「フェニックスは茅森さんの高打点が印象的だったけど、それ以外の選手の不調っぽい感じを見ると、安定した成績で突破できるかというとうーん、って感じかなぁ」
編集部予想:Pirates、ABEMASが残る。風林火山、サクラナイツは采配次第。格闘俱楽部は寿人さん次第。
セミファイナルの見どころ
ぞう「起用方法かな。風林火山がレギュラーの松ヶ瀬さん5連闘みたいな極端な起用方法をするかしないか気になりますね」
「起用方法に関してはファンから色々な意見も出ていた今シーズンだったね。それに関して、今はチームを応援する、というより選手個人を応援している人の方がまだ多いと思ってる。選手が移籍したらその選手個人についているファンがそっくり移動する状況ではなく、采配でもチームとしてのカラーを出す感じになればいいな」
ぺん「過去稀に見る僅差なので、最終日は全チーム条件が入り混じる、どこが残るかわからない展開になるんじゃないかと思います」
「あとは、各チームレギュラーで3桁負けている選手がいるので、その選手が活躍できるかというところも注目ですね」
はむ「最後は全チーム条件が残るくらい、混戦してほしいですね~」
以上、麻雀ウォッチ編集部でした。また、こちらの予想はあくまで編集部内での見解です。ご承知のほどよろしくお願いします。
間もなく始まるセミファイナルシリーズ。16試合の先にあるファイナル、そして今シーズンの頂に立つのはどのチームなのか!?今年も最後まで目が離せません!
「朝日新聞Mリーグ2021-22 セミファイナルシリーズ」1日目 EX風林火山 vs 渋谷ABEMAS vs セガサミーフェニックス vs U-NEXT Pirates