第1章レッスン5 安全エリアを見極めろ
序盤の「外側」とありますが、片無スジ456については内側でも同様のことが言えるので、「またぎ」、「またぎスジ」と言う方が正確です。内側が安全エリアになるケースは慣れていないと見落としやすいです。
序盤に切られたまたぎの放銃率について、『科学する麻雀』では、「スジほどあてにならない」とされていました。しかしこれは「序盤のまたぎ」の放銃率を、「序盤のまたぎ含む無スジ」と比較して算出された結論でした。「序盤のまたぎ」と、「序盤のまたぎ以外の無スジ」を比較すると「序盤のまたぎ」がより安全であると分かり、特に早い巡目のまたぎについてはスジ37以上に安全になると示されました。
ただし、本書で指摘されている通り放銃率が変動する要素が色々あります。単に「序盤」というよりは、「リーチまでの手出し回数が多いほど」安全という方が正確です。
先切りを多用する打ち手、先切りが有力になりやすい手役狙いの河については、序盤から中張牌が切られることが増えます。中張牌が多く切られるとそれだけ通っているスジが多くなるので、通っていない無スジは序盤のまたぎであってもさほど安全とは言えなくなるとも考えられます。通っているスジが多い場合は、無スジが当たらない理由より当たる理由を優先的に考えるようにすれば先切りに引っかかることも減らせるのではないでしょうか。
参考:ブログ「とりあえず麻雀研究始めてみました」より「四人麻雀計算機その39・序盤外側と5切りの危険度」
レッスン6 ウラスジの嘘と真
「裏スジ」は危険でないと言われたのも『科学する麻雀』からですが、「裏スジ以外の無スジ全体」と比較して特別危険ではないという意味であることに注意が必要です。「序盤の裏スジ」と、「序盤のまたぎスジ」の比較であればもちろん前者の方が放銃率が高くなります。
無スジ全体と比較して危険と言えないのは本書で指摘されている通りリャンメン以外の待ちについてはむしろ通りやすくなることが多いためです。逆に言えば、リャンメン待ち以外が通りやすくなる効果の影響を受けない序盤の5切りに対する19牌については、通常の無スジ19よりも危険になります。具体的にどの程度放銃率が上がるかについては、レッスン5のリンク先以外に『統計学のマージャン戦術』でも記載されています。
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「これはどうしても優劣がつかないときだけ使う読み」といった、実戦的な判断まで考慮した内容になっています。
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