- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第1章 セオリー2
セオリー2 序盤に切られた牌のまたぎについては、『統計学のマージャン戦術』149ページを参照すると、28牌、37牌については中盤までは同じ数牌のスジ全体より安全。19牌についてもスジ19ほどではないにせよ、スジ28全体よりは放銃率が低くなります。スジ全体は「宣言牌のスジ」も含むので、宣言牌以外のスジとの比較なら、本書の記述通り、同じかやや安全程度に留まるものと考えられます。
ただし、テンパイ以前に135から5を切ることはあまりありませんが、334から3を切ることはよくあること。序盤からリャンメン固定を多用する打ち手も少なからずいます。スジは条件次第でかなり通りやすくなりますが、序盤のまたぎというだけでは、かなり通りやすいとまでは言えなさそうです。本書の記述通り、序盤だから安全というよりは、その牌が切られてからリーチまでの手出し回数が多いというのが正確なので、微妙な危険度の比較をするうえでは手出し牌を確認しておく必要もあります。
序盤に切られた牌のまたぎを待ちにしてリャンメンリーチを打てれば、通常のリャンメンリーチに比べアガリ率が10%程度高くなっています。こうなると先切りがかなり効果的に見えますが、あくまでうまく先切りした部分が待ちになった場合の話。1シャンテンの先切りはテンパイ率を落とすデメリットも大きく、それ以前の先切りはそこが待ちとして残る可能性が低いです。迷彩を施す理由のためだけに先切りするのは、やはりあまりお勧めできません。
しかし本書で言及されている通り、手作りや安牌残しという観点でリャンメン固定を選ぶケースは多々あります。そのうえでリャンメン固定するかどうか微妙なケースなら、テンパイ時の出アガリやすさも考慮して先切りが有力と考えてもよいのではないでしょうか。相手を引っ掛けてやろうと思うのではなく、手牌と局面に応じた先切りを意識していれば、自然と他家に読まれにくい河になることも増え、「相手に対応させられる」一目置かれる打ち手になれるでしょう。
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