- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。
SYSTEM85
誰も鳴いている人がいない場合はもちろん、誰かがタンヤオ牌以外を仕掛けている場合も、不要な役牌は先切りが基本です。放銃しなければさほど損失にならないというのもありますが、ホンイツやトイトイ狙いに関しては、役牌を1枚だけ持って後から重なりを狙って仕掛けを入れている可能性もあります。
しかし河や仕掛けた相手の打ち筋から、メンツ候補が足りているところからの仕掛けが濃厚であると判断できるとなれば事情が変わってきます。
鳴かれてアガられると高打点(子なら満貫以上、親なら3翻以上)が確定する場合は、絞ることでよほどアガリ率を落とす手組でもなければ絞る方がよいとみます。仮に絞った結果別の他家がアガったとしても、仕掛けた他家にアガられた場合より損失が少なくて済むことが多いためです。自分の手が高打点を狙うのが難しい場合は、なおのこと絞りに分があるとみます。
鳴かれてアガられても安手の場合は、むしろ自分が高打点を狙える手(ただし鳴かれると先手を取るのが難しい程度にアガリには近くない)こそ絞りを考慮します。安手横移動であってもアガられる損失が大きいのは、自分のアガリの価値が高い場合です。局が流れると着順上昇が難しくなる南場の親番等も同様のことが言えます。
まとめると、鳴かれる可能性が今後更に上がるような場合は絞らない。現状鳴かれやすい場合は放銃した場合と被ツモ、横移動の場合の損失を比較して、前者と後者で大差ある場合も絞らない。そうでなければ絞りを考慮することになります。絞るのはある程度条件が揃っている時なので、基本は本書の通り、自分が行ける可能性を増やすうえでも絞らず先に切ってしまうことをお勧めします。
SYSTEM86
下家が染め手で3フーロしていて、別の他家が染め色の牌を切って通ったからと合わせ打ちしたら4フーロされて跳満をツモられてしまいました。3フーロならテンパイしているものと思い込んで、鳴かれることを全く意識していませんでした。
本書のように自分のアガリのために有利な選択をとったうえでの結果なら、チンイツで4フーロされても何ら気にする必要はありません。しかし私の場合は仕掛けに降りていたのですから、単純に染め色以外の牌を切るべきでした。鳴かれて高い手をアガられること自体はやはり損失以外の何ものでもないので、リスクに見合ったリターンがあるかを踏まえたうえで判断するようにしましょう。
SYSTEM87
本書のコラム11の表現を借りるなら、「キレイな打ち手」は、参加した時の勝率は高いけど参加率自体が低い打ち手。「ウザい打ち手」はまさに参加率の高い打ち手のことです。
参加率という概念が希薄だった頃は、参加した時に勝率が高い方が強いような印象を持っていた方も多いのではないでしょうか。私自身も、高くて綺麗な手をアガる人こそが強者だと思っていましたが、毎回そう都合良く綺麗な手が入るわけではないのが麻雀。「何をしてくるか分からない」というよりは、どんな手段を使ってでも加点のチャンスを見逃さない打ち手こそ強者であると言えるでしょう。
しかし、昨今では参加率の高さの重要性が十分浸透してきたので、「ウザい打ち手」の方が、むしろマニュアル通りの麻雀と揶揄されることも増えました。参加率が高さだけでなく参加した時の勝率も高い、「ウザくてキレイな打ち手」を目指したいですね。
麻雀勝ち確システム
1巡でも早く敵を押さえつけ自由に打たすな!!システムだけで天鳳最速十段、2年連続関東最強位の山越貴広さん(@yamakoshitenhou)によるプロが書けない異端の戦術!!
限りなくシンプルに、すぐに取り入れられる戦術集。
史上初「1ページ1戦術」構成!
無駄を一切排除!
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システムとして取り入れやすい手軽さを最優先してます。
著者の麻雀の中心であるリーチから始まり、今まで皆さんがあまり使ったことのないであろう戦術、また麻雀を打つ上で大事な「メンタル」についても。フリー、大会、天鳳、どのフィールドでも必ず成績は上がり、麻雀が今よりもっともっと楽しくなることでしょう。