第1章 押し引き
11 打リーチ
「現麻本実戦編」で拝借させていただきました。「押すならあがった時に最大限成果が得られるように」という理由で打リーチ、あるいは、「だけは絶対に打てない」という理由で打ダマと考えられた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、テンパイ時の待ちが同じであれば、テンパイ時に切る牌の放銃率の差でアガリ率にも結構差がつくので、三色が無くても満貫以上になるなら上家の現物を切れる方がよいのではないでしょうか。
また、「は切らない方がよい」という判断が仮に正しいとしても、自分のアガリ牌より少ない牌を止めるためだけに打点を落とすのは基本的に損です。それぞれ、「もっと勝つための現代麻雀技術論」第188回、186回をご確認下さい。
12 ポン打
親で打点も高いテンパイなので押し有利。今回はスルーして、より有利な条件でテンパイする可能性もありますが、元々明確に押し有利である以上判断が変わるほどではないとみます。
「もっと勝つための現代麻雀技術論」第212回で申しましたように、鳴いて危険牌を押すかどうか微妙な場合は、スルーしてよりよい条件でテンパイすれば押し、更に危険牌を引くようであれば回し打ちというように、「スルーしてもベタ降りとは限らない」ことも意識したうえで押し引き判断を決定するようにしましょう。
13 打
1枚切れ字牌の中でも、直前に切られた時にトイツで持っているならポンすることができた役牌なので放銃率は更に低い。基本は降り有利でもテンパイするようであればテンパイには取る1シャンテンなら、この程度の牌は押します。
逆に言えば、「押さない方がよい」牌を切らなければテンパイに取れないようであれば、大体通る牌も切らずに最初から現物を切ってベタ降りする方がよいと言えます。
点数状況的にダブ南より発の方がスルーされやすいというのはありますが、切られた後で重なるケースはの方があり得るので原則通りから切ります。
14 打
リーチ以前にと切られているのでは、「悪形待ちにも当たりにくいスジ」。
ただし天鳳ルールにおいては、降りてオーラス2着でむかえる(トイメンは手出しでリーチの現物を連打しているのでまずノーテン)場合に比べて、連荘することがそれほど有利とは言えないので、で放銃する可能性が十分にあるようであればより安全な牌を切って降りた方がよいでしょう。
15 打
が通って、リーチ以前にが切られているので、カンは考えにくいがカンはあり得るのでテンパイに取るなら打ですが、上家がドラを押しています。ノーテンから押す程の牌ではないのでダマテン濃厚でしょう。
ただしリーチ者の現物待ちや、テンパイには取るが追いかけリーチするほどではないと判断した悪形待ちの可能性もあります。仮に2件リーチ相手だとしても、ここでを押すのが明確に損というほどではないので、判断を変えるまでには至らないと判断します。
これで西家がを切る以前に他色の強い面子候補を手出しで落としている等、ピンズの染め手でないテンパイ形が考えにくいとなると、2件リーチに押すよりよほど厳しいので流石に打でしょうか。
「テンパイで無いとすればこの牌が切られるのは考えにくい」というところからダマテンを警戒して、ダマテンだとすればどのような手牌になっているかを読むことは実戦ではよくあることです。テンパイしているのはリーチ者だけとは限らないという意識が欠けていると押し過ぎになりがちなので注意したいところではあります。