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劇画原作者 来賀友志 「麻雀劇画の基本は〝負けの美学〟だと思っています」【マージャンで生きる人たち 第17回】

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健康管理で行っていることはありますか?

「13年前までは1日5箱は吸うチェーンスモーカーだったんです。安藤満プロが亡くなって、その2週間後に作家の鷺沢萠さんも亡くなった頃、ふたりからものすごい御呼ばれが来たのか、喘息が止まらなくなった時期がありました。病院に行ったら、肺がんかもと言われて、1ヶ月間の検査入院。結果は細菌性の肺炎だったので、薬を投与して治ったんですが、このときにタバコをやめました。やめたら太り始めたんで、12年前から加圧トレーニングを毎週1~2回、欠かさずやっています。入院してたときに、ずっと大好きな地図を見ていて、もし助かったらまだ降りたことのない駅に行ってラーメンを食べようと想像していたんです。だから退院してからは、朝4時に起きて、お昼ぐらいに仕事の区切りをつけて、それ以降はネタ拾いとか、ラーメンを食べに出かけるという感じです。酒の飲み過ぎで胆嚢も取って肝臓も切ってますけど、全然変わらずですね(笑)」

 

麻雀を始めたのは?

「覚えたのは中学校の頃。一番どっぷり浸かったのは、予備校の2年間ですが、大学でもどっぷり浸かってました。その頃、竹書房が主催する『東京六大学麻雀リーグ』が開催されていました。ある日、麻雀部のキャプテンが、僕のところに来て、早稲田を助けてくれって言うんです。それから大会に出るようになったことがきっかけで、竹書房と関わりを持つようになったわけですから、縁って不思議ですね」

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近代麻雀編集長時代の秘蔵写真。「あの頃の経験が、今の仕事に繋がっています」

 

この仕事を目指す人へのアドバイス

「まずはどんどん書くことです。そして書いたものを出版社に持ち込むことです。そこでどんなにけなされようが、何を言われようが食らいつく。誰でも自分の実体験をベースにすれば、1~2本は書けるとは思います。そこから続けられるかどうかに関しては、努力が必要です。僕も竹書房時代、超売れていた作家のところに原稿を見て頂けませんかと持って行ったら、読んでもらえず、破かれて5階の窓から捨てられこともありました。もしもこの世界に興味があって、何かしら書いた人がいたら、僕に送って頂けたら必ず読みます。その人の個性を伸ばすことが大事だと思うので、助言ぐらいはしますんで」

 

来賀先生にとって麻雀とは?

「今の人生をすべてかけたものが麻雀です。思い返しても18歳から61歳になったこれまで、麻雀以外のことを考えたことはありません。いつも麻雀が一番。もしも生まれ変わったら、早いうちから麻雀の勉強をして、ものすごく強いプロになりたいですね。将棋界の藤井聡太四段のように(笑)」

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最新刊「麻雀飛龍伝説 天牌」第90巻も絶賛発売中。©来賀友志/嶺岸信明/日本文芸社

 

インタビューを終えて

28歳のデビューからこれまでの33年間、1本も落とさず締め切りを守り、4000本近くの原作を書き上げてきた来賀先生。来賀友志はペンネームで「来賀」は空閑(くが)緑という、文藝春秋社の創始者でもある菊池寛の友達で、麻雀を全国に広めた方の名前から。「友志」は志を同じにする友という想いを込めてつけたという。「机の前には、ハンカチに包んでバカラグラスに入れた安藤満プロの右肩の骨を置いてます。志半ばで逝ってしまったので、今でも頼むよって言われているような気がしているんです」。そんな思い出を語ってくれたのは、インタビューの場所が、新宿ゴールデン街だったからなのかもしれない。

 

インタビュー・文責:福山純生(雀聖アワー) 写真:河下太郎(麻雀ウオッチ)

 

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