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ネマタの第八期天鳳名人戦牌譜検討  第150回

ネマタの第八期天鳳名人戦牌譜検討 第150回

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ネマタの第八期天鳳名人戦牌譜検討とは
  • 『ネマタの第八期天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第八期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。

第八節一回戦A卓

▼対局者
Ⓟ川崎たかし
石橋伸洋
多井隆晴
タケオしゃん

牌譜はこちら

 シャンポンとカンチャンではシャンポン待ちを選ぶことが多いのですが、今回は比較的端寄りのカンであることに加え、シャンポンに受ける場合はフォロー牌と読まれやすいを切ることになるのでと何かのシャンポンを想定されやすい。打でカンチャンに受けるのが有力とみます。

 メンゼンでも手が進みやすく、浮き牌引きで更に手広くなる形。ポンは雀頭を崩す仕掛けとなると、鳴いて3翻あるとはいえ平場ならメンゼンで跳満以上も見込めるスルーに分がありそうです。南場トップ目ならではの鳴きというところでしょうか。

 カンは残り2枚。ソーズのイーペーコー形は雀頭が作りやすく。雀頭ができれば3メンチャンテンパイ。打と比べてポンテンがきくのもあり、雀頭を崩してテンパイを外すのが有力になる珍しい形です。

 カンテンパイに取っていればアガれていた形ですが、直前にを手出ししたので続けて空切り。切りから間を空けて切りだと待ちが読まれやすいですが、続けて切った場合は待ち以外のリャンメン待ちが候補に上がるので読まれにくくなります。

 待ち以外のリャンメン待ちだとして、より前に切られたがフォロー牌でないとするなら、残っているのは待ち。を止めてテンパイ復帰を目指した西家からで出アガリすることができました。

 ただし、前述の読みが当たっていると仮定すると、待ちくらいしか候補が残っていないとなれば、が空切りで待ち。あるいはが3メンチャンのフォロー牌で待ちのように、読みが外れている可能性も高まるとも言えます。このあたりのさじ加減が難しいところです。

 が危険牌というわけでもないので、終盤ならなおのことテンパイ率重視の打としそうです。

 しかしこうなればリーチに現物を切ってテンパイを維持するとしても、ノーヒントのよりは、ワンチャンスかつ手出しより先にがツモ切られていることからの方が南家に通っているように見えます。北家としてもここでのハイテイ放銃は想定外だったのではないでしょうか。

 前の牌図からを切った理由を私なりに推測しますと、北家はを切ってからをペンチャンでチーしていることから789三色狙いが本線。ドラ北を切っているので、仮にペンでテンパイしていたとしても放銃しても安く、ラス目の西家にツモアガリされる展開よりは望ましいと言えます。

 また、北家はを持っている可能性が高く、他家からしてもは切りづらいところなのでポンテンを逃す可能性は低く、もし待ちでテンパイすれば、流局間際に789三色狙いで手牌に残っているを北家が切ってくれることが期待できるというところでしょうか。今回くらい展開が噛み合うケースは珍しいと思いますが、少しでも自分にとって有利な展開を期待できるように、他家の手牌構成を推測することの必要性を知らされる一局でした。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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