第二章 麻雀はこんなゲーム
今回から第二章に入ります。
(1)採用役や点数計算方法など、麻雀のルールが大きく変わりアガリ点がインフレ化する中、積み棒はそのまま残ったので、ゲームに与える影響が小さく点数計算が無駄に複雑になってしまったというお話ですが、同じことは符計算の、「符」にも言えます。平均アガリ点が安く、符を切り上げせず全て計算していた時代は、「符」がゲームに与える影響もそれなりにありましたが、今では麻雀のルールを覚えようとする人にとって最も大きな障壁になっています。符計算の無いルールの導入もこれまで色々なところで試みられてきましたが、現行の日本麻雀界では浸透しているとは言い難いのが現状です。麻雀用語だけでなく、ルールについても統一化が進むことが麻雀界の発展に必要なことであると私は確信します。
「平場」が本来は、「積み棒が無い場」のことであることは小林プロの記事で初めて知りました。0本場か1本場かが打牌判断に影響を与えることはほとんどないですが、点数状況が平たいかどうかは大きく影響するので、「点数状況が平たい」の意味で度々使われるようになったのが意味がすり替わった原因でしょうか。「点数状況が平たく、残り局数が十分にあれば」、着順はあまり気にせず局収支に従って打てばよいとは言いますが、局収支に従って打てる領域もルールによって結構変わってくることが昨今の研究で明らかになってきていますし、「点数状況が平たくない」と一口に言っても様々な点数状況が考えられます。ゲームに与える影響が大きい状況なので、概念を表す統一された麻雀用語が欲しいですね。
(2)「供託リーチ棒はアガリ点に足す(放銃点はそのまま)。」手作りや押し引き判断に与える影響は結構大きいので押さえておきたいです。問題の局面は私も打としますが、がそれぞれ2枚とも残っているなら、「アガリ点が2倍程度にはなるので」、ツモチーよりツモポンの方が上とみてまだ打とします。
ただ、アガリ率が低くなるということは、それだけ後手を踏むことも多くミスをしやすくなるので、微妙なケースは他家の先制テンパイが入っていない段階ならアガリ率重視、他家の先制テンパイが入った場合は、押し過ぎのミスの方が引き過ぎのミスより戦績に悪影響を及ぼすことが多いので失点回避重視とするのが無難かもしれません。個人的には、「ミスのしにくさ」で妥協せず、なるべく「この手牌、局面で最善は何か」を追求していきたいですけどね。
本記事に関するご紹介
ツキ、流れ、勢いといったあいまいな表現を嫌ってきた著者の明晰な頭脳で、麻雀を論理的に限界まで語りつくされてます。