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ネマタの戦術本レビュー第883回「『知るだけで強くなる麻雀の2択』著:梶本琢程, みーにん その5」

ネマタの戦術本レビュー第883回「『知るだけで強くなる麻雀の2択』著:梶本琢程, みーにん その5」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

第3章

Q1

 見解がかなり分かれやすい問題です。最近ではダマ4翻をダマ、ダマ5翻はリーチで確実に跳満になるからリーチとしている戦術書もありましたが、局収支上は200点差でダマ4翻でもリーチ有利になります。

ただし、ダマ5翻の場合は局収支の差が400点になるので、4翻よりもリーチ寄りになるというのは確かです。詳しくは『統計学のマージャン戦術』を御参照下さい。

子ならリーチ、親ならダマという見解もありましたが、親は素点が1.5倍なので、局収支上は親の方がリーチ寄りになります。しかし、点数状況的に子でもダマ有利であるなら、素点の高い親はなおのことダマ有利になります。

大差つかないうえに元々の局収支が高いのですから、なおのこと局面やルールの影響が大きく、結果にも差が出やすい問題です。実戦でダマ満貫のテンパイが入ったら、いつも以上に局面に集中して判断するようにしましょう。

Q2

 ダマで安い手は良形悪形かかわらずリーチしますが、リーチしても打点が上がりにくい手の場合は、ダマにしても出にくい待ちはリーチという見解もあります。しかし、基本的に元々のアガリ率が低い手ほど、アガリ率を高めるダマが有力になりやすいです。アガリに近づくほど不要牌が増えるので、「ダマにすることで相手に自由に打たせてもアガリ牌が出ない」と言えることはそうないためです。

よって、良形なら明確にリーチ有利になるダマ40符3翻の手も、悪形なら微差になります。今回はツモでチャンタがつく変化も踏まえるとダマに分がありそうです。

Q3

 浮き牌へのくっつきで打点が上がるとなればテンパイを外すことも増えます。オーラスアガリトップならリーチとありますが、タンヤオなら仕掛けてテンパイに取ることもできますし、役有りテンパイになればリーチ不要なのでよりアガリやすくなるという側面もあります。場況からマンズ待ちがアガリやすいかどうか、ソーズが仕掛けやすいかどうかで判断する方がよさそうです。

ただ今回の手牌であれば、テンパイ以前に中張牌の浮き牌があれば、その段階で打としてシャンテンを戻すのがより有力になります。テンパイした時点からテンパイを外す場合ほどアガリ率も落ちないためです。テンパイ以前の段階であれば、ソーズが4連形でなく通常の3〜7のタンヤオ牌でもシャンテン戻しがよくなりそうです。

テンパイ即リーチを意識しているのに勝ち切れない、あるいは、テンパイから手変わりを待ちたい手になることがどうしても多いという方は、テンパイ以前の手組を見直されることをお勧めします。

知るだけで強くなる麻雀の2択

(担当編集より)この本では、麻雀を打っていて迷いがでやすい2択の場面を扱ってます。

なぜこの本を作ろうと考えたか、それを最初に説明させてください。実は私は、雑誌近代麻雀で多くの麻雀プロにコラムを書いていただいているのですが、その中でとても勉強熱心なプロが『ション牌の字牌とワンチャンスだったらどっちが当たりにくいのか、スジと1枚切れの字牌だったら? というデータをきちんと知りたい』と書いていたのです。

いざ本を作り出すと、梶本氏による過去になかった2択やみーにん氏による新しいデータをたくさん入れることができました。ぜひとも麻雀の基本をマスターし、かつそれを応用してデータと違う選択もできるようになっていただければと思います。

著:梶本 琢程(@takutei)みーにん(@TracesofaDream
単行本:1,620円

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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