2018年Mリーグでは準優勝、翌シーズンではまさかの最下位となり、優勝から遠ざかっていたEX風林火山。そして「3位以内に入らなければチーム解散」を公言し、背水の陣で挑んだ2020年大会では見事優勝を果たした。追い込まれるほどに実力を発揮し、大逆転優勝を成し遂げた姿は、まさに武田信玄の如きしぶとさだった。
2021年のドラフトで松ヶ瀬隆弥・二階堂瑠美が加入し、新たな風にも期待が膨らむ。今回は今後も目が離せないEX風林火山の各選手の特徴や、記憶に残る対局をご紹介していく。
目次
EX風林火山のチーム概要
チーム名 | EX風林火山 |
オーナー | 株式会社テレビ朝日 |
監督 | 藤沢晴信 |
選手 | |
公式SNS | Twitter YouTube |
EX風林火山は2018年にMリーグとともに発足。チーム名は武田信玄が軍旗に使っていた孫子の兵法「疾如風 徐如林 侵掠如火 不動如山」を採用したものである。
EX風林火山開幕前インタビュー「優勝あるのみ」
Mリーグ戦績
Mリーグ2018
|
順位 |
総合ポイント |
レギュラーシーズン |
1位 |
281.7pt |
ファイナルシーズン |
2位 |
83.0pt |
Mリーグ2019
|
順位 |
総合ポイント |
レギュラーシーズン |
8位 |
-474.1pt |
セミファイナル |
ー |
ー |
ファイナルシーズン |
ー |
ー |
Mリーグ2020
順位 |
総合ポイント |
|
レギュラーシーズン |
4位 |
-108.8pt |
セミファイナル |
4位 |
-82.9pt |
ファイナルシーズン |
1位 |
242.3pt |
Mリーグ2021-22
順位 |
総合ポイント |
|
レギュラーシーズン |
4位 |
184.4pt |
セミファイナル |
5位 |
68.1pt |
ファイナルシーズン |
ー |
ー |
Mリーグ2022-23
順位 |
総合ポイント |
|
レギュラーシーズン |
2位 |
586.1pt |
セミファイナル |
1位 |
290.4pt |
ファイナルシーズン |
4位 |
-150.4pt |
EX風林火山のチームメンバー
二階堂 亜樹(にかいどう あき)
異名 |
卓上の舞姫 |
生年月日 |
1981年11月15日 |
出身地 |
神奈川県鎌倉市 |
血液型 |
O型 |
趣味 |
漫画 |
公式SNS |
|
所属プロ団体 |
日本プロ麻雀連盟 |
主なタイトル |
麻雀最強戦2020最強「M」トーナメント |
1999年にプロデビューして以来、女性雀士界を牽引し続けてきた重鎮。獲得タイトルからもわかる通りの確かな実力と、美しいルックスから「卓上の舞姫」と呼ばれる。
今となっては数多くのファンがおり、女性雀士の代名詞と言ってもいいほどになった亜樹だが、その生い立ちは壮絶なもので、書籍化、映画化までされた。2020年Mリーグではチームの悪い流れを断ち切る逆転劇を見せ、優勝に大きく貢献。最近ではパチンコ番組への出演など、マルチに活躍している。
Mリーグ2020 個人成績
試合数 |
総局数 |
ポイント |
|
レギュラーシーズン |
28 |
347 |
-37.5pt |
セミファイナル |
4 |
44 |
43.2pt |
ファイナルシーズン |
1 |
11 |
-50pt |
二階堂亜樹「麻雀プロ人生に光を灯してくれた二人の恩師」 Mリーガー列伝(12)
勝又 健志(かつまた けんじ)
異名 |
軍師 |
生年月日 |
1981年3月15日 |
出身地 |
東京都墨田区 |
血液型 |
B型 |
趣味 |
将棋 |
公式SNS |
|
所属プロ団体 |
日本プロ麻雀連盟 |
主なタイトル |
麻雀プロ団体日本一決定戦 |
高精度の読み筋から「麻雀IQ220」や「軍師」との異名がついている。その名に恥じない優れた状況判断能力を持ち、常に最善手を選択することができるクレーバーな雀士だ。また、分かりやすく、的確な解説は非常に人気が高いことで知られている。そんな勝又は極めて真面目な性格で、インタビューを受けた際には「麻雀しか取り柄がない」と、真面目すぎることを少し気にしている様子も伺えた。
勝又が麻雀と出会ったのは小学5年生の頃。中学生にあがっても部活のかたわらに麻雀を続け、高校生の時にはプロを意識し始めたという。そして18歳でプロテスト合格、19歳でデビューとなった。勝又が読み筋を研究するきっかけとなったのは、プロ1年目の出来事。前原(KONAMI麻雀格闘倶楽部)の対局を目にしてからだという。そこで麻雀には確実に「流れ」が存在すると考え、徹底的に牌譜を研究。その結果「流れ」を論理的に理解するという、勝又なりの打ち筋が生まれた。
Mリーグ2020 個人成績
|
試合数 |
総局数 |
ポイント |
レギュラーシーズン |
31 |
396 |
-73.3pt |
セミファイナル |
4 |
43 |
-132.6pt |
ファイナルシーズン |
7 |
73 |
274.2pt |
勝又健志「誰も知らない読みの領域へ」軍師の原点 Mリーガー列伝(13)
松ヶ瀬 隆弥(まつがせ たかや)
名前 | 松ヶ瀬 隆弥(まつがせ たかや) |
異名 | 一騎当千 |
生年月日 | 1980年4月11日 |
出身地 | 北海道 |
血液型 | B型 |
趣味・特技 | 料理 |
公式SNS | |
所属団体 | RMU |
プロ入会年 | 2009年 |
主なタイトル | 第7期最高位戦Classic 第9期令昭位 |
EX風林火山ドラフト会議指名選手オーディションで見事優勝を飾り、2021シーズンから加入が決まった松ヶ瀬。守備・攻撃を状況に応じて器用に使い分ける、万能型の雀風が特徴だ。対局時にはサングラスをかけていることが多く、その恰幅のよさから少々近寄り難い印象を受ける人も多い。しかし、打ち筋の繊細さや趣味が料理であることを知り、ギャップにやられるファンが急増中。EX風林火山での今後の活躍にも期待したい。
手牌も上手に料理する-料理上手な松ヶ瀬隆弥の雀風や素顔
二階堂 瑠美(にかいどう るみ)
異名 |
天衣無縫 |
生年月日 |
1980年9月27日 |
出身地 |
神奈川県鎌倉市 |
血液型 |
A型 |
趣味 |
読書・カラオケ・料理 |
公式SNS |
|
所属プロ団体 |
日本プロ麻雀連盟 |
所属リーグ |
女流桜花Aリーグ |
主なタイトル |
第17期最強位 |
「二階堂姉妹」と呼ばれ、女流プロ界のパイオニアとして名を馳せてきた瑠美。亜樹を追うように、第16期生として1999年に日本プロ麻雀連盟に入会し、その後は大会だけでなくテレビ対局にも数多く出演。麻雀界で女流プロが注目される前から、実力と存在感を示しているのだ。そして、2021シリーズでドラフト指名を受け、瑠美もEX風林火山に加入。姉妹揃ってMリーガーとなった。今後の姉妹の活躍から目が離せない。
EX風林火山の過去所属選手
滝沢 和典(たきざわ かずのり)
異名 |
麻雀バガボンド |
生年月日 |
1979年12月6日 |
出身地 |
新潟県長岡市 |
血液型 |
ギター・お酒 |
公式SNS |
|
所属プロ団体 |
日本プロ麻雀連盟 |
主なタイトル |
麻雀最強戦「最強の麻雀戦術本プロ決定戦」 |
中学時代に麻雀と出会い、高校ではバンドと麻雀に熱中。高校卒業後は楽器専門学校に通いながらプロテストを受験、20歳でデビューした。その甘いマスクから「麻雀界のタッキー」と呼ばれ、テレビ麻雀界を盛り上げている。若い頃から「丁寧で繊細な打ち筋」と言われ、他の選手からも「まるで麻雀の手本のよう」と評されることも。
EX風林火山にドラフト指名される以前は成績不振が続いており、麻雀をやめようとも考えたという。滝沢自身、指名されるとは思っておらず、ドラフト会場に出席していなかったと話している。ドラフト指名を機に一念発起し、自分の麻雀を見つめ直すために、毎日10時間以上の練習を重ねている。2020シーズン優勝に大きく貢献したが、自らの意思でチームから脱退。2021シーズンからはKONAMI麻雀格闘俱楽部に移籍となった。
Mリーグ2020 個人成績
試合数 |
総局数 |
ポイント |
|
レギュラーシーズン |
31 |
331 |
2pt |
セミファイナル |
8 |
96 |
60.9pt |
ファイナルシーズン |
4 |
42 |
59.5 |
滝沢和典「人生の師と仰ぐ無頼派ハードボイルド作家の存在」 Mリーガー列伝(14)
EX風林火山の対局模様
【Mリーグ2020 レギュラーシーズン74日目第1戦】2021/2/12
レギュラーシーズン序盤は勢いのあったEX風林火山だったが、年が明けた1月から急激にメンバー全員が調子を崩し始めた。チームは8試合連続逆連対を喫している中、この日の亜樹が流れを変える。序盤はかなり苦しい展開が続き、東場を終えてわずか700点を残すのみ。南1局親の亜樹は中のみ1,500点で親を繋ぎ、その後リーチ・ツモ・平和・赤1の2,600オールで反撃の狼煙を上げた。
南3局1本場では七対子の北地獄待ちをなんと一発ツモ。さらに裏ドラが2つ乗り、一気に2位へ。満貫以上で逆転という状態でオーラスを迎える。ダブ南トイトイで1萬待ち、瑞原からのアガリを決めて見事大逆転。完全に悪い流れを断ち切り、解散ムードが漂うチームを救った対局となった。
【Mリーグ2020 ファイナルシリーズ最終日】2021/5/18
ファイナルへ進出したEX風林火山だったが、「3位以内に入らないと解散」というプレッシャーもあり、奮わない展開が続いていた。トップとは大きな差が開いていたが、残り4戦で勝又プロが2連勝。2位、3位とはわずかな差ではあるが、奇跡的にトップに躍り出た。そして迎えた最終日、ここまで調子の良い勝又が連投となった第1戦。勝又は連勝の勢いそのままに、この日も他を寄せ付けない。
東1局にはドラドラ・平和のリーチで一発ツモ。3000・6000でスタートダッシュを決める。東2局では親となった勝又が、リーチ・ツモ・タンヤオ・ドラ3・赤2。なんと裏ドラが3枚乗り、完全に流れをモノにした。1戦目をトップで切り抜けた勝又は、2戦目も磐石な打ち筋で2位に着け、奇跡の大逆転優勝という偉業を成し遂げた。勝又はインタビューで「幸運に恵まれた。その幸運をしっかりと掴み、麻雀をすることができた」と語っている。
【5/17 Mリーグ2020 1戦目結果】風林火山・勝又が的確な立ち回りでトップ!上位陣とのポイント差を縮めて優勝に近づく!
Mリーグ2020 EX風林火山が初優勝!
EX風林火山のニュース
EX風林火山新メンバーオーディション開催!
今、麻雀業界を賑わせているニュースといえばこれ。昨年度優勝を果たしたEX風林火山が今年新たにメンバーを1人加え、4人体制にすることを明らかにした。元乃木坂46メンバーの中田花奈などの著名人も参加している。
現在の順位やオーディションの詳細はこちら!
二階堂プロが実姉・二階堂瑠美プロとYouTubeチャンネル開設!
亜樹が瑠美と共同で「るみあきchanねる」を今年3月に開設した。
2人が麻雀について語り合う回もあるが、「ゲーム実況」や「やってみたシリーズ」など、様々なジャンルの動画を投稿している。意外なところでいうと「激辛ペヤング食べてみた!」や「遺伝子検査してみた結果…」など、美人姉妹の普段とは違う一面を見れるかもしれない。