第3章 「良形」「悪形」っていったい何?
本書では、「基本的に早いリーチほどリャンメン待ちが多い」とありますが、これは『科学する麻雀』出版以前に東風荘の超ラン卓で取られたデータに基づきます。当時は凸氏がそうであったように、なるべくリャンメンでリーチするスタイルが主流でした。「悪形待ちでも先制ならリーチ」という考えが浸透とした今となっては、天鳳鳳凰卓では早いリーチほど悪形率が高くなっています。また、リャンメンリーチの割合についても、先制より追いかけの方が高くなっています。まさにこのあたりは環境の変化、フィールドの違いの現れと言えます。
「良形安手」VS「悪形高手」
アガリのチャンスが1回しかなければ、待ちが半分になるとアガリ率も半分になりますが、実際は何回もチャンスがあるので比率が縮まります。よって得点が2倍になるなら基本的に悪形待ちに受けます。
ただし、アガれなかった場合の失点もあるので、本当にアガリ率が半分になるなら、得点が2倍になる程度ならアガリ率を優先すべきです。また、2倍といっても良形1000点と悪形2000点なら、アガれなかった場合の失点も考慮して前者を選択することが多いでしょう。より詳しく局収支ベースで判断されたいのであれば、計算方法は『統計学のマージャン戦術』テーマ0、待ち別の具体的な和了率については同書の該当項目を御参照下さい。
リーチ同士、リーチとダマはどう比較するか?
リーチ同士についても計算方法は同じです。一発、裏ドラ、ツモがあるので安手側も高くなりやすく、満貫以上の手は打点が上がりにくいので鳴き手の場合より良形安手を選ぶことが増えます。
第491回でも取り上げましたが、本書はダマの和了率が高く見積もられているので、実際には良形リーチの方が悪形ダマに和了率で勝ることが多そうです。しかしこのあたりも場況や他家の挙動によるところが大きいので何とも言えないところがあります。
第491回で、シミュレート上はダマ4翻リャンメンを巡目によらずほぼリーチ有利としましたが、実測値ベースではリーチとダマの差が縮まっています。実戦ではシミュレート上では反映されにくいダマ側のメリットもあるためと考えられます。このあたりは現状は個別のケースに応じて判断するしかなさそうです。
参考:ブログ「とりあえず麻雀研究始めてみました」より「先制両面ダマ4ハンを牌譜解析」
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