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麻雀最強戦とは?今も昔も、誰もが認める「日本一決定戦」

麻雀最強戦とは?今も昔も、誰もが認める「日本一決定戦」

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「日本で一番麻雀が強い奴は誰だ」。このキャッチフレーズのもと1989年の初開催以降、麻雀のオープン大会としては国内最大規模を誇るタイトル戦、それが「麻雀最強戦」だ。Mリーガーをはじめとするプロ雀士、全国各地の予選を勝ち抜いたアマチュアの猛者など、各界の麻雀名人が一堂に会して覇を競う。その対局は熱く激しく、感動を呼んだ名対局も多く存在する。業界を超えた真剣勝負だからこそ、初開催から30年以上が経過した現在でも誰もが認める「日本一決定戦」であり続けているというわけだ。今回は麻雀最強戦の歴史や過去の名場面など、本大会にまつわる数々のストーリーについて深掘りしていこう。(所属や肩書は大会当時のもの)

麻雀最強戦とは

【4/9(土)15:00】麻雀最強戦2022 女流最強スター決戦

初開催

1989年

主催

株式会社竹書房

後援

近代麻雀

協力

日本プロ麻雀連盟、日本プロ麻雀協会、最高位戦日本プロ麻雀協会、RMU、麻将連合

大会実行委員長

金本晃(株式会社竹書房)

視聴方法

ABEMA、テレ朝チャンネル

麻雀雑誌「近代麻雀」を発行する竹書房が主催する本大会。日本プロ麻雀連盟、日本プロ麻雀協会、最高位戦日本プロ麻雀協会、RMU、麻将連合の各団体が運営に協力している。大会の様子は近代麻雀で紹介されるのはもちろん、インターネットTVのABEMA、CSのテレ朝チャンネルで放送されている。2007年から実行委員長を務めている金本晃氏は竹書房の社員で、近代麻雀の編集長としてもおなじみの人物だ。

大会の流れ

年末の麻雀最強戦ファイナルに進出できるのは16人。特筆すべきは、各部門で行われる大会の勝者のみがファイナルに進出できるという点だ。つまり、勝ち上がりの道中でどれだけ強くても、決勝で2着なら出場権は掴めない。それだけに、各大会での対局は熱気に満ちている。2021年大会で用意された16枠の内訳は次のようになっている。

  • 各代表決定戦(12枠)

12のカテゴリーで行われる(2021年はプロ10、著名人2)各大会に出場する8人の雀士がA卓、B卓に分かれて対局。上位2名ずつが決勝へ進み、ファイナル進出をかけて戦う。

  • ザ・リベンジ

プロによって行われた代表決定戦のうち、ファイナル進出を惜しくも逃した8人による「敗者復活戦」。各代表決定戦と同じスタイルで行われ、決勝で勝った者がファイナルへと進出する。※2022年度は開催されないと発表されている。

  • 全日本プロ選手権

各代表決定戦には参加できなかったプロ雀士たちによる争い。厳しい予選を勝ち抜いた8人のプロが、頂点を決める最後の戦いとなる全日本プロ選手権に進出。本戦は各代表決定戦と同じ形式で行われる。

  • 全国アマチュア最強位

全国各地で行われる店舗予選に始まり、地区最強位決定戦までを勝ち抜いてきたアマチュアら16人が出場するのが全国アマチュア最強位決定戦。麻雀最強戦ファイナルと同じ形式で行われる。

  • 前年の麻雀最強位

前回大会の最強位となった選手は、無条件でファイナルに参戦できる。

麻雀最強戦のルール

  • 時間による打ち切り制度

大会を通して東南戦半荘戦で行われるが、全国各地で開かれる店舗予選では進行の都合上、時間による打ち切り制度が導入されている。4半荘のうち3回戦までは50分打ち切り、4回戦は50分プラス1局となっている。予選を勝ち抜くためには、制限時間をめぐる駆け引きも重要な要素の一つになってくるだろう。

  • 順位点はMリーグと同じ

各大会やプロ団体によって異なるのが順位点のシステムだ。麻雀最強戦の場合、オカ・ウマともにあり。25,000点持ちの30,000点返しで、順位ウマはトップに+30,000点、2位+10,000点、3位-10,000点、4位-30,000点。これはMリーグと同じ基準となっているので、Mリーグファンの方にとってはなじみ深いルールといえるだろう。

  • ハコ割れ終了なし

点数が原点を下回ってしまう「ハコ割れ」終了はなく、対局が続行される。こちらもMリーグと同様のルールとなっている。2015年の「女流代表決定戦・桜の陣」では、豊後葵プロ(協会)が対局相手の3人全員を一時ハコ割れに追い込んだことも。

歴代最強位は麻雀界の歴史

画像は「麻雀最強戦2021 FINAL」で優勝した瀬戸熊直樹。同選手はMリーグTEAM RAIDEN / 雷電でも活躍するMリーガーだ。

初代最強位に輝いたのは麻雀漫画の第一人者・片山まさゆき氏。第2期は「ミスター麻雀」  小島武夫(連盟)。これだけでも、最強戦が多様性と強さを兼ね備えた大会であることが十分に伝わってくるが、それ以降も麻雀界のレジェンドたちの名前がずらりと並ぶ。

一方で、予選から勝ち上がったアマチュア代表や、著名人が栄冠に輝いた大会も数多くある点が、オープン大会の麻雀最強戦らしさといえよう。第6期、第8期を制したのは、ともに映画監督の飯田譲治氏、長谷川和彦氏。飯田氏は『闘牌伝アカギ』など、麻雀を題材にした映像作品にも携わっている。

2014年の最強位は、実業家で初代Mリーグチェアマンの藤田晋氏。藤田氏以来5年ぶりに著名人代表の最強位に輝いたのが、将棋の鈴木大介九段だ。実はこの2人、若い頃に卓を囲んでいたという縁もある。

  • これまでの麻雀最強位

第1期(1989年度)  片山まさゆき (漫画家)
第2期(1990年度)  小島武夫 (日本プロ麻雀連盟)
第3期(1991年度)  伊藤優孝 (日本プロ麻雀連盟)
第4期(1992年度)  佐々木秀樹 (雀鬼会)
第5期(1993年度)  山田英樹 (雀鬼会)
第6期(1994年度)  飯田譲治 (著名人代表:映画監督)
第7期(1995年度)  飯田正人 (最高位戦日本プロ麻雀協会)
第8期(1996年度)  長谷川和彦 (著名人代表:映画監督)
第9期(1997年度)  土田浩翔 (日本プロ麻雀連盟)
第10期(1998年度) 荒正義 (日本プロ麻雀連盟)
第11期(1999年度) 長村大 (最高位戦日本プロ麻雀協会)
第12期(2000年度) 森山茂和 (日本プロ麻雀連盟)
第13期(2001年度) 河合正浩 (読者代表)
第14期(2002年度) 郷内武広 (読者代表)
第15期(2003年度) 鈴木たろう (日本プロ麻雀協会)
第16期(2004年度) 氏家義成 (さん小倉店代表)
第17期(2005年度) 後藤正博 (読者代表)
プロ代表  二階堂瑠美 (日本プロ麻雀連盟)
第18期(2007年度) 小山理則 (めろんの樹代表)
第19期(2008年度) 張敏賢 (最高位戦日本プロ麻雀協会)
第20期(2009年度) 福田聡 (日本プロ麻雀協会)
第21期(2010年度) 板川和俊 (日本プロ麻雀連盟)
2011年     板川和俊 (日本プロ麻雀連盟)
2012年  水沼利晃 (アマ最強位)
2013年  沢崎誠 (日本プロ麻雀連盟)
2014年  藤田晋 (著名人代表)
2015年  前田直哉 (日本プロ麻雀連盟)
2016年  近藤千雄 (日本プロ麻雀協会)
2017年  金太賢 (日本プロ麻雀協会)
2018年  近藤誠一 (最高位戦日本プロ麻雀協会)
2019年  鈴木大介 (著名人代表)
2020年  多井隆晴 (RMU)
2021年  瀬戸熊直樹 (日本プロ麻雀連盟)

名場面プレイバック

第1期最強戦の決勝卓では、国士無双を狙う灘麻太郎(連盟)のロン牌を止め切って、片山氏が優勝を飾った。以来、最強戦では激闘の歴史が脈々と受け継がれている。ここでは、数多くのファンの記憶にも残る名場面をピックアップして振り返ってみよう。

全員を飛ばした豊後無双

「豊後無双」というワードまで生み出した、伝説の役満が炸裂した動画がこちら。動画開始時、豊後葵(協会)はすでに81700点持ち。この直前、親番でチンイツをアガったばかりで、放銃した茅森早香(最高位戦)はすでにハコ割れとなっている。

焦点は2着争いという局面だったが、豊後の勢いは止まらない。一九字牌が次々と押し寄せ、なんと9巡目で国士無双のテンパイ。待ちの[南]は場に3枚出ていたが、山に1枚残っていた。実況・解説もざわつく中、豊後がその1枚をツモ。16000オールで、3人の対局者をすべてハコ割れとした。

「リアルアカギ」降臨

テレビドラマ版『アカギ』の主人公・赤木しげるを演じ、最強戦の舞台に登場した俳優の本郷奏多さんが「リアルアカギ」ともいうべき打ち回しからの見事なアガリを決めた。まずは、高須克弥氏が手を進め[中]のポンテン形を作った。本郷さんはここで[中]をツモるが、リリースせず。高須氏はしびれを切らしたかのように[中]を雀頭にして、カン[八]待ちでリーチ。ここでも本郷さんは[八]を掴んだが切らずに手の内へ。その後[中][八]と重ねていき、最後のツモ番で七対子のテンパイ。少考した本郷さんは、[三]待ちでまさかのツモ番なしリーチ。直後に高須氏が掴んだのは、なんと本郷さんのアタリ牌[三]だった。さらに驚くべきことに[三]が裏ドラとなり、このリーチが跳満へと大化けしたのである。フィクションである『アカギ』で描かれるような劇的な結末に、控室ではスタジオに届くほどの大喝采があがっていた。

劇的な逆転優勝に男泣き

「悲願」という言葉だけでは表せない感情がこみ上げ、瀬戸熊直樹(連盟)が男泣きを見せた。決勝戦の南3局、瀬戸熊はトップ目の宮内こずえ(連盟)に痛い放銃。逆転優勝には、跳満直撃か倍満ツモという厳しい条件が残った。そして迎えたオーラス1本場、瀬戸熊がドラの[⑧]を暗槓。条件達成をグッと引き寄せたが、親から先制リーチが入る。瀬戸熊も追いついて「タンヤオ・ドラ4」でリーチ。一発ツモか、ツモって裏ドラ1枚なら倍満だ。一発こそ逃すも、渾身の力を込めた瀬戸熊が[八]をツモアガり、裏ドラを2枚乗せて大逆転。大会史に残る劇的な優勝を決め、インタビューでは「最後まで厳しい状況だったが諦めず、条件だけを目指した」と答えた。喜びをかみしめるように話す瀬戸熊の表情には涙が浮かぶのだった。

最強戦マメ知識

女性の最強位は1人だけ

第17期はプロ部門と読者部門が別に行われたため、2人の最強位が誕生した。プロ部門で優勝した二階堂瑠美(連盟)は、女性初の最強位となった。30年を超える最強戦の歴史において、女性の最強位は瑠美だけ。Mリーグでも女流プロが主要タイトルを獲得しているだけに、2人目の「女流最強位」にも期待したいところだ。

連覇もわずか1回

第21期を制したのは板川和俊(連盟)。翌年は大会が完全リニューアルされ、「最強戦2011」となった。ファイナルはトーナメント形式で争われるようになり、決勝戦には「史上最強」とも呼ばれたメンバーが顔を揃えた(板川和俊・前原雄大・灘麻太郎・小島武夫)。ディフェンディングチャンピオンとして3人を迎え撃った板川が、大会史上唯一となる連覇を果たしたのだった。

「最高で最強」は3人

最高位戦日本プロ麻雀協会の現・最高位が、麻雀最強戦でも優勝することは「最高で最強」と表現される。初めて「最高で最強」となったのが飯田正人で、2人目はMリーグ審判でおなじみの張敏賢。そして最強戦2018で、10年ぶりの「最高で最強」となったのが近藤誠一だ。この年にMリーグが開幕し、セガサミーフェニックスの一員となった近藤。最高位として、Mリーガーとしての貫禄を見せつけた形となった。

最高峰であり続ける戦いのストーリーに注目

近年、麻雀をめぐる視聴環境は大きく変わり、Mリーグを中心にプロ雀士による白熱の放送対局を数多く見られるようになった。しかし、著名人やアマチュアを加えた最高峰の戦いを楽しめる麻雀最強戦は唯一無二の魅力を持っている。

年末のファイナルに出場するための16枚の切符をかけた戦いは、今年もすでに各所で始まっている。これらの熱戦一つ一つからファイナルに至るまでの最強戦ストーリーをぜひ、あなたの目で見届けていただきたい。

この記事のライター

麻雀ウォッチ編集部
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