麻雀を始めたのはいつ頃?
「中学校の時、押入れで麻雀牌を見つけたことがきっかけです。まさに大人の遊びをしてみたい年頃だったわけですが、やろうとしたら、父親から時間の無駄だからやってはいけないと叱られました。父は大の麻雀好きだったので、やり始めると夢中になってしまうことがわかっていたからだと思います。でもやるなって言われるとやりたくなってしまうもので、友達と隠れてやってました」
「余談ですが、父は私の結婚式で『祖父も自分も大の麻雀好き。そんな麻雀を社業にしてくれた息子を誇りに思います』と挨拶してくれました。そんな風に思ってくれていたのかと感慨深かったですね」
麻雀と仕事に共通していることとは?
「“運との向き合い方”です。麻雀も仕事も運の一時的な浮き沈みがあります。その浮き沈みにも自分の許容範囲のものと、それを超えたものすごいものがあり、それをどう乗り切ればいいのかという部分はまさに共通しています」
「沈んでいるときはどん底でも頑張れるかどうか。ツイてないとか言わず、人のせいにもせず、地道にやれることをやり、あとは運を待つところは麻雀でも仕事でもすごく大事なことです。しかも浮いているときがまた難しく、全部独り占めしようとするのもバランスが悪い。欲が出るのでどんどん前にいくのですが、欲を出しすぎると転落が始まる。上り調子のときにきちんと育て上げていくことは、いい時にどうするのかということで、ここも共通しています。そういった状況下における物事の捉え方は麻雀から学ぶことができます」
日常で心がけていることは?
「全部自分のせいだと思って行動しています。仕事もプライベートも麻雀も全部一緒。思い通りにいかない出来事が起きたとき、人のせいにしてしまえば、そういうこともあるよねとなり、それ以上発展することはありません。でも全部自分の責任だと思えば、こんなことも出来るよねと打開案を考えられるようになります。仮に電車の遅延によって遅刻したとしても、遅延証明さえあればOKではなく、結果として始業時間から仕事が出来ないのであれば、自分の責任だと思えるようになれるわけです。ではできることはなんなのか。30分早く出るとか、もしも電車が止まったら、こういう迂回路でも行けるように備えておくとか、駅に着く前に運行状況を調べておくとか。どんな事象をも全部自分のせいだと思えば、工夫や成長が生まれていきます」
栢さんにとってマージャンとは?
「生き方そのものです。息を吸うのと同じで、無いと死んでしまうもの。麻雀に注ぐ時間を仕事や家族との時間にあてていけば、もっといろいろ出来るのでは?と言われることもありますが、生き方そのものになっているので、そこを削ってしまうと僕は死んでしまう。そんな関係です」
インタビューを終えて
スキー、スノーボードは登って降りて、登って降りてを繰り返す。麻雀は並べて崩して、並べて崩してを繰り返す。どちらもやらない人から見れば、生産性の無いことの繰り返しと見られがちかもしれない。ではその中で得られるものとはなんなのか。栢さんはそこを突き詰めるため、多くの時間を割いている。「すごい社長だなと思う人全員が麻雀をやっているわけではありません。でもすごい社長が麻雀をやっている場合は、例外なく強いものです」と微笑む栢さんの言葉に、その答えが凝縮されている気がした。
インタビュー・文責:福山純生(雀聖アワー) 写真:河下太郎(麻雀ウオッチ)
⬛︎株式会社シグナルトークでは“麻雀愛”のある方を募集しております!
優秀なクリエイターに向けて、常に門戸を開いている株式会社シグナルトーク。通年採用なので、興味のある方はオフィシャルサイトの採用情報からエントリーしてみては。以下は代表取締役 栢孝文さんのコメント。
「麻雀に対する情熱と知識のある方は大歓迎です。採用時に見極めることは、単に愛好家というだけではなく、愛情というレベル、もしくは生き方というレベルにまで達しているかどうか。弊社のお客様はすでに麻雀が大好きな方であるわけで、お客様に喜んで頂けるサービスを展開するためには“麻雀愛”は必須です。具体的には麻雀に関する知識も細かいところであったり、点数計算や戦術のバリエーションに関してだったり、麻雀のいろんな遊ばれ方についての理解であったり、いわゆるそんなに麻雀が好きなんですねと言ってもらえるような域にまで高めていける人です。そして自分の責任だと思って物事を捉えられる人かどうか。そういった姿勢を見極めています。麻雀で生きることは実際大変なことなので。ご応募お待ちしております」
◎株式会社シグナルトーク
http://www.signaltalk.com
マージャンで生きる人たち back number
- 第1回 株式会社ウインライト 代表取締役社長 藤本勝寛
あらゆる挑戦は、すべて〝妄想〟から始まる - 第2回 株式会社F・R・C代表取締役 香宗我部真
<作業>が<仕事>に変わった先にあるもの - 第3回 ターナージャパン株式会社 制作部 プロデューサー 上島大右
好きなことを仕事にしようと考えるより、自分の仕事を好きになる努力するほうがいい - 第4回 フリーアナウンサー 土屋和彦
しゃべるのが仕事。しゃべることを取材することも仕事 - 第5回 株式会社セガ・インタラクティブ セガNET麻雀MJディレクター 高畑大輔
「マージャンのおかげでキレなくなりました(笑)」 - 第6回 RTD株式会社 代表取締役 張敏賢
「目指すは、新しいマージャン文化の創造」 - 第7回 漫画家 片山まさゆき
「盆面〈ぼんづら〉がいい人生。仕事も麻雀も。そうありたい」 - 第8回 株式会社アルバン 専務取締役 船越千幸
「奪い合うのではなく、増えるきっかけを生み出す」 - 第9回 健康麻将ガラパゴス創業者 田島智裕
「参加者に喜ばれ、なおかつ社会的意義のあることをやり続けたい」 - 第10回 株式会社日本アミューズメントサービス代表 高橋常幸
「希望が持てる業界を構築し、麻雀で社会を変えたい」 - 第11回 《More》プロデューサー 菊池伸城
「躊躇なく一気にやることで、世界は開ける」 - 第12回 麻雀キャスター 小林未沙
「想像力をどれだけ膨らませられるかが勝負です」 - 第13回 麻雀評論家 梶本琢程
「面白かったら続けたらいい。うまくいかなかったら次を考えたらいい」 - 第14回 麻雀AI開発者 水上直紀
「常識を疑い、固定概念を崩したい。強くなるために」 - 第15回 麻雀観戦記者 鈴木聡一郎
「ニュースがライバル。そう思って書いてます」 - 第16回 株式会社サイバーエージェント AbemaTVカンパニー編成部プロデューサー 塚本泰隆
「決断したことに後悔はしない。麻雀から学んだ思考です」 - 第17回 劇画原作者 来賀友志
「麻雀劇画の基本は〝負けの美学〟だと思っています」 - 第18回 株式会社シグナルトーク代表取締役 栢孝文
「始める、続ける、大きく育てる。愛する麻雀の“弱点”を補うために」 - 第19回 フリーライター 福地誠
「まだ本になったことがない新テーマの本を作りたい」 - 第20回 声優 小山剛志
「もがき、あがき、考える日々。一体いつまで続けられるのか」 - 第21回 映画監督 小沼雄一
「大変だけど、やってみる」 - 第22回 麻雀企画集団 バビロン総帥 馬場裕一
「プロは『人が喜ぶ』」 - 第23回 点牌教室ボランティア 松下満百美
「やってあげてるという意識は無いほうがいい」 - 第24回 フリーアナウンサー 松本圭世
「高校野球中継のスタンド取材が今に生きています」 - 第25回 子供麻雀教室講師 山本健
「好きな言葉は、テンパイ即リー、数打ちゃ当たる!」
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